Speedmaster の仕事場


                                                               Photo & Word  ;  NASA HP / NASDA HP /  OMEGA HP
                                                                                                                                                   
                                                                                                                                                  


  オメガ・スピードマスターは、後にNASAに公式
採用されるが、それ以前にもパイロットに信頼されて使用されていた。

  
  1962年10月、マーキュリー8号の宇宙船シグマ7のウォルター・シラーの腕で、スピードマスターは
初の宇宙へ。地球を6週して無事帰還。スピードマ
スターはセカンドモデル、Cal.321。  
  アストロノーツ用スピードマスターは宇宙服の上に着用出来る様にベルトのみマジックテープ付きストラップベルトに交換される。 
  1965年、NASAはそれまでパイロットに時計
の選定を任せていたが、宇宙船外活動を行う
にあたり、公式時計の選定に着手。非常に厳し
いテスト内容は以下のとおり。


 高温▽室温+70℃を48時間、+93℃を0.5時間
 低温▽室温-18℃を48時間
  湿度▽湿度95%の中、240時間放置
 酸素雰囲気中▽100%の酸素雰囲気、気圧                             3,800hPa中に48時間放置
 衝撃▽40Gの衝撃を6方向から実施
 加速度▽直線的に1G→7G、横方向に16Gまで
 減圧▽0.01hPaに減圧、室温71〜93℃を2時間
 高圧▽1時間 16,000hPaの高圧中に置く
 振動▽サイン曲線振動、ランダム振動を加える
 可聴音ノイズ▽3方向から各10分間音にさらす


 候補の10社のうち、最終テストに望んだロンジ
ン、オメガ、ロレックスのうち、ロンジンはガラスが
歪んで外れるなどで失格。ロレックスは2度時計
が停止、又テスト中に秒針がたわんで他の針に
絡むなどで失格。オメガスピードマスターはテスト
中に時間の遅れ、進みは生じたものの最後まで
止まることなく時計としてあり続けたことで、NAS
Aオフィシャル・ウォッチとなった。
  1965年にNASAに正式採用され、翌年の1966モデルから現在まで、ダイアルに”PROFESSIONAL”の文字が入る。
  プロ用の時計という意味だが、最初から宇宙飛行士用に作られたわけでは無く、1957年のデビュー当時から細かなチェンジは受けるものの、基本構造はそのままで最初から能力の高さが伺える。
  1965年6月、アメリカはソ連に3ヶ月遅れて、
ジェミニ4号でエドワード・ホワイトが初の宇宙
遊泳。宇宙では大気がないため、日なたで
+120℃、日陰で-150℃となる。この環境でス
ピードマスターはアメリカの時計店で購入され
た市販品がむき出しの状態で使用される。基
本性能が非常に高いことのがわかる。
    同上。高度20kmを境に人間は宇宙服を着ないと体液が沸騰してしまう。また、大気がないので有 害な太陽光線を浴びないために船外活動用宇宙服は20層ものフィルムでできている。このような状 況でスピードマスターが使われているとは、メーカーのオメガ社も当初知らなかった。                   
  1969年7月21日02:56GMT、Apollo 11
missionにて、はじめて人類が月に降り立つ。
この時使用された腕時計、スピードマスター
には以後”Moon Watch”というニックネーム
がついた。
  月面に星条旗を立てた、ニール・アームストロン
 グ。月面活動時間は2時間31分。
               
 唯一、月に降りた腕時計。


 アポロ11号〜17号で計6度の月面着陸成功
(13号は故障により、着陸できず)。総計12名
がスピードマスターを着けて、月面に降り立っ
た。
  1970年4月、アポロ13号は月に向かう途中でト
ラブルとなる。月面着陸をあきらめ、地球帰還を最
優先させる。
  地球再突入の為の宇宙船姿勢調整時に必要
なエンジン噴射作動時間 14秒をスピードマスター
のクロノグラフは船内極低温の中、正確に計測し
貢献する。
  故障から奇跡の生還を果したアポロ13号クルー
のジェームズ・ラベル、フレッド・ヘイズ、ジョン・スワ
イガートの3人。ラベルはこの飛行で体重が6キロ減
となった。米軍艦イオージマ上にて。
  1970年、故障したApollo 13号帰還の際にス
ピードマスターが大活躍し、オメガ社に”スヌーピ
ー賞”が贈られる。
同賞は、宇宙開発に貢献した
ものだけに贈られる。
 オメガ スピードマスター プロフェッショナル
アポロ13号特別モデル。
  宇宙飛行士用の公式時計に選定されるとメー
カーサイドの宣伝効果は絶大となる。スイス時計
メーカーの13号での活躍で面白くなかったのはア
メリカ時計メーカーのブローバ社。ブローバは上
院議員を使い、NASAに再度選定作業を要求し、
実現する。ブライトリング、ロレックス、セイコーな
ど17社が1965年と同様の過酷なテストを受ける
が、合格したのはやはりオメガスピードマスター
プロ。ブローバはテスト中何度も停止し、失格と
なる(1972年9月)。
  アメリカ・ブローバ社はNASA公式時計として月
へ行った時計の事実を残したかったが、失敗。

  1972年12月のアポロ17号でスピードマスター
を着けて船外活動を行うロナルド・エバンス。
  1972年12月、アポロ計画最後のmissionとなっ
た17号。この時月面に降りた以後、現在まで人は
月に行っていない。左手にスピードマスターを付
けて月面での活動をするアストロノーツ。
1973年5-6月のSkylab 2 でのmissionにて。
  2000年1月、2回目のmissionへ向けて1ヶ月前の
毛利さん。missionでは親交のある、漫画家・松本零
士氏所有のスピードマスターを着用して臨んだ。
  2000年2月、STS-99Missionで毛利さんを乗せ
たエンデバー。
  2002年11月、ISS(International Space
Station)へ機器搬入のためドッキングする
ソユーズ。
  1989年以降、ソ連-ロシアでもオメガ・スピード
マスターは宇宙飛行士の標準装備となっている。