だい5しょう いっしょだよ
遠くへ行ってしまったよっちゃん
ひまわり園に一人のこった友美は、さみしくて、さみしくて
元気がなくなってしまいました。
いつも「よっちゃーん、よっちゃーん」小さな声で言っては
目に涙をためていました。
吉隆も、おじさんおばさんの家で
「ともちゃーん ともちゃーん さみしいよー」
さみしさで、いっぱいでした。
吉隆は、おじさんとおばさんには秘密で
ちーちゃんをつれて来ていました。
ちーちゃんは、近くの公園の木の下で
ダンボール箱をこやにして
ひまわり園の時と同じように
おじさん、おばさんの家でもらうごはんを半分あげていました。
子供のいないおじさん おばさんは 吉隆にとてもやさしくしてくれます
だけど、おじさんとおばさんは動物がきらいです。
だから、ちーちゃんの事はぜったいに秘密です。
吉隆のお友だちはちーちゃんだけでした。
「ともちゃんとはっちゃん、どうしてるかなー ちーちゃん
ともちゃんとはっちゃんに会いたいね。」
ちーちゃんもさみしそうに「ワン」と小さくなきました。
そのころ友美は、はっちゃんと川の土手の大きな木の下で
夕やけを見ていました。
「はっちゃん」
「ワン」
「よっちゃんとちーちゃん、どうしてるかなー」
「会いたいねー よちゃーん ちーちゃーん!」
「ワン ワン ワン!」
遠いお空の夕やけを見ていました。
ひまわり園に帰るのが、つらくなりました。
「はっちゃん」
「ワン」
まわりのお空が、だんだんと、くらくなっていきます。
「はっちゃん、おなかすいたね。…
ずっといしょだよ、ずっといしょだよ」
ひもわり園の先生の大きな声が土手のむこうから聞こえてきました。
「ともちゃーん! ともちゃーん!」
友美は返事をしませんでした。
お返事したら、はちゃんも遠くへ行っちゃう
「はっちゃん、しずかにしててね。」
「ワンワン」
友美は小さな手で、はっちゃんの口をおさえました。
「あっ ともちゃん!
なにやってんのこんなところで!!」
「はっちゃんと、はなれたくない
先生っはっちゃんを
かってもいいでしょ!」
「えっ その犬はいつかの!」
「はっちゃん おなかすいてる
はっちゃんといしょにいたい!」
「だめ!! そんな汚い犬はすてなさい!!」
先生は友美の手をつかんで、ひっぱりました。
「もう帰るわよ!」
友美は泣きながら
「はっちゃーん! はっちゃーん!」
「ワンワンワンワン」
はっちゃんも悲しそうになきました。
「はっちゃーん!」
「ワンー ワゥーン」
先生は友美の手をひっぱって
ひまわり園へ帰っていきました。
遠くはなれたまちで、吉隆も同じようにちーちゃんと
はなれられられずにいました。
あたりは、すっかりくらくなって、
夜の風が、とても冷たくかんじます。
吉隆は、ちーちゃんとくっついて
「さむいね、ちーちゃん、でもだいじょうぶだよ
ぼくが、ずっとあたためてあげるからね。」
そうしていると、向こうの方から、おじさんの
よぶ声が聞こえてきました。
「よしたかー よしたかー!」
おじさんが、吉隆をさがしています。
「ちーちゃん、おじさんが来た、かくれよ、はやく!」
ちーちゃんは、かくれようとしません。
「あっ!よしたかー!」
「……・・」
「なにしてんだこんな時間まで!もう夜だぞ!
汚い犬だなー!はなれなさい!!」
「……・・」
「帰るぞ!!」
「いやだー!ちーちゃんは、ぼくのお友だちなんだ!!」
おじさんは、泣きさけぶ吉隆の手を、むりやりひっぱりました。
「いやだー いやだー!!」
「キャンキャンキャン!」
おじさんは、ちーちゃんをけとばし
ちーちゃんはとばされて、どぶにおっこちました。
「ちーちゃーん ちーちゃん!」
「キャンキャンキャン!」
「キャンキャンキャン」
「キャンキャン」
「ちーちゃん! ちーちゃーん!!」
おじさんは吉隆をひっぱり、家につれて帰りました。