今日のお勉強
作成:1999年10月22日


「大投資家ジム・ロジャース 世界を行く」

1995年ごろ

「歴史の教訓の一つは、真に虐げられた人間は立ち上がらないが、期待を目覚めさせられ抑圧された人間ほど怖いものはないということだ。」

「どこでも同じようなことは起こる。人はいつも悪い知らせを聞きたくはないのだ。とりわけ人生を狂わせるような知らせは。その昔、オイルブームの頃、ウォール街では石油が1バレル100ドルまで上がると言われていたが、私はそれは不可能だと主張した。値が上がりすぎると、決まって起こることがあるからだ。誰かがその実態を見破るか、誰かが代替品を作るのだ。そして消費量は減る。人々は、暖房の温度を下げ、セーターを着るようになる。ウォール街の典型的な阿呆達は怒って、私を気違い呼ばわりしたものだ。
 彼らはいつも言う、『今回は違うんだよ』と。よくこういう言葉を耳にするが、違うということは決してない。ただ状況が違うに過ぎない。木が天まで伸びることはないし、株価が永遠に上がりつづけることもない。高値は需要は減少させる。値が高くなるとそのお金を自分のものにできるかとばかりに多くの人が押し寄せ、供給を増やし、ついには値を下げていくのだ。需要と供給の法則を覆したものはいないし、これからも誰も覆すことはできないだろ。共和党も民主党も、共産主義者であれ資本主義者であれ。」

「保護主義は地元の生産者が執拗に求めるために存在する。
<<中略>>
 米国の自動車業界や北東部の靴メーカー、南部の繊維業界の労働者を保護することは、母親がアップルパイを作るのと同じぐらい愛国的なことに聞こえ、それは米国民が望んでいることのように聞こえる。
 否。それは国民が望んでいることではないはずだ。保護主義は、国民に高い代金を払わせるばかりでなく、社会を駄目にしてしまうものである。しかしながら、私たち消費者には、消費者を代表し活動してくれる政治的リーダーもロビイストもなく、また私たち自身余り声高に主張しない。
<<中略>>
 しかしながら、長期的に見れば、その影響は甚大である。保護された産業は活気が無くなり、イノベーションがなくなる。彼らの製品の質は落ち、価格は不当に高くなる。60年代の、外国との競争のまったく無かった米国の自動車産業は典型的な例である。かつてのクライスラー、フォード、ゼネラル・モーターズは市場を独占し、その当然の帰結として、彼らは渡したち消費者に質の悪い車を高値で売りつけたのである。
<<中略>>
 現代の経済法則では、世界中が変化していく中で、一国が産業のリストラを避け、保護主義を続けるのは不可能である。最も生産性の高い効率的な設備に常に資産を振り分けざるを得ないのだ。」

「投資家たるものは、ついそこのお金が動き出そうとするのを見極めるまで何もしないほうがいいのだ。ほとんどの投資家が犯す大きなミスの一つは、常に何かしなければと思っていることである。つまり、待機資金を投資しなければと思っていることである。実際、多くの投資家にとって、一回の投資で大金を手にすることが最悪の事態を招くのだ。彼らは興奮して勝ち誇り、「さあ、次もこんなチャンスを狙ってやろう」と思うようになる。
 次の確実なチャンスがくるまで、お金を銀行に預金してじっと待つべきなのだ。それなのにすぐまた飛びついてしまう。なんたる傲り(あなどり)! 投資のコツはいかにしてお金を失わないかということにあるのだ。これが最も大事なことだ。もし年9%の割合で資金を増やすことができれば、ある年は上々の出来だったが、次は散々とういうような浮き沈みの激しい投資家よりも、良い成績があげられるのだ。損失が命取りになる。損を出せば複利での利殖率は落ちる。そして複利こそが投資の力なのだ。」

「たいていの人は経済的な生活を豊かにしようと策を練る。昔からそうだったし、今後もそうに違いない。そして、その過程で新しい社会と体制が確立されていくのである。遅かれ早かれ、彼らを取り巻く政治的な体制は社会の変化に対応するために変わらざるをえないのだ。<中略>>
 アダム・スミスやマルクスやケインズが指摘したように、国境や政府というものは、絶えず変化する経済的な利益に従って動いていく。その後で、宗教、民族、言語といった要因が問題となってくる。世界中で数世紀に渡って続いた国境はなく、ましてや永久に続いた国境などない。近視眼的に私たちは今は違うと思っているにすぎないのだ。
 たとえば、『この株は市場を支配している会社のものであり、永遠に年率25%で上昇するだろう』とある投資家が言うとしよう。
 『高い資本収益率が競争を促し、代替を促進することはないのですか?』と尋ねると、
 『ええ、それはIBMやペン・セントラル、石油株についてはあてはまりますが、特許権、経営陣、市場支配力・・・・からみて今回のケースは違うのです』との答えが返ってくる。何だって理由はつけられるのである。
 要するに、経済原則から見ても、歴史、政治、社会の法則から見ても、今回は特別だなどということはありえないのだ。重力の法則が誰かの都合のために働かなくなるということは決してないように、これらの法則も全く同じように厳格なのだ。そうでなければ、それらは法則と呼ばれないだろう。<<中略>>
 全ては道理に従うのだ。崖から転落したら、その人がスペイン人であれアルゼンチン人であれ中国人であれ、はたまたアメリカ人であっても、重力はいつもと同じに働く。

質問:「ポートフォリオの構築はどうすのですか?」
ジム・ロジャース:「自分の保有銘柄はできるだけ少なくすべきだ。ポートフォリオとはどれが値上がりするか自信がないから、みんな買おうという発想だ。上がるもののみを買い、下がるもののみを空売りすればよい。」
質問:「オプション・先物はどう活用すべきですか?」
ジム・ロジャース:「オプション・先物は証券会社をもうけさせるためのツールだ。証券会社に儲けさせたい人は活用すれよい。投資の王道は一年で倍になる会社を探すことだ。」



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