ある愛の詩  〜love song for you〜





        セントラルライン


     遠くに響く 中央線を聞きながら
     わたしはひとり あなたを想うの

     はじまりの東小金井駅
     出会いの北口

     経済大を 手をつないで歩いた
     農工大正門で 交わしたくちずけ

     こんな日が 来るとわかっていたなら
     「愛してる」なんて言わないよ
     I still love you...



     オレンジ色の車体に揺れて
     わたしはきょうも あなたを想うの

     とまらない中央特快
     行き交う通勤快速

     どこで間違えたのだろう…
     武蔵小金井? 花小金井?
     埼玉にも小金井があるなんて

     こんな日が 来るとわかっていたなら
     「愛してる」なんて言わないよ
     I still love you...


     いま わたしは三鷹で下りて
     総武線で帰ります


     さようなら
     あなたと食べた あぶらーめんの味は忘れない
     I still love you...








        *



「東京を舞台に繰り広げられるせつないラブストーリー、というイメージだ」
「………」
「どうだ理奈、こんどの新曲は?」

理奈は敏腕プロデューサーである兄に、冷ややかな視線を返す。

「これを歌え、と…」
「…嫌か?」
「あたりまえでしょっ!」

妹の怒声に、緒方氏は頭を掻きながらしぶしぶ歌詞に視線を落とす。

「う〜ん、地名がマニアックすぎるか…」
「そういう問題じゃなかっ!」



  (おしまい)





・あとがき

小金井市よいとこ、一度はおいで。
Xebecもタツノコもあるんだよ(笑)


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