霊の心(スピリット・マインド)




でもね、人間はもう一つ心を持っているんだ。
それは霊の心(スピリット・マインド)なの。

いいかい、リトル・トリー、
もしも体を守る心を悪いほうに使って、
欲深になったり、ずるいことを考えたり、
人を傷つけたり、相手を利用してもうけようとしたりしたら
霊の心(スピリット・マインド)はどんどん縮んでいって、
ヒッコリーの実よりも小さくなってしまうんだよ。


〜リトル・トリー〜 フォレスト・カーター著





この本(原題は、 The Education of Little Tree)は、
チェロキー・インディアンの少年が、祖父母との生活の中で、
自然と触れ合い、その掟を学んでゆく過程を綴った本です。

リトルトリーは両親と幼くして死別し、すぐに山に住む祖父母のもとに
引き取られます。祖父母は彼にインディアンとしての誇り、
自然と共存していくための掟、を教え、彼は日々の生活の中で、
自分とは何か、自然とは何か、生きるとは、死とは何なのかを学んで行きます。

少数民族として生きてゆく彼らが、常に白人社会からの迫害を受けながらも、
そのインディアンとしての誇りを熾火のように大切に守り、伝えていこうとする姿には、
信じるものを守ろうとする、人としての尊厳、本質的な強さが溢れています。

少年リトルトリーの目を通して描かれる、季節の移り変わり、生きるものたちの瑞々しさ、
自然の荘厳さには、心が透き通ってゆくような気がします。

苛烈な迫害に対しても、過激な反抗をすることなく、また決して屈せず、
ただ、しなやかに自分の心の従うところに沿って生きてゆく、
その姿勢に、悲壮感や気負いはありません。
ただ、前を見る、澄んだ瞳があるだけです。

私もこのように、生きてゆこう。
まっすぐ前を見て、強くしなやかに、
自由に生きてゆこう。

残念ながら私の拙い言葉たちでは、
この素敵な本について、上手に伝えることはできません。
機会が会ったら、ぜひ読んでみて欲しい本です。

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