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『トピックスの履歴』
『トピックス−2000/10』
デシベル[dB](decibel)とは?
【平成12年電験第3種国家試験-理論-問7】
次のようにブロック図で示す2つの増幅器を縦続接続した回路があり,増幅器1の電圧増幅度は10である.いま.入力電圧viの値として0.4[mV]の信号を加えたとき,出力電圧voの値は0.4[V]であった.増幅器2の電圧利得[dB]の値として,正しいのは次のうちどれか.
(1)10
(2)20
(3)40
(4)50
(5)60
【解答】(3)
【解説】
「デシベル」について順を追って説明する.デシベルを理解するには,次に述べる「指数」および「対数(たいすう)」を学習する必要がある.
(1)[指数](index)
ある数aをn回かけた数をanと書き,aのn乗という.このnを指数(index;インデックス)という.
指数の性質として,
@aman=am+n
Aam/an=am-n
B1/an=a-n
C(am)n=amn
などがあげられる.
また,n乗してaになる数をaのn乗根といい,n√aと書く.
[n√a=a1/n]
an自体が意味を持つためのaの定義域(正数,実数または複素数)は,nの性質により異なってくるが,ここでは,後の「対数」との関連でa>0の条件で考えるものとする.
(2)[対数](logarithm)
an=N(a>0,a≠1)のとき,指数nをaを底(てい)とするNの対数(たいすう)といい,
n=logaNと書く.このとき,Nを対数nの真数という.
対数の性質として,(a>0,a≠1;M>0,N>0とする.)
@logaa=1,loga1=0
AlogaMN=logaM+logaN
Bloga(M/N)=logaM−logaN
ClogaMp=plogaM
DlogaM=(logbM)/(logba)
logba=1/(logab)
EalogaM=M
などがあげられる.
とくに,底が10の対数を常用対数(common-logarithm),底がe=2.718281828…の対数を自然対数(natural-logarithm)という.
log10Mを底を省略してlogMと記す場合がある.
また,logeMをlnMと記すことがある.(l=logarithm,n=naturalの意)
ここまでの知識を前提に「デシベル」について説明する. 特に,電子工学,通信工学あるいは自動制御の分野において,信号のレベルを比較するときに,デシベル(dB)がよく使われている.
いま,出力信号の入力信号に対する倍率(利得)をNとすると,
N=So/Si
デシベルを次のように定義する.
dB=20log10N
たとえば,入力電圧1[V]で,出力電圧100[V]であったとすれば,
dB=20log10(100/1)=20log10102
=2×20log1010=40×1=40[dB]
となる.
なぜ係数を20にしたのかは,dBの単位を定めた人に聞かないと分からないが,例えば,信号レベルが2倍になった場合には,
20log102=20×0.3010=6.02[dB],
1/√2になった場合には,
20log10(1/√2)=−20log1021/2
=−(1/2)・20・log102=−10×0.3010=−3.010[dB]
のように,取り扱いやすい数値にしたものとおもわれる.(1/√2⇔3[dB]ダウンは常識?)
ここで,注意すべきは,「電力レベル」を比較する場合には,
dB=10log10(Po/Pi)
であり,倍数の20が10になっていることである.
これは,P=VI=ZI2=V2/Zであり,最初から2乗要素が入っているからである.
デシベルは,電験3種においても「理論」だけではなく,「機械」の「自動制御」にもよく使われるので十分理解されたい.
【問題の解説】
増幅器1の利得は10であるから,増幅器1の出力(増幅器2の入力)は,0.4[mV]×10=4[mV]であり,増幅器2の利得は,
0.4[V]/4[mV]=400[mV]/4[mV]=100
である.したがって,増幅器2の電圧利得(dB値)は,
dB=20log10100=20log10102
=20×2×log1010=20×2×1=40[dB]
である.