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スタートレック ディープスペースナイン(略称DS9)

邦題:ディープスペースナイン

ディープ・スペース・ナイン全景 有り体に言えば最前線基地物です。惑星ベイジョーの軌道上に位置する宇宙ステーションディープスペースナイン(以下DS9)が主な舞台となります。惑星ベイジョーは長らくカーデシア人という異星人の占領下にあり、DS9は元々彼らが建設したステーションでした。ベイジョーは抵抗運動により、カーデシアを追いだしたものの、惑星を自力で防衛する力を失ってしまいます。それで惑星連邦にDS9の維持と共に協力を求めるわけです。
 物語は惑星連邦、ベイジョー、その他数々の異星人との接触がもたらす悲喜劇が中核となっていきます。そしてSFマインドをくすぐるのは、DS9の側にあるワームホールの存在です。簡単に言えば「別宇宙への門」なのですが、それは経済その他に無限の可能性を与えるものとなります。それゆえ争奪戦が展開されるのですが、さて……?
 概要をご覧頂いても解るように、お話は派手なアクションなども少なく、やや地味なものとなっています。心の交流を丹念に描いた作品が多く、ドンパチの苦手な方には打って付けといえます。
 勿論メカ好きの方にもご満足いただけます。舞台となるDS9は特に絶品! 中盤以降に登場するディファイアント(NX−74205)などは小型艦(特に潜水艦)好みの人間にはよだれものの仕上がりとなっております。
 さて、人物解説です。

シスコ

 クワーク

デュカット

 ガラック

オドー

シスコ

 ベンジャミン・シスコ

 かつてボーグ(惑星連邦と敵対する異星人……うむう、そのうち用語解説も付けないとな)との戦いで妻を亡くすという悲しい過去を持っています。そのあたりはTNG「浮遊機械都市ボーグ」DS9第一話「聖なる神殿の謎」をご覧下さい。書いてしまうと面白さが半減してしまうので(^^)。
 シスコはTNGのピカード以上の頑固者で、決断においては自分の信念を容易に曲げない人物です。何より注目すべきなのはシスコが黒人だと言うこと。かつてシドニー・ポアチエ(俳優)がいかに名演技を披露しようと黒人であるという理由でアカデミー賞から遠ざけられていた事実を考えると、本当に時代も変わりました。
 シーズン後半では髪を剃り、髭を生やして凄く怖い顔になってます(笑)敵が増えたためにイメージチェンジをしたんでしょうか。スキンヘッドはまるでハーレムのボスみたいでかなり怖い顔です(^^;)この写真では人のよさそうなマイホームパパなのですが。
 演じるエイヴリー・ブルックスは「ホークと呼ばれた男」のホーク役をこなしていたそうです。残念ながら私は見たことが有りませんが、見てみたいですね。またDS9中のエピソード数本を監督するなど、演技だけではなく多彩な才能の持ち主であることを窺わせます。
 ブルックス自身も深みのある声ですが、吹き替えの玄田哲章氏もアーノルド・シュワルツェネッガー「魔神英雄伝ワタル」の龍神丸、「魔界転生」の柳生十兵衛などで素晴らしい喉を披露してくれます。「ガンダム」シリーズをご覧の方は、様々な作品の中で出会う機会もあったかと存じます。近作では死神サンダースとか。 
クワーク

 クワーク

 DS9の中にある「クワークのバー」マスター。フェレンギ人という種族ですが、この種族実は日本人がモデル。曰く「お金に汚い」「女好き」「テレパスでも心を読めない」「男尊女卑」無茶苦茶な言われようですが、事実もありますのでここは広い心で受け止めましょう(^^)文化の理解というのは、互いの相違点を認めるところからスタートしますから。
 さてクワークですが、DS9中私が最も愛するキャラクターです。上記のような特性を全て持つクワークは嫌な奴としか思えないでしょうが、その点が重要なのです。
 実はこのスタートレックというシリーズ、惑星連邦(モデルは当然合衆国)の人間は内面的にはともかく外面はパーフェクトなパーソナリティばかりなのです。クワークのように金儲けに命をかけたり、女の子の尻をなで回すことに奔走したりは絶対にしません。「理想」「自由」「平等」こうした標語がかれらの行動原理です。クワークはそんな連中を鼻で笑いつつ、人間味たっぷりに、そして自らが「正しい」と思うことをやってのけます。人間、やっぱりこうでないと。
 そのうえ、根は善人なんですよ、クワークって。
 演じるアーミン・シャイマーマンは「ヒッチャー」(主演ルドガー・ハウアー、クリス・トーマス・ハウエル)にも出演していたという個性派俳優。TNGにも数作出演しています。ドラマでは「俺がハマーだ!」「L.A.Law 七人の弁護士」にも出演しているとのこと。
 声の出演は稲葉実氏。セガサターンのゲーム「ラングリッサー」シリーズのガイエルや数々のアニメーション、ドラマでゲスト出演をされていますが、個性的な声ですぐに解ってしまいます。稲葉氏のあてるキャラクターは非常に人間臭く、魅力的です。私、ファンです。 
デュカット

 ガル・デュカット

 えー、メインキャストを差し置いての登場は、私がファンだからです(笑)
 言うなれば敵対勢力の代弁者で、シスコらの敵であり、奇妙な友人。カーデシア人で、自国の利益のためには手段を選ばない人物ですが、内面的にはシスコらと何ら変わるところが無く、国家間のイデオロギーの相違が彼をしてシスコらと敵対させているとも言えます。こういう人、好きなんですよ。国家が命じている方策には疑問を感じてはいないし、指示には淡々と従うデュカットですが、息子への愛情をちらりとシスコに漏らす所など、マイホームパパのシスコと比べて日本のサラリーマンの様な寂しさも感じさせます。
 そういえば、カーデシアも設定の一部に日本の思想、習俗などが取り入れられているようです。イデオロギー的には第二次大戦の大日本帝国でしょうか。資源が枯渇した母星を救うために略奪を繰り返すあたりも非常に似ています。TNGのエピソードにも敗北を悟ったカーデシアの船が自爆した、という台詞もありますから。惑星連邦(合衆国)の敵は日本という国の持つイデオロギーを含むことが多いようです。ですが決して悪意だけで描かれているわけではないことをお忘れ無く。歩み寄る過程こそが、これらの作品の主題なのですから。
 ちなみに「ガル」とは名前ではなく、「指揮官」といった程の意味のカーデシア語です。
 デュカット役のマーク・アレイモは「ナイトライダー」や「ヒルストリート・ブルース」、「トータルリコール」「スターファイター」にも出演されていたそうです。DS9の中でも存在感のある演技で作品に厚みを持たせています。
 声は幹本雄之氏。「キン肉マン」のラーメンマン、「ジャイアント・ロボ(アニメ)」の村雨健二で有名です。柔らか〜い声質の中に、何となく不穏な、危険な気配を感じさせる声。理知的な謎の人物、という役どころで幹本氏の右に出る者はそうはいないでしょう。
ガラック

 ガラック

 DS9中最も不可解な人物? エピソード中「エリム・ガラック」という名を明かすものの、それすらも本名かどうか疑わしい。元軍人らしいのだが、現在は何故か仕立屋を営んでいる。というのも、彼は元オブシディアン・オーダー(秘密警察、スパイ組織の類)に所属していたらしく、「最も嘘の上手い男」と評されていたらしい。何故すべからくらしい、のかと言えば、彼自身の口から出た経歴は、全く信用できないからです。ただ前出のデュカットと知り合いであったり、カーデシア帝国の裏事情に詳しかったりと情報部上がりらしい片鱗も見せています。
 しかしながらカーデシアのスパイかと言えばどうもそうは思えない節もあり、概ね連邦には協力的です。その裏には『カーデシア帝国のため』という愛国心がちらり、と覗くこともありますが。
 DS9の中では特にドクター・ベシアーと仲が良いものの、オドーにも友情を感じているらしいあたり、やはり不可思議な人物ではあります。その奇妙さこそがガラックの魅力ではありますが。吹き替えの大川透氏の人を喰ったようなおどけ方もまた、ガラックの魅力に一役買っています。
 演じるアンドリュー・ロビンソンは『シークエスト』のジョナサン・フォード役が有名ですが、『コブラ』『ヘルレイザー』といった作品にも出演しています。が、何と言っても私の心に残るのは、『ダーティハリー』での若き日のロビンソンの演技です。この作品の成功も彼がいたからこそ、と個人的には思うのですが、いかがでしょうか。誰の役を演じているのかは……作品を見て、確認して下さい。エンディング・クレジットの上から5番目に彼の名があります。
オドー

 オドー

 別名、伏線男。
 ガラックが人柄を掴めない謎の男ならば、彼は存在からして謎です。
 ですので、そこには触れないようお話を進めていきます。ご存じの方は、秘密にして置いて下さいね。
 出身地、不明。種族、不明。確認されている事項。流動体生物。ありとあらゆる物に姿を変えられ(質量すら無視して!)、16時間を上限として液体に戻る。ガル・デュカットの部下、そしてベイジョー(現在は惑星連邦と友好関係にある種族)の保安チーフと敵対勢力の間を渡り歩きながらも彼が信用されるのは、彼自身が極めて(融通の利かない)公正無比な人物だからです。人付き合いの悪い面白みのない人物にもかかわらず、彼の周りに人が絶えないのはその誠実さと人間性にあるのです。
  彼の公平さは子供に対しても、異星人に対しても、誰に対しても適用されます。それがたとえ、敵(クワーク、ガラックなど:笑)であっても。
 演じるレイ・オーバージョノーは素顔もオドーに負けぬほど個性的な顔立ちの人物ですが、その素顔は「スタートレック6」でご覧になれます。劇場公開後ビデオ化された時点でDS9プロモーションの意図もあり、やや登場シーンが長くなっています。余談ですが、この作品にはウォーフことマイケル・ドーンも出演しています。
 吹き替えは加藤精三氏。あの、「巨人の星」星一徹役をされていた方です。はまりすぎというか何と言うか、凄いですね。 
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