こんにちは。
“日本一(推定)不幸な女子高生”――深山奏子です。

きょうは、わたしとねえさまの、あつ〜い日常をたっぷりと公開しますね。


ではでは…





   ねえさまとわたし


   ☆その1




ねえさまは、美人で頼れてステキで強くて♪


とっても外道で、罪のない子を暴行したり
人肉を食らって、蜘蛛だったりするイケナイ人…


「かなこ」
「ひっ! ごめんなさい! ごめんなさい!」
「…そんなに怯えること? ふふ…」
「へ? じゃ、じゃあ…」


ほっ
よかったぁ〜。
てっきりまた、おしおきかと…



ぎちぎち


「誰が節足動物ですのっ! だれがっ!」
「ぎゃああ〜! そんなこと言ってませんっ!」


蜘蛛糸で締められ、窒息寸前
こ、これでも加減しているらしいです…


「反省した?」


にっこりと、悪魔の微笑み。
逆らえば、もちろん命はありませんし、試してみる気もありません。
無我夢中でうなずきます。


「は、反省しました〜」


はあ はあ


ようやく解放されて、空気を貪るわたし。
はぁ…誇張抜きで死ぬかと思いました。


「この…外骨格め。
 いい気になんなよ。そのうち殺虫剤でっ!」


――と、心のなかで思うだけにとどめて。


だってわたしは、ねえさまのもの。
どんな辛い仕打ちだって。耐えてみせます…


きゃ〜☆ わたしって健気〜♪



ぎちぎち


「うぎゃあああ〜」
「誰が不快性昆虫よっ! 誰がっ!」
「そ、そんなこと言って…ぐえっ」


そのときです。
ブラックアウト寸前の耳に、携帯のメロディが流れてきました。


「な、なにごとっ!」


動揺するねえさま。
放り出されたわたしは、なんとか呼吸を取り戻そうと
床でもがいていました。


「…こ、これかしら…」


カバンから、携帯電話をおそるおそる取り駄して
光るボタンを押すと


『奏子ー! かなこー!』


お父様のダミ声に、驚くねえさま。
きゃあと、乱暴に床に投げつけて


「な、なんの術ですのっ」
「ねえさま…これは…」


どうやら、電話を知らないみたい。
わなわなと震えて


「棒が喋ったですって… ――おのれ! まやかしかぁっ!」



現代文明の脅威に驚く未開人かい、アンタは。


『かなこー! おい、どうしたんだ? 今夜はかなこの好きなスキヤキだぞ。早くかえって…』


がしゃっ


携帯は無残にも、糸に潰されてこっぱ微塵に…



「あらら…」
「化け物めぇ。ははは」



どっちが化け物よ。
ああ、まだ新しいのに…(わたしが買ったわけじゃないけど)

でも、動揺するねえさま
ちょっとかわいい♪ くすっ


「………」


ねえさまは、こちらを睨んで
透き通りそうな白い手をのばし


ぎちぎち


「笑うなぁーーー!」
「うぎゃあああああああああああ〜」


ぜ、前言撤回〜。
やっぱりねえさまは、怖い人で〜す。
いやああああ〜


「“アンタの喋り方、黒木薫でございます”ですってぇー! かなこの分際でぇー」
「そ、そんなこと言ってませ…ぎゃあああ!」
「今日という今日はおしおきよ。あなたのご主人様が誰なのか、調教してあげる」


もみもみ


「いたた、お尻はいやぁ〜」






その後、一晩中ねえさまにお仕置きされちゃいました。
なにか…生まれ変わった気分…イテテ


ん?
おかえしに、ちゃーんと電話の使い方を教えましたよ。
これで、離れていてもねえさまの声が聞けちゃいます♪





(翌日――)



ねえさまは、美人で頼れてステキで強くて♪


「もしもし」


とっても外道で、罪のない子を暴行したり
人肉を食らい、蜘蛛だったりするイケナイ人。


「いまなに色のパンティ履いてらっしゃるの? お答えなさい。さもないと…」
「人の電話で、なに話してるんですかっ!」



  (おわり)






作品解説!

こんな関係だったら、楽しいのに(笑)
では、また次回にでも〜


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