転送台へ!

スタートレック ネクストジェネレーション(略称TNG)

邦題:新宇宙大作戦 スタートレック

NCC1701D USSエンタープライズ

 宇宙大作戦よりもさらに未来。次世代(The Next Generation)の冒険です。登場人物も一新され、航宙艦も更に巨大になったエンタープライズ号(NCC−1701−D)となっています。ビデオで見ることの出来るエピソードは、実はまだまだ波に乗り切れていない時期で、少々物足りない人も多いでしょう。(実は私もそうだった)本当は、その後が面白かったのです!!(パラマウントの意地悪!!※)
※注パラマウントとはスタートレックシリーズを配給している会社です。
 キャストもフランス人、アメリカ人、アンドロイド、異星人(ベタゾイド人、クリンゴン人)などバラエティに富んでいますが、中でも白眉なのが視覚障害者がメインキャストにいることです。これはもう凄い、というか素晴らしいことです。日本では必ず「差別意識を助長する」などの理由で実現しづらいことですが、差別というのはまずその事実と向き合う努力をしないと解消されないと思うのです……個人的意見でした。すいません。
 TNGではこうした諸問題(人種差別、同性愛、戦争、自由、権利)と正面から向き合う姿勢が、実は最も素晴らしい点です。しかも「戦争はいけないよね」みたいな安易な正義感を振りかざしたような結論を出さない。メッセージとしては単純かつわかりやすいかもしれませんが、それでは見る者が「考える」ことを放棄しています。問題提起としての作品づくりがこのシリーズを支えた一つの要因だと思います。ストレートなテーマの提起は「冒険野郎マクガイバー※」の方が優れていますが。
※マクガイバーはやはり米国のTVドラマで、これもまた楽しい作品です。主人公が政府の役人ではなく一個人という設定もいい。
 おっと、堅い話が続きましたがこれからが本題です。もちろんSFとしてのおもしろさも満載です。「機動戦艦ナデシコ」でも有名になったディストーションフィールド理論などが本当に「一言の台詞の為だけに」出てきたりします。かのホーキング博士もゲスト出演していたりとか。世界考証にも現役の物理学者が参画していたり……
 ミステリーとしての面白みやコメディの要素も、さすがに大勢の知恵の結晶だなぁと感心します。そしてオールドなアニメファンには懐かしい「宇宙戦艦ヤマト」の名前などがそのまんま出てきます。(勿論、形はエンタープライズの同型艦ですが)またスタッフによほどファンが多いらしく「うる星やつら」「ダーティペア」などの名前もちらほらと……文化の交流って、凄まじいですね。

 では、人物解説です。 

ライカー ピカード データ バークレイ

副長〜〜☆

 ウィリアム・T・ライカー

 主人公をさしおいて何故副長が? とお思いでしょうがそれは私がファンだから(笑)

 ちょっと爆発してもいいですか?

 もう副長好き好き好き好き〜っ!!

 演じるジョナサン・フレイクスも勿論ですが、吹き替え役の大塚明夫氏(ガンダム0083のガトー少佐やジャン・クロード・ヴァンダムの吹き替えで有名な方です)がもう、素敵☆☆☆
 ……落ち着け、俺。
 役柄的には前作のカーク艦長のような役柄ですが、それ以上に不幸。というか、おちゃめ。猫が苦手だったり、異星人にセックスを迫られたり、変な病気に感染したりと大活躍です。「恋愛のオーソリティ」らしいですが、実は女運がなかったりします。(ふられたり、死に別れたり、人に奪われたり)そんなおちゃめな彼ですが、事に及んでは最も頼りになる副長になります。水際だったその指揮ぶりは、ピカードにはない攻撃的な戦法を執ります。この辺り、むしろカークに似ていると言えるかも知れません。
 演じるジョナサン・フレイクスは「ヒルストリート・ブルース」などにもゲスト出演していた下積みの長い役者で、若い頃は日本で言う「仮面ライダーショー」などで着ぐるみを着たこともあるそうで。現在は映画「ファースト・コンタクト(ST7)」や本シリーズの他ディープ・スペース・ナインでもメガホンをとるなど、演出家としても辣腕を振るっています。大がかりな仕掛けよりも、登場人物の心理を丹念に描く演出が評価され、本シリーズでもデビット・カーソン、ポール・リンチなどと肩を並べるのに恥じることのない実力を発揮しています。役者として、演出家として、パトリック・スチュアートとの出会いが強い影響を与えているのかも知れません。
 なおライカーの趣味もフレイクスと同じジャズ。劇中でもトロンボーンを演奏するライカーをご覧になることが出来ます。

 お薦めエピソード「浮遊機械都市ボーグ」「少年指揮官ジャン=リュック・ピカード」「イカルス伝説」「錯綜した美学」

ピカード

 ジャン=リュック・ピカード

 原音では「ジャン=ルーク」が正しいようです。広峰の一番さん。
 演じるパトリック・スチュアート氏はとても愉快なシェークスピア俳優。何の脈絡もなくスタッフに「愛している!」などと叫んで抱きついたり、「シェークスピア俳優は死ぬのが好きなんだ」などと語ったエピソードは有名。ロイヤル・シェークスピア・アカデミーで培った確固とした演技とご本人のエキセントリックかつ愉快な性格で、ピカードという人物に厚みを与えています。彼なくしてTNGの成功はありえなかったと言えます。
 ジョン・ベルーシやダン・エイクロイドで有名な「サタデー・ナイト・ライブ」で御自身の役柄のパロディを演じたりもしています。見てみたいよう(;_;)
「ロビンフッド/伝説のタイツ男」ラストでも花嫁に熱烈なディープキスをぶちかますあたり、本当に愉快な方のようです。セサミストリートに出演した際は、汚い(失礼)ひげ面でした。しかし、これも似合うんですよね。
 ピカードは子供が苦手、女に手が早い、けれど沈着冷静。よくわからん人だ。名前からもわかるようにフランス人で、母国を死ぬほど愛しています。かつてスターゲイザーという航宙艦に乗り組んでいたとき「ピカード・マヌーバー」と呼ばれる戦法を編み出した戦術家でもあります。シェークスピアばりの長台詞になると、興奮して止まらなくなること有り。(というよりも、パトリック氏が抜群の記憶力を持っているからこそ、可能な役柄な訳ですが)
「Q−PID」にての台詞で「私はイギリス人じゃない!」という台詞に爆笑できたら、あなたも立派なピカードファン(笑)。
 吹き替えは麦人氏。洋画では圧倒的に悪役が多いですが、素敵なお声の方です。初期のエピソードのみ吉永慶氏が当てられていますが、こちらは家業のお寺を継ぐために声優をお止めになったそうです。パトリック氏の声のイメージに一番近いのは吉永氏でしょう。吉永氏が当てられていた頃麦人氏はクリンゴン(敵役)や※ターシャファンには憎い相手アルマス(やはり敵役)の声を当てられていました。麦人氏って、一体……
 ※ターシャ・ヤー大尉。保安部の主任で、女だてらに武術の達人です。

 お薦めエピソード「戦士の休息」「超時空惑星カターン」「エンタープライズ・パニック」「QPID」「宇宙空間の名探偵」

データ

 データ

2336年、オミクロン・セータでヌニエン・スン博士によって製作されたアンドロイド。のちにロアという兄、ジュリアナ・テイラー博士という母(!?)が存在することが明らかにされます。娘の名前はラルです。「デイタ」が正しい発音のようです。圧倒的な女性ファンの支持に支えられ、TNG中でも屈指の人気を誇っています。感情がありません。一応。(映画ジェネレーションズで感情を持ちますが)前作のスポックと被るイメージがありますが、役柄は全くの別物。「感情が無い故に感情を求める」その姿は人間性を失いつつある私たちへの痛烈な批判ともとれないことはありませんが……ピノキオのように早く人間になりたい、というテーマは万国普遍のテーマのようです。(日本でも「妖怪人間ベム」などがありますね)
 でも、やっぱりあの困った表情が母性本能をくすぐるんだろうな。
 演じるブレント・スパイナー氏はミュージカル俳優も経験した方で、本作エピソード「恋のセオリー」でも見事な喉を披露してくれます。CDも出されているそうですが、聴いてみたいですね。来日された際のインタビューでも実にサービス精神旺盛。あのインタビュービデオは私の宝物です。しかし何が凄いと言って「永遠の絆」でみせたロア、データ、スン博士を一人で演じ分けた力量は、おそるべしです。最近では「インデペンデンス・デイ」にてエイリアンに乗っ取られるマッドな科学者を演じています。
 データの飼っているスポットという名の猫は、概ねアビシニアンが多いようです。(撮影中に代替わりしています)どちらにしても「赤毛のでかい猫」という点は同じで、ライカーとウォーフはスポットが苦手です。作中でスポットに詩を捧げるほど、データは愛しているようなのですが、なついているのはバークレイだけ。可哀相。それともうひとつ。スポットは当初雄猫の設定だったのですが、途中で子供を産んでいます(笑)。ありがちなミス、というよりもシナリオの都合でそうなったようですが……
 またデータはシャーロキアン※で、本編の中でもあの帝王……っと、いけない、ネタ晴らしをしてしまうところでした。ただ、ホームズネタのエピソードは残念ながら原作者のコナン・ドイルの遺産管財人(!?)から抗議が申し込まれ、いろいろと揉めたらしいですが、その後正式に続編が一本制作されています。要はお互いの『誤解』が招いた混乱だったようです。

シャーロキアンとは、シャーロック・ホームズマニアな人の事です

 お薦めエピソード「恋のセオリー」「殺戮の宇宙水晶体」「究極のコレクション」「アンドロイドのめざめ」「ホログラムデッキの反逆者」

シラノ=ド=ベルジュラックを演じるレジー

 レジナルド・バークレイ

 なんかよく階級が変わっている気がしますが。愛称レジー。
 彼に関しては、シナリオに触れず紹介することはほぼ不可能なので、その点を念頭に置いてお読み下さい。
 数あるスタートレックの登場人物の中で、彼ほど個性的な人物もいないでしょう。ある時はコンピューターとなり、ある時は転送機で変な生き物を目撃し、ある時は蜘蛛になり、ある時は三銃士になりと、まあよくもこれだけ経験したなぁと、登場回数の割合から見ればチェコフやジョーディに負けてません(笑)。
 惑星連邦の項にも触れましたように、連邦士官はいわゆる理想的な人格者が多いです。個々の小さな欠点はあっても、相対的に見れば非常に優秀な人物ばかりです。レジーは『未来の人間は優秀な者ばかりなのか』という素朴な疑問から生まれたキャラクターといえます。
 実際レジーはエンジニアとしてかなり優秀な部類にはいるのですが、いかんせん極端に気が弱く、どちらかといえば自閉症気味です。空想癖があり、ホロ・デッキでクルーのホログラムと遊ぶなど、一般的に言ってあまり褒められた趣味の持ち主とは言えません。しかしながらここで考えてみて下さい。レジーの中にあるこのコミュニケーション障害は私たちにもあります。レジーは、等身大の人間なのです。
 それ故に、映画『ファースト・コンタクト』の一シーン、ジョーディとコクレーンが会話している遙か向こうで、話しかけるタイミングを見計らいうろうろしているレジーの姿に、私たちは微笑んでしまうのです。
 演じるドワイト・シュルツは海外ドラマのお好きな方ならば説明の必要はないでしょう。『特攻野郎Aチーム』のクレイジー・モンキー役でエキセントリックな演技を見せています。これだけ両極端な演技を見せてくれるシュルツがこのシリーズに関わったのも、ご本人の希望のようです。
 声の吹き替えは田中秀幸氏。アニメ、ドラマと有名ですが、折角スタートレックのページなのでウォーフ役のマイケル・ドーンが出演している『白バイ野郎ジョン&パンチ』のジョン役、と上げておきましょう。
 なお、レジーはVGRにも出演しており、ホロ・ドクターの性格テストを受け持っていたことが明らかにされています。
 ちなみに。データの飼い猫、スポットがなついているのはデータ曰く、彼だけだそうです(笑)。

 お薦めエピソード「倒錯のホログラム・デッキ」「謎の頭脳改革」「プラズマ放電の謎」 

Q

 Q

 Q。新シリーズを象徴するキャラクターといえば彼とボーグでしょう。
 謎の存在Q連続体の一員で、パイロット版「未知への飛翔」で人類と遭遇して以来、異常なる熱意を持って人類に接触してくる万能の存在。その力は無限で、生死から時間、歴史をすら一瞬で変えうる力を持っています。言うなれば『神』とも言える存在です。
 ピカードとの関係はデータ曰く「飼い主と飼い犬」だそうで、ピカードに対し個人的な興味を持っているようです。人類の言葉にするならば『愛情』『友情』といったところでしょうか。
 人類を裁く裁判官として登場するQですが、彼が一体どういう行動をとるのか……それは観てのお楽しみです。
 ピカードの彼女(!?)バッシュとともに旅に出ている最中、DS9にも立ち寄ったことがあります。またエル・オーリア人(ST7等に登場)とも関わり合いが深く、エンタープライズ内バーラウンジのガイナンと、仲が悪い。どうもエル・オーリア人の超感覚能力が、Qにはお気に召さないらしいです。
 演じるジョン・ド=ランシーはフランス人の俳優で、なかなか癖のある演技に定評のある人物。まずもって彼が出てきたら悪役と思ってよく、「冒険野郎マクガイバー」で登場したときも「おっ、今度はいい役か?」と思わせておいて、やっぱり悪役でした(笑)。
 声の役者は羽佐間道夫氏。癖のある語り口で見事、Qのキャラクターを演じておられます。このシリーズの成功の一因に、羽佐間氏の演技力があることは否定できないでしょう。

 お薦めエピソード「Q−PID」「TRUE−Q」「「Q−LESS(DS9)」「永遠への旅 前/後」「エンタープライズ協奏曲(小説)」

転送台へ! 本店へ