>カオス<
K済学部の方に,「カオス」を分かりやすく説明したいので,
自分の中での整理が必要でしたから,
もう一度,勉強しなおす意味で,ページを作成.
思ったらスグ実行しなきゃ,ですね♪(*^_^*)♪
2003.1.22 更新〜♪
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2003.2.4 Key words
ロジスティック写像 数理生態学者:ロバート・メイ 京都大学,昆虫学者,内田俊郎
マメゾウムシの個体数変動のモデルアイゲン:ハイパーサイクル バルラ,マトゥラーナ:オートポイエーシス
高安秀樹 編著,「フラクタル科学」(朝倉書店) I. プリゴジン著,小出昭一郎他訳,「存在から発展へ」(みすず書店) I. プリゴジン,I. スタンジュール著,伏見他訳,「混沌からの秩序」(みすず書店)
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★カオスの定義…? 2003年1月17日(金)
ということで,カオスって,熱・統計力学の非線形公式に発展しているとこら辺から出てきたような気がするので,とにかくそこまで行き着く前に,「物理学辞典」で,「カオス」の定義を引いてみる….(参考文献:物理学辞典(培風館))
★カオス(英語:chaos:「ケィオス」とかっていう発音だったような気がする….)
力学系の非周期解が示す乱雑な運動をいう.力学系とは,ハミルトンの正準運動方程式のように,解が初期値によって一意的に決まる常微分方程式系や差分方程式系をいう.このような系の解は,状態変数のつくる相空間において,初期値によって一意的に決る1本の軌道を描く(→位相軌道).その軌道に沿った,着目する力学量 x(t) の時間相関関数
C(τ) ≡ lim_{T→∞}∫^{T}_0 x(t)x(t+τ)/T
のフーリエ−ラプラス変換 P(ω) を,角振動数ωについてのパワースペクトル(強度スペクトル)という.
カオスの定義として通常使われるのは,パワースペクトル P(ω) が連続スペクトルとなることである.そのためには軌道は非周期軌道でなければならない.もう1つの定義は,軌道が不安定であることである.すなわち,初期値がわずかに異なるもう1本の軌道をとるとき,軌道間の距離が平均として時間の経過とともに急速に拡大することである.つまり,初期値のわずかの誤差が長時間の後には大きな誤差をつくる.これを初期値への鋭敏な依存性という.このとき将来の決定論的予測は不可能となる.これは,大気の乱流に関して,気象学者E. N. Lorenz によって最初に指定され(1963年),天気の長期予報が不可能なことの理論的根拠とされたものである.
カオスには様々なタイプがある.気体分子運動論で導入された分子的カオスは,統計熱力学の力学的基礎として現在も研究されている(→エルゴード定理).しかしそれはカオスの1つのタイプにすぎない.熱平衡から遠く隔った非線形非平衡系のカオスは,流体乱流,非線形化学反応系,核融合などの物理的基礎として,その研究が最近始まった.
特に強調しなくてはならないのは,力学系の自由度が少数で,しかも外部から加わる雑音などのような非決定論的要因がない場合でも,力学系自体の含む非線形性によってこのような乱雑な運動が生じうるということである.たとえば,Lorenz のモデルは,次の3変数の常微分方程式で記述される力学系である(→ローレンツ模型).
dx/dt=-σx+σy, dy/dt=-xz+γx-y, dz/dt=xy-bz (1)
この解をパラメータσ,b,γの適当な領域で数値的に求めると,ほとんどすべての初期値に対して,これは三次元空間内のある有界な二次元的図形に漸近し,このうえで非周期運動を行うことがわかる.このようにほとんどすべての軌道を吸いこむ,点でも閉曲線でもない図形を奇妙なアトラクター(ストレンジ・アトラクター)とよぶ.散逸力学系のカオス(無秩序運動ともいう)の発生は,奇妙なアトラクターの出現として理解できることが多い. ローレンツ模型のほかにも無秩序運動を行う散逸的なモデルがいくつか知られている.
差分方程式で記述される,離散的時間発展を示す力学系に関しては,数学的に厳密な結果も得られている.基本的なものとしては,次のリー-ヨークの定理がある.X を距離空間とし,f:X → X を連続写像とする.もし f が周期3(今の場合周期は整数)の周期点を含むならば,「任意の周期をもつ周期点および非加算個の非周期点が存在する」.これをT. Y. Li と J. Yorke はカオスと定義している(1975年).
培風館,「物理学辞典 縮刷版」(1998)より抜粋.
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★ハミルトンの正準運動方程式 2003年1月17日(金)
正準運動方程式(正準方程式):
例えば,2n 個の独立変数(例えば,運動量 p と 距離(位置座標?) q など,運動系であれば,質点や物体の位置と速さなどなどを決定するための変数)で記述した運動方程式のこと.ここで,ハミルトニアンという物理量(?だったっけ?この場合は力学的エネルギー)を使って運動方程式を書き表せる.ハミルトニアンは,最も簡単な場合は,運動エネルギー T と位置エネルギー(ポテンシャル)U の和,H=T+U で表される.
線形の微分方程式の場合(最も簡単な場合においては,運動方程式は線形微分方程式で表される),この微分方程式は,初期値を与えると,解が一意的に決まり,つまり,t 時間後の物体の運動や位置がただ1つに決定される.
しかし,運動方程式が非線形な場合,初期値を与えるだけでは,解が一意的に決まらない場合がある(あるいは,解が周期的な解で表されない場合がある.)
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★Boltzman(ボルツマン)の秩序原理 2003年1月22日(水)
熱力学においては,熱力学第2法則により,孤立系(外部とのエネルギーのやりとりをしない系)においては,最終的にエントロピー最大の熱力学的平衡状態に到達する.
古典力学系(ニュートン力学)においては,時間発展,もしくは時間の後退による状態の変化というものは,問題にされなかった.つまり,時間のベクトルは,どちらを向いても(将来を向いても,過去を向いても),力学法則は同様に成り立つ.しかしながら,熱力学の導入により,初めて,可逆過程,非可逆過程が問題にされるようになった.ここで,簡単に述べると,可逆過程は,状態の変化が元に戻せるもので,非可逆過程は戻せないものである.
そこで,状態の変化を区別する別の状態量として,エントロピーが導入されるようになった.クラウジウス(Clausius)は,熱力学第2法則を印象的に,「宇宙のエントロピーは増大している」と記述しているが,この記述に従うと,宇宙は「熱的な死」に向かって,老いていることになっている.しかし.この記述は,我々が現在,みている宇宙の様相とも,また,過去の宇宙の様相から推測したものとも合致しない[2].
ボルツマン(Boltzmann)の秩序原理によると,秩序状態は低エントロピー状態であり,無秩序状態は高エントロピー状態である.一般に,孤立系は,物理的な変化を外部から何も与えなければ,エントロピーが増加する方向に向かう(エントロピー増大の法則ともいう).
しかしながら,線形非平衡熱力学の枠組の中では,熱平衡から遠く離れた,しかも巨視的熱力学量で記述可能な状態の研究がはじめられると,ある限界を超えると,秩序状態を系が「おのずから」形づくる状態となることが発見された.流体力学においては,古くから知られており,熱伝導による液体分子の分子運動が,巨視的に現れることがある.この現象は,ベナール(Benard)の不安定性問題(ベナール対流)と呼ばれている[2].
熱(エネルギー)が,高温物質から低温物質へ一方向に移動すること.経験法則.他の表現方法もある.
☆クラウジウスの原理
低温の物質から高温の物質へ正の熱が移動し,他にいかなる変化も残さないようにすることは不可能である.以下のように,別の言い方ができる.
☆トムソンの原理
一つの熱源から正の熱をとり,この熱エネルギーに相当する正の仕事を外に対して行うサイクルは存在しない [3].
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★参考文献
[1] 物理学辞典 縮刷版,培風館(1998)
[2] 散逸構造 −自己秩序形成の物理学的基礎−,G. ニコリス,I. プリコジーヌ著,小畠陽之助,相沢洋二訳,岩波書店,1980
[3] 基礎物理学 −波動・光・熱−,嶋村修二,荻原千聡編著,朝倉書店,1999