放線菌は、原核生物に属し、複雑な分化と生産物の有用性、多様性が特徴である。
放線菌の主要属であるStreptomyces属は、放線菌の90%以上
を占めると言われているが、このStreptomyces属以外の放線菌が希少放線菌とよばれている。
希少放線菌は、自然界での生息数が極めて少ないため、分離が
大変困難である。このことから研究もあまり進んでいないので、
今後も希少放線菌の選択分離法の研究が重要である。
私は現在、希少放線菌Saccharomonospora属の選択分離法の
研究をしている。Saccharomonospora属は単胞子を形成し、乾燥
堆肥、穀物などの発熱したものに多く発生する。土壌中にも分布
しているが、生息数が少なく、分離が困難であることから、その
生態には不明な点が多く、また有用物質生産に関する研究も
少ない。そこでこの属に特異性の高い効率的な分離法を構築
するとともに、分離株について抗生物質生産性等の生理活性
を調査することを目的とした。
現在、土壌試料の前培養と乾熱処理の併用により、分離頻度を
あげることに成功し、この方法によって分離されたSaccharomonospora属
分離株について、RFLP法を用いた種レベルでの同定を行っている。