今夜は最高!
「ごはんですよーっ♪」
じゃーんと両手を広げる佐佑理さん。
その手の間には、裸体で恥ずかしげに横たわる少女。
蛍光灯に照らされた肌の白さに、俺はゴクリと唾を飲んだ。
「………」
舞は黙ったまま。
期待か不安か…緊張でこわばった表情を浮かべて、あくまで器に徹している。
「ピッチピチの女体盛りですよー」
「おお、これはうまそうだ」
「………」
顔以外のすべてに、新鮮な魚介類を惜しげもなく散りばめてある。
最高の誕生日プレゼントだ。
「佐佑理さん、ありがとうっ」
漢の野望(ゆめ)を叶えてくれて…
感激で目元がジーンと疼いた。
「あははー、お刺身が温くならないうちに」
「そうだな…いただきまーすっ」
遠慮なく箸を伸ばす。
肌にぬるっと張り付いた刺身が剥がれるとき、それがそのまま愛撫となって、舞の柔肌を刺激する。
「…あ」
思わず声を出してしまった自分に戸惑うかのように、顔を赤らめる。
その仕草がたまらず、俺はさらに意地悪をしたくなった。
「おや? このお皿は喋るのかい?」
つんつんとつっつくと、くすぐったそうに身悶える。
正面の佐佑理さんもニンマリと微笑んで参加。
「ほんとだー、へんですねー」
舞は顔を真っ赤にしながらも、唇をじっとかみ締め、責めに耐えつづける。
「ふふ」
そのいじらしさに、俺はたまらず抱きしめたい衝動にかられた。
「あ」
「どうした、佐祐理さん」
「えーっとですねー…」
目配せしつつ、とぼけた調子で
「お醤油わすれてました〜」
「あ、いいって」
立ち上がろうとする彼女を制すると、俺は醤油代わりにと濡れた茂みに刺身を擦りつけた。
舞はたまらず腰を浮かせて、
「ひゃん」
かわいい悲鳴だ。
佐佑理さんも笑ってそれに倣う。
「うーん、珍味ですー」
「…ふむ、なんだか味が変わってきましたな」
「おいしー」
目を閉じてじっと堪える舞を尻目に、ふたりは欲望に促されるまま、箸を運びつづけた。
「そうですねー。とくにこの“あわび”ちゃんが…」
「きゃ」
「いやいや、この“赤貝”こそ」
「…うっ」
「いえいえ、“いくら”も絶品ですよーっ」
全身を愛撫され、舞の呼吸は喘ぎへと変化してゆく。
火照った肌にはうっすらと赤みがさし…
「はあ はあ」
ガマンするのもそろそろ限界だろう。
汗で額に張り付いた黒髪をはがすと、唇を指でゆっくりと撫でる。
「…あ」
官能で潤んだ舞の瞳が、俺の姿を映した。
俺は笑みでそれに答える。
「佐佑理さん、そろそろ」
「そうですねー。最後に“お皿”を片付けなきゃ」
うれしそうに頷くと、待ちきれないとばかりに舞の下半身に手を伸ばす。
途端、肢体がぴくりと震えた。
「ああ…」
秘所を楽しげに貪る彼女を横目で見ながら、まずは唇をから味わうことにした。
(翌朝…)
「うっ!」
「いだだだ、おなかがぁー」
ふたりとも布団にくるまったまま、洗面器を抱え悶え続けた。
「軽い食中毒です」
往診に訪れた医者は、帰り仕度をしつつ、あきれたように言う。
舞はぺこりと頭を下げた。
「………」
ちらりと俺たちに目をやり…
そして、はぁと大きなため息。
「なんにせよ、料理の際は手をきちんと洗うように」
「…はちみつくまさん」
(おしまい)
作品解説!
こういうの、好き?(笑)
――私はキライです(大笑)
たまには読者サービスということで…
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