切り替え不要 オーディオミキサーの制作(実際には作らないから「製作」じゃないのヨ)

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オーディオ機器をたくさん持っているけど、オーディオセレクタの切り替えがいちいち面倒!
そんなあなたにおすすめです!!

☆使い方
 入力に各種オーディオ機器を、出力にアンプを接続します。テレビ・ラジオ・CD・カセットデッキなどを入力に接続し、聞きたいオーディオ機器だけを使用することで、スイッチなどを切りかえることなくアンプに出力させる事が出来ます。通常、使用していない機器は止めておく事が多いと思われますので、この点を考慮して「セレクタ」ではなく「ミキサ」としました。ですから、複数の機器から出力があるとミキシングされて聞こえます。
 CDアンプ(CDとアンプが一体になったもの)をご使用で、CDを鳴らしている時にアンプの入力が無効になるタイプの場合(ほとんどの機種でそうだと思いますが)には、アンプの入出力を直接本機に接続してしまってもかまいません。但しこの場合、CDを聞くときだけは、アンプの切り替えスイッチを操作する必要があります。
 また、本機は出力が1つしかありませんが、複数取り出しても問題ありませんので、アンプを介さずに出力を赤外線ヘッドホンなどに振り分ける事も出来ます。

☆回路図(色枠付きの図はクリックすると大きくなります)


図1.回路図(1ch分:4入力1出力の例〉

☆解説
 オペアンプを用いたオーディオミキサーです。全く単純なサムアンプ(加算増幅器)の構成です。増幅率はマイナス1倍で反転しますが、オーディオでは問題無いのでそのまま出力します。
 ここで反転型にした理由は、入力端子の影響を少なくするためです。
 オペアンプの入力端子を見ると、非反転入力端子がグランドレベルに接続されており、この回路を動作させるとイマジナリーショートで反転入力端子もグランドレベルになります。入力端子はグランドレベルを基準にした不平衡入力なので、この状態でどの入力端子にどんな抵抗をつないでも電流の出入りはなく、入力端子にどんな出力インピーダンスの機器をいくつつないでもレベル変動はありません。

 図1では1ch分を表示していますが、ステレオ用にもう一つ同じ回路を作ります。そのため、使用するオペアンプは2素子入りのものを選びます。こういった回路は、電源をコンセントから取るほど消費電力はありませんが、かといって電池で駆動させるには少々電力食いで、頻繁にスイッチを入切しないとならなくなります。それでは意味があまりありませんので、スイッチを無くし、電池で長期間取替え不要とするため、低消費電力タイプオペアンプ(テキサスインスツルメンツのTL06シリーズやTL022、ナショナルセミコンダクタのLM358など)を使用します。これらは1素子当りの消費電流が最大250μA(TL022は130μA)のため、単1型マンガン乾電池を用いても裕に半年以上(計算上は1年)連続使用出来ます。
ちなみに今回紹介するオペアンプのほかにも、極低消費電力タイプ(数十μA)のものも各社より発売されていますが、他の特性があまり良くなく、また現状では手に入りにくいでしょう。
TL062データシート(英語版)
LM358データシート(英語版・日本語データシートがダウンロードできます)

 通常、家電機器のオーディオ出力は、最大振幅で500mVRMSとなっており、これは1.4VP-Pに相当します。つまりプラス0.7Vからマイナス0.7Vまでの範囲をカバーできれば良い事になります。
 TL06シリーズでは、正負共に電源電圧に対して0.6Vだけ小さい範囲の出力が取れます。ですから乾電池は正負に1本ずつで良いのですが、電圧が低くなってきた時の事を考慮して2本ずつ、プラスマイナス3Vで使います。
 また、抵抗器は「集合抵抗」というものを使用します。集合抵抗とは複数の抵抗素子が一つのパッケージに入ったものです。これを使うと、いくつもの単体の抵抗を使用するよりも接続が楽になるというだけでなく、内部の各素子間の抵抗値偏差が小さいためおのおのの倍率のばらつきが非常に小さくなるという利点があります。また素子が増えても価格はそんなに上がらないため、入力数を多くしてもコストはほとんど上がりません。ここでは図2のように「4素子5端子」とか「8素子9端子」といった、抵抗の片方が共通結線になったものを使用します。

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