だい9しょう 手ひら
だれもいない花園に、二人の声だけが、ひびいています。
やがて雨雲がではじめ
小雨がふりだし
雨は、だんだん強くなって大雨になっても、二人はそこを動きません、
雨にぬれながら、はっちゃんとちーちゃんをだきしめ
ただ泣いているだけです。
雨は、ますますひどくなり、かみなりがなっても、
かなしくて、かなしくて、涙をながし
「はっちゃーん ちーちゃーん」
かすれた声でよぶだけでした。
どのくらい時間がたったでしょう
黒い雨雲のお空から一点の光が、おりてきました。
その光は金色にかがやき、二人をつつみこんで
雨で、びちょびちょになっている二人を、
あたたかく、かわかしてくれます。
吉隆と友美は、ふしぎそうな顔をして
お空を見ていました。
すると今度は、地面がゆれはじめました。
そして地面が、もちあがり
吉隆 友美 はっちゃん ちーちゃんは、きがつくと
とても大きな、二つの手のひらの上に、のっていました。
二つの手のひらは、地面からはなれ
お空へ高く高く、もちあがっていきます。
吉隆と友美は、びくりして声もでません。
手のひらは、雲より上にもちあがり、
あたたかいお日さまと 青いお空 まっ白い雲は、
二人ののった手のひらの下にあります。
そして、吉隆と友美の前に、
金色の光をまとった大きな大きな人が、二人あらわれました。