プロトコル
1.Stop-and-waitプロトコル
受信側はある一つの伝送単位(フレーム)を誤りなく正しく受信することに送信側にそのことを知らせる送達確認情報(ACK:Acknowledgement)を送る.
誤りを検出したときはその情報を捨て,ACKは返さない.
長所:きわめて単純で確実に情報を転送したかが送信側に伝わる
短所:多くのフレームがある場合,伝送に時間が多くかかる.
2.Go-back-Nプロトコル
連続した番号をフレームに与え,それらを連続して送出する.一方受信側では番号順に送られてくるフレームにおいて誤りを検出したとき(このときi番目とする),再びそのi番目のフレームが正しく受信するまでの間に受け取った(i+1)番目以降ももし正しく受信したとしても棄却する.送信側ではフレーム送出後もそのフレームの再送要求に備えてフレームを確保しておく再送用バッファが必要である.
長所:N個のフレームのうち間違っているフレーム以降から伝送できるので,Stop-and-waitプロトコルに比べ伝送スピードが速い
短所:間違っているフレーム以降を伝送しなくてはならないので,無駄が多い.
3.Selective-repeatプロトコル
Go-back-Nプロトコルは謝ったフレームから再送していたが,Selective-repeatプロトコルは誤ったフレームだけを再送する方式.
受信側にも送出側と同じ容量のバッファを用意する必要があり,理想的には無限大のバッファがあれば可能であるが,実際には誤っていないフレームも再送しなければならない.
長所:Go-back-Nプロトコルに比べ間違っている部分のみ伝送されるため,無駄が少ない.
短所:間違っているフレームが多いとバッファの容量が限られているため,実際には誤っていないフレームも再送しなくてはならない場合多い.
誤り制御
1.FEC方式:forward-error correction
誤り訂正 符号化 誤り訂正 復号
送信側 伝送路 受信側
情報 復号データ
図1 FEC方式
FEC方式は送信側から受信側への1方向の伝送路で誤り訂正符号を用いて制御が簡単な通信システムを構成できる.
長所:制御が簡単に行える
短所:誤り訂正を防ぐことはもちろん訂正できなかった場合も情報が失われるので,強力な誤り訂正能力を必要とする.ARQ方式に比べて誤り訂正符号の冗長ビット数が多く,復号回路が複雑となる.
2.ARQ方式:automatic repeat request
誤り検出 チェック 誤り検出 符号化
伝送路 情報(再送)
送信側 受信側
情報 受信状況 復号データ
ACK/NAK
図2 ARQ方式
ARQ方式は,送信側と受信側を結ぶ双方向の伝送路が必要である.本方式は,受信側で1伝送フレームごとに情報とともに送信された誤り検出符号により誤りの有無を検査し,送信側に対して誤りがなければACK(positive acknowledgment)を,誤りを検出すればNAK
(negative acknowledgment)をおくり,NAKの場合は送信側に再送を要求する方法である.
長所:簡単な誤り検出回路で高信頼の通信システムが構成できる.
短所:FEC方式に比べて伝送制御が複雑になる.
変調方式(デジタル)
1.FSK:周波数シフトキーイング(Frequency Shiftkeying)
搬送周波数を変化させることで0,1を表現する.
使用される製品:19GHz帯無線LAN
長所:2つの搬送周波数を持つことで,簡単にデジタル信号化できる.
短所:2つの発信器を必要とするため形状が大きくなる.
FSKはPSKに比べて誤り率特性が劣っている.
2.PSK:位相シフトキーイング(Phase Shiftkeying)
位相をずらすことで1,0を表現する.
使用される製品:PHS(π/4シフトQPSK),携帯(PDC方式)(π/4シフトQPSK)
長所:QPSKにすることにより,BPSK比べて利用効率が向上する.
位相だけを変化させるだけなので形状が小さい(FSKに比べ)
FSKに比べPSKは誤り率特性が優れている.
短所:
3.ASK:振幅シフトキーイング(Amplitude shift keying)
振幅の大きさを変化させることで1,0を表現する
使用される製品:リモコン,ラジコン,光ファイバー通信
長所:構造が簡単
短所:長い距離では減衰するので,判別が不可能になる.
長い距離を伝送するので,大きな電力を必要とする.
変調方式(アナログ)
1.AM:振幅変調
変調信号電圧によって無線周波数搬送波の振幅を変化させる方式
振幅変調された搬送波は図3のようなスペクトルになる.
搬送波
下側波 上側波
fc−fm fc fc+fm
図3単一周波数の変調波による変調の周波数成分
使用される製品:テレビの画像の変調,AMラジオ
長所:アナログであるため,狭帯域なため遠くまで電波が飛ばすことが可能
必要な情報が下側波と上側波なので搬送波の電力を下げることで,電力を有効に
使用可能
短所:
復調方式
復調:復調とは受信側で搬送波から情報を取り出す作業
1.同期検波
受信波より基準搬送波を発生させ,この基準波と受信波の乗績により,必要な部分と不必要な部分に分ける.
↑必要な情報 ↑不必要な情報
長所:誤り率が遅延検波に比べて良い.
短所:基準搬送波が必要となり,形状が大きくなる.
2.遅延検波
基準搬送波の代わりに,1フレーム前の受信信号を基準として検波を行う.
↑必要な情報 ↑不必要な情報
長所:同期検波に比べて形状が小さい
短所:受信信号自身に誤りがある可能性があるため,誤りが2乗されてしまう.
アクセス方式
1.FDMA(Frequency Division Multiple Access):周波数分割多元接続
各ユーザーに対して使用する無線チャンネルを,ユーザーごとに異なる無線周波数に設定する方法
使用される製品:アナログ携帯電話
長所:下記の2つに比べて簡単な方式
短所:限られている帯域での周波数の占有率が多いので,多くの人には使用できない.
2.TDMA(Time Division Multiple Access):時間分割多元接続
一定の帯域幅の周波数を時間的に分割して利用する方式である.
各ユーザーは常に異なるタイムスロットを使用する.
使用される製品:PDC方式携帯電話,衛星放送,電話
長所:送信機台数がFDTAに比べ少なくすむため基地局の経済性に優れる.
短所:時間分割なため,時間の分割の制御が難しい.CDMA比べて干渉,雑音が劣る.
3.CDMA(Code Division Multiple Access):符号分割多元接続
無線チャンネルは同一の無線周波数においてユーザーごとに異なるコードを用いることにより設定される.
スペクトル拡散方式によって,紅潮された信号を多重して伝送する.通信したい情報速度によりビットレートの大きなPN(Psewd noise:疑似雑音)符号を使って搬送波を変調して周波数を拡散して送信する.受信側では受信した電波の中からそのPN符号と同じビット列を持つ信号だけを相関器で取り出し,情報データに復元する.
使用される製品:IDO製CDMAONE
長所:干渉,雑音に強い
短所:容量に問題あり.
デュープレクス方式
デュープレクス:基地局から移動局へ下りチャンネルと移動局から基地局への上りチャンネルの分離させる方法(もし同じなら干渉してしまう.)
FDD(Frequency Division Duplex):周波数分割デュープレクス
使用する周波数で分割する方式
長所:
短所:周波数帯域が狭いと使えない
使用される製品:携帯電話(PDC方式)
TDD(Time Division Duplex):時間分割デュープレクス
同一周波数で時間を分割する.
長所:周波数の確保しやすい.
短所:時間分割が非常に難しい
使用される製品:PHS
スペクトル拡散