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2000/7/1作成

 

『第1回課題の標準解答』(2000年5月分)




【理論−1−A1】
SI単位系における電圧,電界の強さおよび静電容量の単位はそれぞれ,[V],[V/m]および[F]である.これらと同じ内容を表す単位を正しくこの順に並べているのはつぎのうちどれか.
(1)C/J,C/N,C/V
(2)J/C,C/N,C/A
(3)J/C,N/C,C/V
(4)C/J,J/s,C/A
(5)V/A,J/s,A・s
【答】(3)
【解説】・1[C]の電荷を1[V]の電位差の場所に移動するのに必要なエネルギーは1[J]である.これより,[V]=[J/C]である.あるいは,
[V]=[V・A/A]=[W/A]=[W・s/A・s]=[J/C]
・1[V/m]の電界の強さ(電場ともいう)の中に1[C]の電荷を置いたときに,その電荷の受ける力は1[N]である.すなわち,
1[N]=1[C]×1[V/m]より,[V/m]=[N/C]である.あるいは,
1[V}=1[J/C]および,1[J]=1[N・m]を用いて,
[V/m]=[(J/C)/m]=[J/C・m]=[N・m/C・m]=[N/C]となる.
・1[F]の静電容量に1[V]の電位差を与えたときに蓄えられる電荷が1[C]である.すなわち,
1[F]×1[V]=1[C]より,[F]=[C/V]である.

【理論−1−A2】
真空中にQ1=10[μC]およびQ2=20[μC]の二つの点電荷が50[cm]離れてあるとき,2点Q12間に働く静電気力の大きさ[N]はいくらか.正しいものをつぎから選べ.
ただし,ε0=8.855×10-12[F/m]とする.
(1)3.6
(2)7.2
(3)8.5
(4)10.2
(5)14.4
【答】(2)
【解説】真空中に距離r[m]の距離にある2つの点電荷Q1,Q2に働く静電気力は,真空の誘電率をε0として,
F=(1/4πε0)×Q12/r2[N]
である.ここに,
1/4πε0=1/(4π×8.855×10-12)=8.987×109≒9×109
1=10×10-6=1×10-5[C],Q2=20×10-6=2×10-5[C],r=5×10-1[m]より,
F=9×109×(1×10-5×2×10-5)/(5×10-1)2=7.2[N]
である.

【理論−1−A3】
二つのコンデンサ,A(静電容量C1[F])とB(静電容量C2[F])がある.AとBの初期電荷は共に0である.ここで,Aだけを電圧V[V]で充電した後電源から切り離した.つぎの(ア)と(イ)の各場合における端子電圧の式を正しくこの順に並べているのはつぎのうちどれか.
(ア)AとBを並列に接続した場合
(イ)AとBを直列に接続した場合
(1){C1/(C1+C2)}V,{(C1+C2)/C2}V
(2){C2/(C1+C2)}V,{(C1+C2)/C2}V
(3){C1/(C1+C2)}V,{(C1+C2)/C1}V
(4){C1/(C1+C2)}V,{C2/(C1+C2)}V
(5){C2/(C1+C2)}V,{C1/(C1+C2)}V
【答】(1)
【解説】コンデンサAに充電される電荷は,Q=C1V[C]である.
(ア)A,Bを並列接続した場合には,並列合成容量;CP=C1+C2に電荷Qが充電される(Q=CPVP)ので,端子電圧は,
VP=Q/CP={C1/(C1+C2)}V
である.
(イ)A,Bを直列接続した場合には,直列合成容量;CS=C1C2/(C1+C2)に電荷Qが充電される(Q=CSVS)ので,端子電圧は,
VS=Q/CS={(C1+C2)/C2}V
である.

【理論−1−B1】
真空中において,1辺の長さが3[m]の正三角形の頂点に配置された3点A,B,Cがある.いま,A,B,Cの各点にそれぞれ2×10-4[C]の点電荷を置くとき,各電荷に働く力の大きさ[N]として,正しいのはつぎのどれか.
ただし,4πε0=1/(9×109)[F/m]とする.
(1)34.6
(2)40.0
(3)69.3
(4)80.0
(5)207.8
【答】(3)
【解説】

3点A,B,Cの電荷は等しく,その配置は対称的であるので,各点の受ける力の大きさは等しい.図のように,A点に注目すれば,A−B間に働く力は,図中のFBであり,その大きさは,
FB=(1/4πε0)×(2×10-4)2/32
=9×109×4×10-8/9=40[N]
A,C間に働く力も同様に,図中のFCであり,その大きさは,40[N]である.点電荷Aに働く力はFBFCの合成力で,その大きさは,
F=√3FB=√3×40=69.3[N]
である.
(注)ブラウザ(Internet ExplorerやNetscape Navigatorなど)の種類やバージョンによっては,√の屋根が表示されません.
【理論−1−B2】
真空中にある2個の電子の間隔が1[m]であるときの両電子間に働く静電気力をf1[N]とし,1個の電子に加わる重力をf2[N]とするとき,f1/f2の値として,正しいのはつぎのどれか.ただし,
電子の電荷は1.6×10-19[C],
電子の質量は9.1×10-31[kg],
重力の加速度は9.8[m/s2],
4πε0=1/(9×109)[F/m]とする.
(1)21.4
(2)22.5
(3)23.6
(4)24.7
(5)25.8
【答】(5)
【解説】静電気力は,
f1=9×109×(1.6×10-19)2/12=2.30×10-28[N]
重力は,
f2=9.1×10-31×9.8=8.92×10-30[N]
∴f1/f2=2.30×10-28/8.92×10-30=25.8

【理論−1−B3】
真空中に孤立した半径10[cm]の球形完全導体がある.この導体に0.01[μC]の電荷を与えたとき,(ア)球面上の電位傾度[V/m]および(イ)導体の電位[V]はいくらか.(ア)と(イ)の数値を正しくこの順に並べているのはつぎのうちどれか.ただし,
4πε0=1/(9×109)[F/m]とする.
(1)90,900
(2)900,90
(3)900,9000
(4)9000,900
(5)9000,9000
【答】(4)
【解説】「ガウスの定理」によれば,「真空中に孤立した導体に電荷Qを与えれば,導体から出る電気力線の総数は,Q/ε0本である.」が言える.ここで,ある場所での電気力線密度(1[m2]当たりの電気力線の数)が電界の強さに相当する.
(ア)導体中心に同心の半径r(r≧0.1[m])の球面を考える.導体表面には均等に電荷が分布するので,電界は球面に垂直に,導体中心より放射状に発散する.(正電荷の場合は中心から無限遠方に向かう向きで,負電荷の場合は無限遠方から中心に向かう向きである.)半径rの球の表面積=4πr2であり,その表面上における電界の強さをErとすれば,
4πr2Er=Q/ε0
∴Er=Q/4πε0r2[V/m]
となる.
r=0.1[m],Q=0.01×10-6,1/4πε0=9×109を代入して計算すれば,
E=9000[V/m]
(イ)ある点の電位とは,+1[C]の電荷を無限遠方からその点まで移動させるのに必要なエネルギーと定義される.すなわち,導体中心からr(r≧0.1[m])の点の電位は,

である.各数値を代入して計算すれば,
V=900[V]
となる.
電験3種では,積分計算を前提としていないため,電界の強さおよび電位の大きさの式を公式として覚える必要がある。

【理論−1−B4】
100[Ω]の純抵抗と5[H]の純インダクタンスからなるRL直列回路の時定数は(ア)[ms]であり,1000[Ω]の純抵抗と5[μF]の純静電容量からなるRC直列回路の時定数は(イ)[ms]である.
上記(ア)および(イ)の数値を正しくこの順に並べているのはつぎのどれか.
(1)20,200
(2)50,200
(3)20,5
(4)5,50
(5)50,5
【答】(5)
【解説】過渡現象を論じる際,現象を表現し解析するための微分方程式が,簡単な1階1次微分方程式になる場合には,その解は,一般に定常項と過渡項の和(どちらか一方のみの場合もこれに含める.)の形になる.このうちの過渡項に注目すれば,その形は,
-(t/T)の形に表される.(tは時間変数,Tは定数)
もし,t=Tとすれば,過渡項の値は,初期値のe-1=0.368(36.8%)に減少する.すなわち,過渡項の振幅が初期値のe-1に減衰するまでの時間を「時定数」という.
(ア)RL直列回路にt=0において,一定直流電源E[V]を印加した場合の電流応答は,
i=(E/R){1−e-(R/L)t}=(E/R){1−e-t/(L/R)}[A]
で表されるので,その時定数は,
T=L/R=5/100=50/1000[s]=50[ms]である.
(イ)RC直列回路にt=0において,一定直流電圧E[V]を印加した場合の電流応答は,
i=(E/R)e-t/RC[A]
で表されるので,その時定数は,
T=RC=1×3×5×10-6=5×10-3[s]=5[ms]である.

【電力−1−A1】
水力学における速度水頭[m]を示す式として正しいのはつぎのどれか.ただし,vは流速[m/s],gは重力による加速度[m/s2]とする.
(1)2gv2
(2)2gv
(3)2v2/g
(4)v2/2g
(5)v/2g
【答】(4)
【解説】速度水頭とは,流水の運動エネルギーをそれと同じ値の位置エネルギーで表したものをいう.
質量m[kg]の物体が速度v[m/s]で運動している場合の運動エネルギーは,
Ek=(1/2)mv2[J](k=kinetic;運動の,運動学上のの意)
である.
これに対し,m[kg]の物体が基準点よりh[m]高いところにあるとき,基準点に対する位置エネルギーは,重力の加速度をg[m/s2]とすれば,
Ep=mgh[J](p=potential;落差の,位置の,電位差のの意)
である.
mgh=(1/2)mv2と置くことより,
h=v2/2g[m]
である.この式が速度水頭を表すものである.

【電力−1−A2】
水車発電機において,その最大使用水量は有効落差の(ア)乗に比例し,その最大出力は有効落差の(イ)乗に比例する.ただし,ガイドベーン開度および水車・発電機の総合効率は常に一定であるとする.
上記(ア)および(イ)の数値を正しくこの順に並べているのはつぎのうちどれか.
(1)0.5,1
(2)1,2
(3)0.5,1.5
(4)1.5,2
(5)2,3
【答】(3)
【解説】有効落差がH[m]であれば,それに対する流水速度v[m/s]は,
mgH=(1/2)mv2より,
v=√2gH
であり,流量は流速に比例(Q=Av)するので,有効落差Hの平方根に比例,すなわち,Hの0.5乗に比例する.
最大出力は,
P=9.8QHη∝H0.5H∝H1.5
より,Hの1.5乗に比例する.

【電力−1−A3】
流域面積A[km2],年間降水量B[mm],流出係数C[%]の水力地点がある.最大有効落差D[m]とすれば,最大出力何キロワットの流れ込み発電所を設置すべきか.ただし水車と発電機の総合効率はE[%]一定であるとし,最大流量は年間平均流量の1.5倍であり,最大有効落差のときに生じるものとする.
(1)3.17×10-9ABCDE
(2)4.76×10-9ABCDE
(3)3.11×10-8ABCDE
(4)4.66×10-8ABCDE
(5)5.24×10-8ABCDE
【答】(4)
【解説】A[km2]=A×106[m2],B[mm]=B×10-3[m],C[%]=C×10-2[pu],E[%]=E×10-2[pu],([pu];per unit単位法表示=小数表示)である.
最大流量=QMAX=1.5×年間平均流量=1.5×A×106×B×10-3×C×10-2/365×24×60×60[m3/s]
最大出力=PMAX=9.8×QMAX×D×E×10-2=4.66×10-8ABCDE

【電力−1−B1】
反動水車を設置したダム水路式発電所において,貯水池の最高水位は標高250[m],最低水位は標高169[m],ランナ中心の標高は30[m],放水口の水位は標高25[m]である.この発電所の(ア)最高水位における最大発電力[kW]と,(イ)最低水位における最大発電力[kW]の値の正しい組み合わせはつぎのどれか.
ただし,最高水位における最大使用水量は20[m3/s],水車・発電機の総合効率は80[%]不変とし,放水口水位は流量によらず一定であるとする.なお,流量は有効落差の1/2乗に比例するものとする.
(1)(ア)35300(イ)18100
(2)(ア)35300(イ)22600
(3)(ア)34500(イ)21800
(4)(ア)34500(イ)17300
(5)(ア)34500(イ)22600
【答】(1)
【解説】最高水位の時の有効落差;HMAX=250−25=225[m]
最低水位の時の有効落差;HMIN=169−25=144[m]
最低水位の時の流量は,
MIN=QMAX×√144/225=20×(12/15)=16[m3/s]
最高水位における最大発電力は,
MAX=9.8×20×225×0.8=35280[kW]
最低水位における最大発電力は,
MIN=9.8×16×144×0.8=18063[kW]

【電力−1−B2】
有効落差81[m],流量14.7[m3/s],水車出力10000[kW],比速度211.6[m・kW]のフランシス水車の回転数[r/min]として正しいのはつぎのどれか.
(1)333
(2)375
(3)429
(4)514
(5)600
【答】(4)
【解説】水車出力(1ノズル当たりまたは1ランナ当たり)P[kW],有効落差H[m],水車回転数N[r/min]であるときの水車の比速度NS[m・kW]は,
S=N×P0.5/H1.25
で定義される.この式より,
N=NS×H1.25/P0.5
811.25=81×810.25=81×3=243,100000.5=100より,
N=211.6×243/100=514.2[r/min]
【参考】比速度の問題の有効落差としては,81[m]の他には256[m]がよく使われる.この場合は,2561.25=256×2560.25=256×4=1024となる.

【電力−1−B3】
ある揚水発電所において,6000[MWh]の電力量を使用して20×106[m3]の水量を揚水した.この場合の全揚程[m]の値として正しいのはつぎのどれか.ただし,ポンプ効率は86[%],電動機効率98[%]とし,揚水中において全揚程は変わらないものとする.
(1)80
(2)93
(3)110
(4)125
(5)128
【答】(2)
【解説】1[h]でQ=20×6[m3]の水をH[m]の高さに揚水する場合の所要電力は,
P=9.8×{20×106/60×60}×H×{1/(0.86×0.98}[kW]
この値が6000[MW]=6000×103[kW]に等しいので,
{9.8×20×106/60×60×0.86×0.98}H=6000×103
∴H=6000×103×60×60×0.86×0.98/(9.8×20×106)=92.88[m]

【電力−1−B4】
最大出力10000[kW]の自家用汽力発電所がある.設備利用率70[%]で60日間連続運転し,発熱量10500[kcal/kg]の重油を2400[t]使用したとすれば,発電端における熱効率[%]はいくらか.正しい値をつぎのうちから選べ.
(1)30.9
(2)31.1
(3)32.2
(4)33.3
(5)34.4
【答】(5)
【解説】発電電力量は,
W=10000×0.7×60×24[kWh]であり,これを1[kWh]=860[kcal]を用いて熱量に換算すると,
WH=10000×0.7×60×24×860[kcal]
一方,燃料が発生した熱量は,
WF=10500×2400×103[kcal]
発電端効率は,η=WH/WF×100=34.4[%]

【機械−1−A1】
直流電動機が回転数1000[r/min],トルク120[N・m]で運転している.このときの機械的出力[kW]はいくらか.つぎのうちから選べ.
(1)2π
(2)4π
(3)120
(4)2000π
(5)4000π
【答】(2)
【解説】角速度;ω[rad/s],トルク;T[N・m]および出力P[W]の間には,
P=ωT
の関係がある.この問題では,
P=2π×(1000/60)×120=4000π[W]=4π[kW]
である.

【機械−1−A2】
定格出力40[kW],定格電圧200[V]の直流分巻発電機がある.電機子回路の抵抗は0.1[Ω],界磁回路の抵抗は10[Ω]である.全負荷時の誘導起電力[V]の値として正しいのはつぎのどれか.
(1)178
(2)180
(3)220
(4)222
(5)224
【答】(4)
【解説】定格負荷電流;IL=40000/200=200[A],界磁電流;If=200/10=20[A]であるから,
電機子電流;Ia=IL+If=220[A]
誘導起電力;Ea=V+RaIa=200+0.1×220=222[V]
【機械−1−A3】
定格出力10000[kVA],定格電圧6600[V]の三相同期発電機がある.三相短絡電流700[A]を流すのに必要な界磁電流が50[A]であるとき,この発電機の定格電流に等しい三相短絡電流を流すのに必要な界磁電流[A]の値として正しいのはつぎのうちどれか.
(1)40.0
(2)42.5
(3)47.5
(4)62.5
(5)108.2
【答】(4)
【解説】定格電流;IN=10000×103/(√3×6600)=874.8[A]
三相短絡電流はほぼ90°の遅れ電流であり,電機子反作用は減磁作用をなすので,磁気回路は飽和せず,三相短絡曲線は直線となる.このため,界磁電流と三相短絡曲線の間には比例関係が成立する.
700[A]の三相短絡電流を流すときの界磁電流が50[A]であるので,874.8[A]の三相短絡電流を流すために必要な界磁電流は,
f'=50×874.8/700=62.5[A]
である.
【機械−1−B1】
定格電圧200[V},定格出力10[kW]の直流分巻電動機がある.始動電流を定格電流に等しくするために,電機子回路に挿入すべき始動抵抗の値はつぎのどれか.ただし,電機子抵抗は0.2[Ω],界磁抵抗は50[Ω]であるとする.
(1)0.15
(2)1.15
(3)2.15
(4)3.15
(5)4.15
【答】(5)
【解説】定格電流;IL=10000/200=50[A],界磁電流;If=200/50=4[A]なので,電機子電流;Ia=IL−If=46[A]
始動の瞬間(回転速度0)には,誘導起電力=0であるから,始動抵抗の値をR[Ω]とすれば,
46(R+0.2)=200
∴R=(200/46)−0.2=4.15[Ω]
となる.

【機械−1−B2】
電機子回路の抵抗0.25[Ω],界磁回路の抵抗100[Ω]の直流分巻電動機がある.この電動機を200[V]の一定直流電源に接続したところ,電源電流が45[A],回転速度が1000[r/min]であった.いま,この電動機をこの電源に接続したまま直流発電機として使用し,45[A]を電源に返還するには,この発電機の回転速度[r/min]をいくらにすればよいか.正しい値をつぎから選べ.ただし,電機子反作用は無視するものとする.
(1)1111
(2)1114
(3)1117
(4)1119
(5)1122
【答】(4)
【解説】

第1図が電動機運転,第2図が発電機運転を表す.第1図において,
aM=200−43×0.25=189.25[V]
第2図において,
aG=200+47×0.25=211.75[V]
界磁電流は一定なので,誘導起電力と回転速度は比例関係にある.
∴NG=NM×EaG/EaM=1000×211.75/189.25=1119[r/min]
(注)第1図の電動機運転では,電源から左向きに入ってきた電流は,電機子回路および界磁回路に下向きに分流する.第2図の発電機運転では電機子で発生する上向き電流は,界磁回路には下向きに,負荷回路(本問題では電源回路)へは右向きに流れる.電動機と発電機では電流の向きと電圧降下の向きが違うのではっきり区別して計算する必要がある.

【機械−1−B3】
他励直流電動機がある.界磁電流10[A],回転速度1200[r/min]のときの誘導起電力は,520[V]である.界磁電流はそのままにして,電機子電流50[A]を流したときの発生トルク[N・m]はいくらか.正しい値をつぎから選べ.ただし,電機子回路の抵抗は無視するものとする.
(1)207
(2)212
(3)217
(4)222
(5)227
【答】(1)
【解説】電機子回路の抵抗を無視するので,誘導起電力;Eaは電源電圧に等しい.
界磁電流一定,回転速度一定ならば,誘導起電力も一定である.
電機子電流;Ia=50[A]を流したときの出力は,
P=ωT=Eaa=520×50[W]
∴T=P/ω=520×50/{2π×(1200/60)}=206.9[N・m]

【機械−1−B4】
定格電圧6600[V],定格出力6000[kVA]の三相同期発電機において,励磁電流200[A]に相当する無負荷端子電圧は6600[V]であり,三相短絡電流は800[A]である.この発電機の(ア)短絡比および(イ)同期インピーダンス[Ω]の正しい値の組み合わせはつぎのどれか.
(1)(ア)0.66(イ)4.76
(2)(ア)0.66(イ)7.26
(3)(ア)0.66(イ)11.1
(4)(ア)1.52(イ)4.76
(5)(ア)1.52(イ)11.1
【答】(4)
【解説】(ア)定格電流;IN=6000×103/(√3×6600)=524.86[A]
短絡比=三相短絡電流/定格電流(三相短絡電流が定格電流の何倍に当たるかが短絡比である。)
S=ISN=800/524.86=1.524[pu]
短絡比と単位法表示同期インピーダンスは互いに逆数関係にある.S[pu]=1/KS=1/1.524=0.656[pu]
1[pu]すなわち,100[%]に当たるインピーダンス;ZNは,
N=EN/IN=(6600/√3)/524.86=7.26[Ω]
したがって,同期インピーダンスは,
S[Ω]=ZS[pu]×ZN[Ω]=0.656×7.26[Ω]=4.76[Ω]
あるいは,三相短絡電流;IS=EN/ZS=800[A]より,
S=(6600/√3)/800=4.76[Ω]としても求められる.

【法規−1−A1】
最大使用電圧6900[V]の三相同期発電機を新設し,既設の受電キュービクルまでケーブルで配線した.「電気設備に関する技術基準」に基づいて絶縁耐力試験を直流で行う場合の試験電圧は,発電機部分については(ア)[V],ケーブル部分については(イ)[V]である.
上記(ア)および(イ)の値を正しくこの順に並べているのはつぎのうちのどれか.
(1)10350,10350
(2)16560,16560
(3)16560,20700
(4)20700,16560
(5)20700,20700
【答】(3)
【解説】6.6[kV]系の直流絶縁耐力試験の試験電圧は,
回転機の場合は,最大使用電圧×1.5×1.6=6900×1.5×1.6=16560[V]
ケーブルの場合は,最大使用電圧×1.5×2=6900×1.5×2=20700[V]

【法規−1−A2】
最大使用電圧が6900[V]の三相3線式電路があり,3線一括の対地静電容量が0.15[μF]であった.この電路について3線一括で交流絶縁耐力試験を行った場合の対地充電電流[A]の大きさとして正しいのはつぎのどれか.ただし,周波数は60[Hz]とする.
(1)0.19
(2)0.29
(3)0.39
(4)0.49
(5)0.59
【答】(5)
【解説】6.6[kV]系では,交流絶縁耐力試験電圧は,最大使用電圧の1.5倍である.
対地充電電流;IC=ωCV=2π×60×0.15×10-6×10350=0.585[A]

【法規−1−A3】
つぎのうち,自家用電気工作物設置者が,電気関係報告規則により,通商産業大臣または所轄通商産業局長に対して報告する必要がないものはどれか.
(1)電気火災事故が発生した場合
(2)発電所を廃止した場合
(3)需要設備の最大電力を400[kW]から700[kW]に変更した場合
(4)主要電気工作物の損壊事故が発生した場合
(5)電気事業者に対し供給支障事故を発生させた場合
【答】(3)
【解説】最大電力変更届の取り扱いは,過去において何回か変わってきたが,現時点においては,最大電力が1000[kW]をまたいで変わる場合だけ届出が必要とされている.

【法規−1−B1】
定格容量50[kVA],一次電圧6600[V],二次電圧105/210[V]の単相変圧器に接続する単相3線式低圧架空電線路がある.「電気設備に関する技術基準を定める省令」によれば,この低圧架空電線路の1線当たりの絶縁抵抗値は何Ω以上でなければならないか.正しい値をつぎから選べ.
(1)440
(2)880
(3)1320
(4)1760
(5)3530
【答】(2)
【解説】漏洩電流は最大供給電流の1/2000以下でなければならない.また,絶縁抵抗値は対地電圧/漏洩電流である.
最大供給電流;IM=二次定格電流=50×103/210=238.1[A]
漏洩電流;Ig≦IM/2000=238.1/2000=0.119[A]
絶縁抵抗値;Rg≧105/0.119=882[Ω]
【参考】問題の条件が,
(1)定格容量50[kVA],6600/210[V]の単相変圧器(210[V]専用器)の場合には,最大供給電流および漏洩電流は同じで,対地電圧が210[V]であるから,
絶縁抵抗値;Rg≧210/0.119=1764[Ω]
(2)定格容量50[kVA],6600/210[V]の三相変圧器の場合には,
最大供給電流;IM=50×103/(√3×210)=137.5[A]
漏洩電流;Ig≦137.5/2000=0.0687[A]
絶縁抵抗値≧210/0.0687=3057[Ω]
となるので,よく比較検討されたい.

【法規−1−B2】
電線にケーブルを使用する6,600[V],50[Hz]の三相3線式電線路がある.このケーブルの1線と大地との間の静電容量は0.1[μF]である.「電気設備に関する技術基準を定める省令」に基づいて交流による絶縁耐力試験を行う場合に,試験装置の所要最低容量[kVA]はつぎのどれか.ただし,電圧の印加は3線一括で行うものとする.
(1)12.1
(2)10.0
(3)5.4
(4)4.5
(5)3.3
【答】(2)
【解説】3線一括対地静電容量=0.1×3=0.3[μF],
試験電圧;VT=(6600/1.1)×1.15×1.5=10350[V]
対地充電電流;IC=ωCVT=2π×50×0.3×10-6×10350=0.9755[A]
対地充電容量;PC=ICVT=0.9755×10350=10096[VA}=10.096[kVA]
【参考】公称電圧6600[V]の線路の末端の電圧は,およそ10[%]の電圧降下を考慮すれば,6600/1.1=6000[V]と考えられる.これに対し,電源端付近の電圧はこれの約15[%]増しの6000×1.15=6900[V]と考えられる.このような根拠で高圧系の最大使用電圧を6900[V]に定めている.最近の高圧配電線の運用では,需要家電圧が,6400〜6800[V]程度である場合が多いが,最大使用電圧の見直しは敢えてする必要がないという考えである.
【法規−1−B3】
変圧器により高圧電路に結合されている低圧電路に施設された定格電圧200[V]の三相誘導電動機のケースに地絡事故が発生した場合,ケースの対地電圧は最大何ボルトになるか.正しい値をつぎから選べ.ただし,つぎの条件によるものとする.
(ア)電路には,高低圧混触時に,1秒を超え2秒以内に高圧電路を自動的に遮断する装置が設けられている.
(イ)変圧器の高圧側電路の1線地絡電流は10[A]で,B種接地抵抗値は「電気設備の技術基準を定める省令」で許容される最高限度の1/3に維持されている.
(ウ)変圧器はΔ−Δ結線で,二次側線間電圧は200[V]で,二次側一端にB種接地工事を施してある.
(エ)三相誘導電動機のケースに施したD種接地工事の抵抗値は20[Ω]である.
(1)50
(2)80
(3)100
(4)114
(5)133
【答】(5)
【解説】

動作時間が1秒を超え2秒以内の地絡遮断装置が設置されているので,B種接地工事の接地抵抗上限値は,
BMAX=300/10=30[Ω]
実際のB種接地抵抗値は,
B=30/3=10[Ω]
ケースの対地電圧が最大となるのは,ケッチ側電線がケースに完全地絡したときである.このときの等価回路は図のようになり,ケースの対地電圧は,
V=200×(20/30)=133[V]
になる.
あるいは,図中のI[A]は,
I=200/(RB+RD)であることより,
V=RDI=200×RD/(RB+RD)=133[V]としてもよい.

【法規−1−B4】
公称電圧6.6[kV]の変電所の母線に接続されたこう長(1回線換算)が100[km]の三相3線式中性点非接地式配電線路がある.この配電線は,地中電線路の部分が30[km],その他の部分が高圧絶縁電線を使用した架空電線路で構成されている.この配電線路に接続されている柱上変圧器の低圧側に施設するB種接地工事の接地抵抗値は何オーム以下でなければならないか.正しい値をつぎから選べ.ただし,変電所引出口の遮断装置は,高低圧混触時に1秒以内に自動的に高圧電路を遮断する能力を有しているものとする.

(参考式)
                 V                  V
                −−L −100      −−L’−1
                 3                  3
      I1=1+−−−−−−−−− +−−−−−−−−
                    150                2           

(1)36
(2)27
(3)18
(4)9
(5)5
【答】(3)
【解説】参考式において,V=6.6/1.1=6[kV],L=70×3=210[km](架空線の電線延長),L'=30[km](ケーブルの線路延長)である.
第2項={(6/3)×210−100}/150=2.133[A]
第3項={(6/3)×30−1}/2=29.5[A]
1線地絡電流=第1項+第2項+第3項=1+2.133+29.5=32.633→33[A]
動作時間1秒以内の地絡遮断装置が設置されているので,B種接地抵抗値は,
B≦600/33=18.2[Ω]
【参考】1線地絡電流の計算式は,経験式(多くの測定実績から作られた計算公式)である.その計算処理として,「@第2項および第3項が負になる場合は0とする.A計算結果の小数点以下の端数は切り上げる.B2[A]以下になる場合2[A]とする.」とされている.また他に「B種接地抵抗値は5[Ω]未満になることを要しない.」とされている.



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