| 宇宙誕生の不思議 |
”無”から宇宙は誕生し、どのようにここまで来たのか?
|
私たちの宇宙は今から約130億年前にビックバンで生まれた。1948年にアメリカの物理学者ジョージ・ガモフが出した結論である。しかしそのビックバンはどの様にしてはじまったかは答えられませんでした。しかし一般相対性理論に量子論を加えた量子重力理論では、宇宙は時間も空間もエネルギーも物質もない”無”から誕生したというのである。 ”無”とは時間、空間、物質、エネルギーのない状態とソ連生まれの物理学者アレキサンダー・ビレンキンは定義した。しかしこのような”無”から何かが生まれてくると言うのは常識的には考えられない。ところが量子論では正反対なのである。非常に短い時間の中では時間や空間、エネルギーが一つの値をとりえず、たえずゆらいでいることを明らかにしている。 宇宙は小さければ小さいほど、また真空のエネルギーが高ければ高いほど宇宙が生まれる確率が高いことがわかった。私たちの想像とは逆に何もない状態が宇宙を生み出す引き金になっていたのだ。 イギリスの物理学者ステファン・ホーキングは宇宙の方程式(波動関数)をとき、量子論的に最も確率が高い宇宙の進化の過程が、ビレンキンが考えた宇宙と一致していることを明らかにした。私たちの宇宙は最初10-34センチ(量子論で許される最小の長さ)からはじまったまた時間は10−44秒から突然はじまった。この超ミニ宇宙は高い真空のエネルギーをもっていた。 高い真空のエネルギーはアインシュタインの宇宙項と同様、斥力となって空間を急膨張させる。宇宙のインフレーションである。インフレーシ膨張は、ビックバン膨張よりはるかに激しい。それは直径1ミリの物体が一秒の1兆分の1の1兆分の1のさらに100億分の1の間に1000億光年の大きさに広がってしまうほどだ。 この理論では他にも宇宙が沢山生まれており私たちの宇宙はその中の一つかもしれない。しかし何もないところから爆発が起きたとしても私たちや星を生み出す物質はどの様に生まれたのかが疑問に残る。 インフレーションを起こした宇宙は非常に高いエネルギーを持った古い真空である。この時古い宇宙の真空が相転移すると、エネルギーはいっきに解放され、光のエネルギーに満ちた火の玉になり、物質はこの中で出来たのだ。相対性理論によるとエネルギーと物質は互いに自由に転換できるという。 宇宙誕生の10-36秒後、宇宙を満たす光からX粒子と呼ばれる素粒子とその反粒子が多量に作られ、やがてそれらは現在の物質で最小の素粒子であるクオークとレプトンそしてそれらの反粒子が出来たのである。 宇宙誕生から0.00001秒後には宇宙の温度も1兆度にさがり、それまで単独で飛び回っていたクオークが3つ集まって陽子や中性子などを作ったのだ。 宇宙誕生から3分後には宇宙の温度は10億度まで下がり、今度は陽子と中性子が結合して様々な元素の原子核がつくられた。水素や重水素、ヘリウムといった、現在、星が輝くための燃料がここで開発されたのだ。 宇宙誕生から30万年後宇宙温度は3000度まで下がり電子が原子核にとらえられると、宇宙は透明に晴れ上がった。 宇宙誕生から10億年後までに銀河や銀河団が形成されたと考えられているがそのメカニズムはほとんどわかっていない。 宇宙に星が生まれるとその中心では核融合反応がはじまり、この反応で炭素や窒素酸素といった重い元素が作られる。重元素は星の爆発と共に宇宙空間にばらまかれ私たちの地球のような惑星をうむ材料となったのだ。 そして人類が快適に暮らせる(生命が誕生する)地球は太陽という星の適当な距離にあり、適当な大きさ、重力、地軸の傾き、適当な自転速度などの人類誕生に欠かせない様々な条件をクリアして生まれてきたのだ。この確率は宝くじで3億円が毎年死ぬまであたり続けるより数万倍難しいと私は思う。 |
|