*火星テラフォーミングの条件(その1) 大気圧を上げる

火星テラフォーミングの第一ステップは、気温を上げて、極冠や地下の氷を溶かして、水を作ることである。そのためにはまず、大気圧を1気圧以上にしなくてはならない。なぜなら、いくら気温を上げても、火星の低い大気圧では、せっかく上げた温度が宇宙空間に拡散してしまい、火星が暖まらないためである。地球大気は平地で1気圧だが、火星はその100分の1以下の0,006気圧しかない。もし、地球の圧縮した空気を火星に持ち込み、1気圧の大気をつくろうとすると、40t積みのスペースシャトルで10の14乗回という気の遠くなるような回数を往復しなくてはならない。これは不可能である。したがって火星の大気は、火星の資源を使って作り出す必要がある。
 
 大気圧を上げるために必要不可欠なもの。それが二酸化炭素である。火星の極冠や地中には、大量の二酸化炭素がドライアイスや炭酸塩鉱物として存在している。これらを暖めると、大気中に放出される。現在の火星に存在する二酸化炭素量は、10hPa(ヘクトパスカル 1hPaは1000分の1気圧)以下だが、テラフォーミングを行うには、2000hPa以上が必要である。現在の火星の二酸化炭素存在量は、科学的に推定すると、およそ2万hPaと考えられている。したがって、火星の大気圧を上げるのには、十分量の二酸化炭素が存在している。

(火星の極冠 大量の炭酸塩鉱物が存在している)