*「アトラクナクア」をプレイしてから読んでね(^^/
こんにちは。
“日本一(推定)不幸な女子高生”
――深山奏子です☆
きょうは、わたしとねえさまの、あつ〜い日常をたっぷりと公開しますね。
ではでは…
ねえさまとわたし
☆その4
夜…
ねえさまと私は職員室に潜り込んで、かってにテレビを見ていました。
いいのかなぁ…
「………」
食い入るように観ています。
とくに『渡る世間は鬼ばかり』がお気に入りのようで…
「スゴイわね、いまの世の匠の技は」
「そうですね」
とつぜん、ねえさまは感心したように呟きました。
私は適当にあいづち。
「こんな小さな箱に、人間を閉じ込めるなんて」
「…はい?」
冗談かと思いきや、ねえさまは本気で言っているらしく
「もしや…術かしら…」
「…あ、あの…」
「なんにしても…この者たち、他人に見られているというのに、恥ずかしくないものね」
人類が宇宙に行くこの時代に、アナクロというか原始人というか。
『金曜スペシャル 密林に暮らすバゴン族の一家、東京へ行く』じゃないんだから。
「あはは、中に住んでるわけじゃないんですよ」
「え?」
無知なねえさまに、私は現代科学がいかに発達しているかを説明することにしました。
「これはテレビといって、遠くの光景を映しだす機械なんです」
「嘘おっしゃい」
「だからー」
だけど、ねえさまは納得しかねている様子で
さらに私を問い詰めます。
「ですから、どうやって映るの?」
「え…えっと…その…ブラウン管に光が…」
「光が? どうなるのよ」
「…うう…」
言葉に詰まった私は仕方なく、頭を垂れて謝りました。
「すみません…やっぱり人が入ってるんです…」
「それみなさい」
ねえさまは目を細めて嬉しそうに笑いました。
うう…バカな上司を抱えた若手の企画部員の気持ちが分かりました…。
『フンっ、どうせ岡倉の財産が目当てなんだろ』
『お義母さま…』
画面では、いつものようにピン子が赤木ハルエにいびられてます。
よくもまあ、毎度おなじ内容で飽きないもの。
「………」
でも…ねえさまは熱心に。
もう、異様なくらい集中して見ています。
『なんやかんや言ってもね、しょせんは腹を痛めた我が子“だけ”が、かわいいに決まってるじゃないか』
『そ、そんな…』
そのときです。
早く帰りたいなとうわの空の私の耳に
「下衆め…」
…という低い声が飛び込んできました。
がしゃーーんっ
ねえさまの掌から放たれた糸が、テレビを真っ二つに。
テレビはビビッと放電した後、はかなくもその生涯を終えました。
「…あら?」
消えた…と訝しがりながら残骸を漁るねえさま。
だから言ったでしょ。これはただの機械で…
「かなこーっ」
「こ…今回は完璧にねえさまのせい…」
「おだまりっ」
弁解の暇も与えられず、瞬時に糸でスマキにされてしまいました。
「かなこが『中にはいってる』なんて言うからよっ! もう見られませんわっ」
理不尽な叱責をあびせて、私をボコ殴りの刑に。
ど…どっちが下衆よぉ!
「温厚なわたくしでも、今日という今日は許しませんわよ。覚悟なさい」
「いやぁぁ〜」
――え?
そ、それからのことは…よく覚えてません。
「いやぁぁ〜! お尻はいやぁぁ!」
…というより、思い出すのも嫌です。
イテテテ…
(翌日…)
<赤木ハルエ誘拐!? 傍らにはピン子が血染めのシャネルで!>
ドラマ撮影収録後、何者かが楽屋に乱入したと主張。
目撃者である泉ピン子氏は錯乱しており、『クモが…クモが…』と謎の呟き。
放送中止も検討されている――
こ、この記事…
まさか?
「あの…ねえさま」
「なあに」
口元の血を上品に拭うと、不機嫌そうにお返事。
「ゆうべは、あのあと…ど…どこに」
「さあね」
(おわり)
あとがき
次回は生物の授業で大暴れです。
こうご期待(^^;
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