*火星テラフォーミングの条件(その3) 呼吸できる酸素をつくる

地球の大気組成が、窒素約80%、酸素約20%であるのに対して、火星の大気組成は95%の二酸化炭素と約3%の窒素で、酸素はたった0.13%しかない。これでは到底、人類が移住することは不可能である。火星テラフォーミング初期の段階の大気組成は、原始地球大気によく似ている。地球の場合、今の大気組成になるまでに20〜25億年かかったといわれる。しかしテラフォーミングでは、それを500年で行わなくてはならない。どうすれば地球と同じ大気をつくりだせるのか。

まず、酸素含有量を増加させるために、光合成をする植物の繁殖が必須となる。この植物には、原始地球において酸素の供給源となった、ストロマトライト(上図)のようなラン藻類の仲間の光合成生物が適している。テラフォーミングの最終段階では、火星には水が存在し、温暖な気候で、昼夜の区別があり、おまけに二酸化炭素がたっぷりあるので、植物は十分に繁殖する。したがって、それら植物の炭酸同化作用によって、二酸化炭素が吸収され酸素が供給される。もしそれでも酸素が不足した場合は、土壌鉱物から科学的手段によって酸素を取り出すことも可能である。