デモンタの職人 『ルナサイクル』
自転車屋であれば、自転車を組み立てたり、修理することはあたりまえです。しかしお客さんの乗り方や用途に合わせて作りこんでくれる職人は、あまりいませんね。一般に付かない部品であれば、断られるだろうし、組立工数がかかればそれなりの工賃が必要になるのが当然です。
私の場合、大抵の事は、自分でやりますが、(自分でやらないと安心できないので)どうにもならないときには、自転車倶楽部(平塚)の岸さんに依頼します。豊富な知識と発想で、どんな要求でも実現させてくれるので、安心して任せられるのです。こういう職人が身近にいると、とても心強いですね。
さて、今回私が、ママチャリに改造してほしいと、ナショナル・デモンタを持参すると、最初は「さすがにデモンタマニアが見たら泣くよ」と苦笑いをしていた彼でしたが、「それなりに活かせば、ずっと良い自転車になるはずだな」と、私の意図をすぐに理解してくれて、色々パーツを引っ張り出して検討に入りました。一番もめたところは、ハンドルとステムの選択による運転姿勢ですが、最終的に岸さん本人が、何回も試乗テストを繰返し、決定しました。私は、完成後に試乗してみましたが、このフレームでこんなにまで乗り心地が変わってしまうのかと、驚くほどママチャリに近くなっていました。ルックスも、一般に菱形フレームをママチャリにすると、外観的に違和感が出てしまうものですが、ナショナル・デモンタ本来のパーツが、十分に活かされており、レトロな雰囲気をうまく表現していると思います。実用性を高めるなら、28mmくらいのタイヤ幅がほしいですが、これは次回のお楽しみとしましょう。
岸さんのところには、いつも仕事中にお邪魔していますが、今度時間が取れるときに、ゆっくりとサイクリングのお話をしようと思っております。(彼も根っからの自転車好きですから)


ナショナル・デモンタは、メーカ車唯一のフレーム分割式(デモンタ式)自転車ですが、これを採用することで、唯一乗用車に積めるママチャリになるわけです。旅行の際に観光や買い物をするときなど、籠付き自転車が合理的であることから、分割して運べるメリットは、非常に高いと思います。つまり一般のランドナーやスポルティーフを改造したのでは、意味がないのですね。今は、ミニベロが主流ですが、GWとかに、田舎へ帰って過ごす場合、今回のような自転車は、買い物からサイクリングまで実用的な使い方ができるでしょう。