せっくす〜神尾晴子〜
「そ、そんな…二十歳の子がいるっていうから…」
なけなしの大枚をはたいて通された小部屋。
コンクリートの打ち付けの殺風景な空間。
――その中心に、彼女はいた…
「ウチ、はたちなのー☆」
せっくす 〜神尾晴子〜
「ど、どこが二十歳だっ」
「う・そ。“ほんまは17歳・女子高生・処女”なの。ナイショ、だよ☆」
「うそつけー」
ひさしぶりの『命の洗濯』を味わおうと訪れた国崎往人を襲った悲劇。
指名写真とは似ても似つかない、しかし彼の良く知る少女…
「往人おにいちゃん、くるみのお部屋にようこそ(はあと)」
「うわー、なんであんたがここにー!」
…の母親。
世間は狭い。
「くるみにそっくりの美人のおねえさまがこの町に住んでるのだ☆ よく間違えられちゃうのー♪」
「わー、来るなーっ」
「えへへー、あ・そ・ぼ」
なお抵抗を試みる。
だが、彼の鍛えられた肉体を凌駕する勢いで、強引に押し倒される。
「おにいちゃーん、だいすき♪」
「ぎゃー、観鈴、助けてくれぇー」
「もう。他の女の子のことなんて忘れてぇな♪」
頬をぷくっと膨らませて、ボディブローを一撃。
「ぎゃぁ」
「うふふ、ウチねぇ…おにいちゃんと遊びたくてね、年齢サバよんで雇ってもらったのだ☆」
「サ、サバよみすぎーっ」
「くるみ決めたのだ! …初めての人はね…」
ベッドのパイプに手足を縛られ身動きひとつとれない往人に、甘えるように寄りかかる。
「お・に・い・ちゃ・ん」
「いや〜! 勘弁してくれぇ、晴子さぁん」
「もー、ウチの名前は“くるみ”ちゃん☆」
さらにボディブローを一発。
「うぎゃあ」
「あー、おにいちゃんったら、テレてるんだねぇ」
「ひ、ひぃ〜」
抵抗空しくズボンを脱がされ、哀れ下半身をさらけ出すことになった。
「いやーん♪ ウチの魅力におちんちんがっちがちー」
ほんまの17歳・女子高生・処女なら絶対に言わないであろうセリフとともに、うなだれたままの男性自身を秘所に誘う。
「全部脱ぐのは恥ずかしいの…着たままで許してね」
「いい年こいてこんな仕事…娘に恥ずかしいと思わないのかっ!」
「…え?」
相手の反論(そして正論)に、虚をつかれたのか言葉が詰まる。
「やだ…そんなこと…」
そして――
「『着たままのほうが燃えるぜ』だなんてぇ」
「言ってねぇぇぇ!」
無視して“くるみ”はスカートをめくって、そのまま往人の上にまたがる。
「怖いけど…がんばるのだ☆」
「その妙なキャラ付け、やめろー」
「……うるさいわっ」
顔面に拳を叩きこむと、すぐにもとの表情に戻る“くるみちゃん”
往人はもはや運命を悟り、抵抗を諦めた。
「…あ…」
さしたる抵抗もなく繋がる二人。
「い、イタイ!」
「嘘つけぇぇぇ」
「でも、うれしい…。おにいちゃんとひとつになれて…し・あ・わ・せ」
さかんに処女と純情を強調する“くるみちゃん”。
往人は黙ったまま、天井を見つめてすべてが終わるのを待っていた。
「うわ、抜けてもうた。ちっこいなぁ」
「…あんたが太平洋なだけ…うわぁぁ!」
「やかましいわっ、ボケ!」
事が終わって――
「にーちゃん、『本番禁止』って張り紙、読めんのか?」
「だ、だってアンタが強引に…」
とりあげた財布を漁りながら、晴子は罰金100万円を宣告した。
「そ、そんなぁ…」
「イヤなら! この仕事の件、観鈴には黙っとれよ」
「…ハイ…」
裸のまま土下座する往人に、にかっと微笑みかける。
「じゃ、にーちゃん。ちょっと事務所行こかー」
「ひぃぃぃぃ」
(おしまい)
あとがき
『春のエロティックSSオールナイト4本立て』、いかがでした?
期待した人はごめんね。
ではまた次回に〜(^^/~
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