シアトルという街

アメリカで最も訪れてみたい街といわれ、訪れるものに万華鏡のようにきらびやかでいくつもの違った面を見せてくれる街、シアトル。針葉樹におおわれ、雪化粧した山を近くに望んでいます。急流下りに、はじけとぶ水しぶきが光り、ハイキング、野生探索、キャンピング、スキー、セイリング、フィッシング、乗馬と、その楽しみは尽きません。世界でも一級とされるレストランでは、美食家たちをも唸らせる新鮮なシーフードがあなたをお待ちしています。文化と親しむなら、街のアート・ミュージアムやギャラリーを訪ねたり、オペラやオーケストラ、バレエ、そして劇場を訪れてみるのはいかがでしょう。歴史に興味があるのでしたら、一世紀の歴史を持つパイオニア・スクエアへ行ってみましょう。いまでもクロンダイクのゴールド・ラッシュのなごりをとどめています。1962年の世界博覧会の跡地シアトルセンターは、美しく親しみやすい公園になっています。
シアトルはアメリカの都市の中で最も安全でクリーンな街。
訪れるものに夢を与えてくれる街です。
(Seattle-King County Convention and Visitors Bureau)

「アメリカ西海岸の大都市のうち、ロサンゼルスの発展がめざましかったので、サンフランシスコはそれに対抗して『西海岸のマンハッタン』になろうとして、今だになれないでいる。そのサンフランシスコと張り合って追い抜こうとしたのが、シアトルなんだよ」
そう教えてくれたのは、生粋のシアトルっ子であった、同じアパートに住む隣人でした。

彼が愛してやまず、そこで一生を送ったシアトルは、たしかに地形的にサンフランシスコと似た部分があります。場所としては、アメリカ合衆国を四角に例えれば、その一番左上の角のあたり、カナダとの国境も近く、北緯47〜48度といったところでしょうか。そんなに北にあるのに内海があるせいなのか海流の関係か、夏涼しく冬暖かい、大変に過ごしやすい気候です。

たった一つ難儀なのは、年間を通して雨の日が多いこと。夏場以外はいつも雨の心配をしたほうがいいと言っていいでしょう。しかも勢いよく降らずに霧雨小雨程度にジメジメと続くため、傘をさすよりもフード付きの防水ジャケットを着て歩くのが適しています。このごろ日本へも進出しているエディー・バウアーというシアトル生まれのアウトドア・ブランドは、こういう気候に則して生まれたと言えるでしょう。

この雨のおかげで俗に「年間晴天日がたったの53日間」と疎まれるシアトルですが、これがあるからこそ緑がさえざえとし、空気も洗われて清涼になるのだと思います。「エメラルド・シティー」の愛称も、晴れた日に鮮やかな木の葉の緑が明るく光る様子を彷彿とさせます。それに「53日」とは言うけれど、これは降水量ゼロの雲一つない晴天を数えているとみえて、午後から晴れ上がる日はもっと多いですし、雨の降らない日もいれれば「体にカビが生える」ような事はありません。来たばかりのころ、パイクプレイス・マーケットの八百屋のおばさんに、たいした事ないじゃない、と言ったら「シーッ、他州からの観光客に言うんじゃないよ」と口止めされました(笑)

さて、シアトルの地形の方ですけれど、これはやはり坂道が多い。でも、サンフランシスコのほうが坂が急ですね。あちらは道が一本違えばかなり勾配が変わるけれど、シアトルの坂は道2〜3本ずらしてもやっぱり同じ丘の中ですから。街自体も小さくまとまっていて、その気になればダウンタウンとその周辺ぐらいは平気で歩いてまわれます。でも、スニーカーは必需品ですね。かかとの高いパンプスなんてはいてたら、まず1ブロックで捻挫する事は受け合います。また、シアトルは街の規模からすると犯罪は極端に少ない方なんですが、私自身、毎日のように街歩きしていて色々とこわいものを見てますから、必ず「パッと走って逃げられる靴」をはいておりました。

最後に、シアトルの歴史について、少し触れておきたいと思います。このあたりはもともと先住民族(ネイティブ・アメリカン)が多く住んでいた土地で、今でもあちこちに彼等の言葉からきた地名が残されていますが、最初に上陸した探検家は1775年、スペイン人であったという事です。シアトルという名前も、開拓者達と親交篤かったスコーミッシュ族の酋長セルス(Sealth)の名を取って付けたものです。シアトル発祥の地とされているパイオニア・スクエアは、1851年にイリノイ州から来た開拓者達が、最初はアルカイ・ポイントに上陸したものの、翌年、もっと便利のいいエリオット湾沿岸の地に移り住み、そこに町を形成した事からと言われています。その後、そのあたりはゴールド・ラッシュでアラスカへの中継地点として入植者が急増し、また木材産業の発達と共に、次第に大きな街へと発展していったそうです。

今はシアトルと言えばボーイング。それに、最近ではマイクロソフトとその関連会社がひしめきあい、すっかりハイテクのイメージのある街になりました。州立のワシントン大学も、ハイテクを生かしたパテント取得では全米でもトップレベル、それを使用したベンチャービジネスの起業にも積極的に関与しているということです。それに、忘れてはならないのがスターバックスを筆頭にするコーヒー。最近東京に進出したシナボンも、シアトルのお菓子です。

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