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日々配信される生命科学関係のnewsのなかで興味のある項目を
週一程度の割合で掲載する予定です。


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2000年

2001年 1月 第1週, 第2週, 第3週, 第4週

2001年 2月 第1週, 第2週
2001年  3月
2001年  4月
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2月 第2週
010211 <ヒトゲノム>解読結果を公開 遺伝子数推定下回り3万〜4万個
 人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)の解読を進めてきた米国のバイオ企業「セレラ・ジェノミクス」と、日米欧政府機関の出資による「国際ヒトゲノム計画」の研究成果が10日、同時公開された。遺伝子の数が従来の推定の約10万個をはるかに下回る3万〜4万個で、ショウジョウバエの2倍しかないことが分かるなど、ゲノムの全体像が初めて明らかにされた。解読データは無料で研究者に提供され、遺伝子と病気との関連の研究、新しい治療法や薬剤の開発に結びつくと期待される。

 研究論文はセレラ社が16日発行の米科学誌「サイエンス」、国際チームが15日発行の英科学誌「ネイチャー」に掲載する。

 セレラ社は染色体を小さな断片に切断して塩基配列を読み取り、コンピューターで順番通りに並べる「全ゲノムショットガン」という手法を駆使し、国際チームに先駆けて約29億の塩基対を解析した。分析の結果、確実に遺伝子と見なせる配列は2万6383個で、遺伝子の可能性のある配列1万2731個を加えても4万個に満たないことが分かった。同社は3万個程度だと見ている。

 一方、国際チームは染色体断片の染色体上の位置を決めてから、それぞれの塩基配列を読み取る「階層的ショットガン」で解読した。遺伝子は3万〜4万個と推定している。
     2チームのヒトゲノム解読の違い

           (国際チームの資料などから)

         国際チーム        セレラ社
調べた塩基対数  28億8000万     29億1000万

決定した塩基対数 27億2450万     26億5400万

解析手法     階層的ショットガン    全ゲノムショットガン

遺伝子数     3万〜4万        2万6000〜3万
9000
データの精度   全体の3割が99・99% 平均99・96%
         0・6%の位置不確定   8・7%が位置不確定

 遺伝子数が予想外に少なかったことについて、セレラ社と国際チームは「1個の遺伝子が1個のたんぱく質をつくるのではなく、数多くのたんぱく質をつくっている」と分析している。

 セレラ社は解読データをサイエンス誌を通して、研究者に無料で公開する。企業の利用には、登録制など一定の条件を設けた。国際チームは無条件に公開する。

 ヒトゲノムの解読がほぼ終了し、今後、このデータを用いた遺伝子の機能の解明や臨床応用が課題になる。それぞれの論文では、がん遺伝子や免疫と遺伝子との関連などについて、専門家が詳しく分析している。
< 毎日新聞ニュース速報>

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010208 <遺伝子解読>マウスのたんぱく質製造の1万5200個 理化学研究所
 文部科学省の特殊法人「理化学研究所」(本所・埼玉県和光市)は、マウスについて、新発見の約1万2400個を含む約1万5200個の遺伝子の解読に成功し、8日発行の英科学誌「ネイチャー」に掲載した。今回解読したのは、遺伝情報が整理されて細胞内の「たんぱく質の工場」に運ばれる直前の「設計図」に相当する。このため従来のデータより実用度が高く、新しい薬や治療法の開発に直接つながる可能性があるという。同研究所は成果をインターネットでも公開し、生命科学研究の「基盤データベース」として役立ててもらう。

 細胞内のたんぱく質製造は、DNA(デオキシリボ核酸)に詰められた遺伝情報を、「mRNA」と呼ばれる情報の運び屋がコピーし、必要な部分を整理した上でたんぱく質の工場「リボソーム」に伝える――という仕組み。研究グループはmRNAに集約されている「設計図」を、おおもとのDNAの形(完全長cDNA)に作り直し、分析に取り組んでいた。

 マウスの遺伝子は4〜10万個あるといわれる。今回解読したのは、優先的に解析を進めた約1万5200個の遺伝子で、うち8割の1万2400個が新発見だった。さらに、このうちの約8200個は、ほ乳類全体でも未発見の遺伝子だった。新発見の遺伝子の中には、生物が母胎内で体を構成する発生の段階で働いたり、がんの増殖・抑制などに関与するらしい遺伝子も見つかっているという。

 マウスは遺伝情報がヒトとほとんど同じで、今回のデータを有効活用すれば、ヒトの病気を再現するマウスを効率的に作れる。どんなたんぱく質が体内で製造され、どう働くかという生体のメカニズム解明にも役立つ。同研究所では来年、残る遺伝子のうち5万個前後の分析を終えて公開したい、としている。 
< 毎日新聞ニュース速報>

これまでに解読したマウスの遺伝子の情報は、きょう発行されるイギリ スの科学雑誌「ネイチャー」に掲載されるほか、「理化学研究所」のホームページでもきょうから公開される。
 ホームページ http://www.gsc.riken.go.jp/e/FANTOM/
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010208 筋肉をつくる物質を発見 1世紀前の予想を実証 東工大助教授
 海にすむホヤの卵の中にあると約百年前に予想されていた筋肉を つくる物質を東京工業大の西田宏記・助教授(発生生物学)と沢田 佳一郎研究員が見つけ、八日付の英科学誌ネイチャーに論文を発表 した。
 「筋肉決定因子」と呼ばれる、こうした物質が見つかったのは初 めて。西田さんは「他の動物でも同じ仕組みが働いているのではな いか」と話している。
 西田さんらが調べたのは食用にされるマボヤの卵。直径約○・二 五ミリの卵が分裂し、三十五時間ほどで約三千個の細胞から成る体 長一・五ミリ前後のオタマジャクシのような幼生になる。
 筋肉決定因子はmacho―1という遺伝子のメッセンジャーR NA(リボ核酸)で、分裂前の卵の四分の一を占める部分に偏在す る。この部分から幼生の尾の筋肉ができる。
 この物質を壊すと、筋肉のない幼生になった。逆にこの物質を合 成して卵に注入すると幼生は筋肉の塊になり、この物質が確かに筋 肉決定因子であることが分かった。
 macho―1は「いわば筋肉をつくる元締めの遺伝子」(西田 さん)。それがつくるタンパク質は、筋肉形成に関連する他の遺伝 子に働きかけて、タンパク質合成を促すとみられる。
 西田さんは「ホヤは人間など脊椎(せきつい)動物に極めて近い 動物。細胞の数が多いため、脊椎動物で同様の研究をするのは難し いが、同じ仕組みで筋肉が形成されるのではないか」と語った。
< 共同通信ニュース速報>

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010208 遺伝子組み換え作物、自力で育たぬ“もやしっ子
 除草剤や害虫に耐えるよう遺伝子を組み換えた作物も、自然環境では自力で育つ能力がなく、数年でほとんどが死滅してしまうことが、英ロンドン大学インペリアル・カレッジの研究者の十年間にわたる栽培試験でわかった。
 遺伝子組み換え(GM)作物については、天然植物の生息地を侵食したり、勝手に交配したりして、自然環境を乱す要因になるとの懸念もあるが、それを覆す結果となった。八日発行の英科学誌ネイチャーに発表される。
 セイヨウアブラナとテンサイ、トウモロコシ、ジャガイモの四つについて、それぞれGM、非GM作物を英国内の十二か所で一九九〇年から栽培し、経過を観察した。その結果、四年以内で、一か所で栽培した非GMのジャガイモを除き、すべてが死滅した。
 研究者たちは、乾燥に強い性質を持つなど、今後登場が予想される新たなGM作物も同様の「弱さ」を持つかどうかは、栽培してみないとわからないとし、GM作物すべての安全性を立証した研究ではないことを強調している。
<読売新聞ニュース速報>

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2月 第1週
010202 黄色ブドウ球菌のゲノムを解読、公開へ
 経済産業省は1日、傘下の製品評価技術センターが食中毒や院内 感染を引き起こす黄色ブドウ球菌の全遺伝情報(ゲノム)を解読し 終え、4月末にも世界で初めて一般に公開することを明らかにした 。黄色ブドウ球菌は抗生物質が効かなくなるメチシリン耐性黄色ブ ドウ球菌(MRSA)のもとになるため、日米欧の研究機関がゲノ ム解読に乗り出している。今後、ゲノム情報をもとに黄色ブドウ球 菌の検出がしやすくなるほか、MRSAができる原因解明や治療薬 の開発につながることが期待されている。
 製品評価技術センターはデオキシリボ核酸(DNA)の塩基配列 を高速に大量解析できるシステムを独自に開発し、昨年7月から順 天堂大学などと共同でゲノム解読を進めてきた。
 同センターによると、黄色ブドウ球菌のゲノムは約280万個の 塩基で構成されている。線状に伸びている人などのゲノムと違い、 リング状の環状ゲノムという形を利用して増殖を繰り返す。その過 程で「メチシリン」などの抗生物質に耐性を持つ遺伝子を取り込み 、MRSAに変わるという。
 同センターは今後、ゲノムに含まれる二千数百の遺伝子の配列を 見つけ出し、ゲノム情報とともに4月末以降にインターネットで無 料公開する。これらの情報を公開することで、大学や官民の研究機 関でMRSAを生み出すメカニズムの研究や治療薬の開発に役立て て欲しいとしている。
 黄色ブドウ球菌が持つ毒素は、昨年起きた雪印乳業の製品による 食中毒事件など食中毒の原因になる。さらに、黄色ブドウ球菌をも とにできるMRSAは各地の病院で院内感染を引き起こしている。 これらの対処法を見つけ出すため、米国のゲノム研究所(TIGR )や英国のサンガーセンターなどがゲノム解読を進めている。昨年 末に米ベンチャー企業が解読し終えたと宣言したが、内容は明らか にされていない。
 製品評価技術センターは経済産業省の技術専門機関で、製品事故 の防止のための研究のほかバイオ技術の研究開発、DNA情報デー タベースの提供などもしている。
< 朝日新聞ニュース速報>

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010201 細胞核は古細菌の共生から ゲノムの比較で解明
生物細胞の核は古細菌が共生して誕生したことを、日本の研究グ ループが遺伝情報(ゲノム)の比較で解明し、一日発行の米科学誌 ネイチャー・セル・バイオロジー二月号に発表した。
 研究グループは群馬大工学部の篠沢隆雄教授と大学院生の堀池徳 祐さん、浜田一男さん、山形大工学部の金谷重彦助教授。人も含む 真核生物の起源に迫る成果として注目される。
 篠沢教授らは、大腸菌や枯草菌など真正細菌九種類と、古細菌六 種類を、酵母のゲノムと比べた。ゲノム中でよく似た遺伝子がどれ だけあるかを判定する「相同性ヒット解析法」を独自に開発して使 った。
 比較した微生物計十六種類はすべて単細胞。真正細菌や古細菌は 核がないのに対し、酵母は核があり、真核生物に属する。
 解析の結果、約六千個ある酵母の遺伝子のうち、細胞核に関連す る遺伝子群は古細菌に似ていた。代謝や解毒、輸送など細胞質の機 能に関する遺伝子群は真正細菌と相同性が高かった。
 それぞれ大量の遺伝子がそっくり似ており、進化の途中で遺伝子 が何度も交換されたとする「水平移動」説では説明できなかった。  このため、研究グループは「古細菌が真正細菌に共生して細胞核 となり、モザイク状の真核生物が生まれた」と結論づけた。
 真核生物の起源は進化論の大問題の一つだが、個々の遺伝子の比 較では結論が出ず、混乱していた。篠沢教授は「ゲノム解析で分か った遺伝子全体を比較したのがよかった。決定的証拠と思う」と話 している。
< 共同通信ニュース速報>

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1月 第4週
010125 まいたけ栽培のおがくずからアルコール燃料 共同研究へ
 農水省と雪国まいたけ(本社・新潟県六日町)は、まいたけ栽培 で使った後のおがくずからアルコール燃料を作る研究を共同で始め る。約10億円をかけて技術開発を進め、5年後の実用化を目指す 。農水省が農業廃棄物などの生物資源(バイオマス)の実用化に乗 り出すのは初めて。バイオマスによる燃料や物質の生産は二酸化炭 素(CO2)の排出削減につながるため、欧米では実用化が進んで いる。
 まいたけ栽培後のおがくず(廃菌床)を微生物などを使って糖に 変える。さらに酵母によって発酵させて「エタノール」に変える技 術を開発する。
 雪国まいたけでは1日に約200トンの廃菌床が出ており、現在 は焼却したり、肥料にしたりしている。農水省は来年にもミニプラ ントをつくって技術開発を進め、5年後をめどに廃菌床からエタノ ールを作り出す。
 バイオマスはほかに、稲わらやサトウキビの搾りかす、廃材など の植物系廃棄物や家畜のふん尿などの畜産廃棄物があり、これらを 微生物などを使って分解し、アルコール燃料などに結びつける。米 国では次世代のエネルギーやプラスチックの原料として開発を進め ている。日本でも今年から農水省のほか、経済産業省や民間企業で の研究が本格的に始まる。
<朝日新聞ニュース速報>

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010125 <特報・イネゲノム>米国のバイオ企業が全塩基配列を解読
 米国のバイオ企業の「ミリアッド・ジェネティクス」と「シンジェンタ」は26日、イネのゲノム(全遺伝情報)の全塩基配列を解読したと発表した。穀物のゲノムが解読されたのは初めてという。イネゲノムの解読は日本の農林水産省農業生物資源研究所が中心となって、欧米、アジアなど11の国・地域が国際コンソーシアムを作って解析を進めており、民間対「公的機関」の間で、データの公開や特許などをめぐり摩擦を生じる可能性がでてきた。

 イネゲノムは4億3000万塩基対の遺伝暗号文字からなり、約5万個の遺伝子を含むと予測される。日本人の主食であることなどから、日本政府が解読に力を入れ、米国、中国などと共同で国際協力による作業を進めてきた。

 国際コンソーシアムは2004年に主要な遺伝子の正確な塩基配列の決定を終了する予定で、これまでに全イネゲノムの5%から6%を正確に解読、やや精度の落ちる結果を含めると1割の解読を終了している。

 ミリアッドなどの発表文によると、今回解析されたイネゲノムの地図は全体の99・5%以上をカバーしており、解読の速度は、ヒトゲノムを1年で読み終わる速度に匹敵する。解読データは契約により、世界の研究者に提供するという。

 イネゲノムの解読を進めている農水省農業生物資源研究所の肥後健一・分子遺伝部長は「データがどの程度の精度のものなのかなど、中身がわからず、評価できない。特許などに影響が出るかどうかは、シンジェンタなどがこれまでどのような研究を進めてきたかによる」と話している。
<毎日新聞ニュース速報>

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010125 <花遺伝子>岡山の研究所が特定 「花は葉からできる」証明
 岡山県生物科学総合研究所の後藤弘爾・遺伝子統御解析研究室長(40)=植物発生遺伝学=が、花(花器官)を作り出すのに不可欠な遺伝子を突き止め、実際に葉から花を発生させることに世界で初めて成功した。後藤室長は「遺伝子の組み合わせで花の形などを変化させることが可能で、より商品価値の高い植物の生産が可能になる」と話している。研究の成果は、25日発行の英国の科学雑誌「ネイチャー」に掲載される。
 花を形成する遺伝子は3種類(ABC遺伝子群)あり、花芽にあるこの遺伝子の働きを化学物質でストップさせると、花が葉に戻ることは既に確認されている。しかし、ABC遺伝子群をどう組み合わせても葉から花を作り出せないため、後藤室長は花形成の条件として新たな遺伝子が存在すると仮定、シロイヌナズナを使って研究した。
 後藤室長は、シロイヌナズナ遺伝子のうち、既に存在が確認されながら役割が分からなかった遺伝子「SEP3」に注目。ABC遺伝子群と組み合わせたところ、シロイヌナズナの葉を花びらや雄しべ、雌しべに転換させることに成功した。

 岡田清孝・京都大大学院理学研究科教授(植物分子遺伝学)の話 植物は根、茎、葉という基本構造から形成されており、葉の突然変異体が花だと言われていたものの、これまでそれを証明する材料はなかった。今回、SEP3遺伝子の機能を特定したことでその説が初めて証明された。その意義は大きい。
<毎日新聞ニュース速報>

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010123 O157のゲノム解読、阪大微生物病研など
 大阪大、宮崎医科大、北里大の共同研究陣は二十三日、大阪府堺市で一九九六年夏、感染者九千五百人を出した腸管出血性大腸菌「O(オー)157」の全遺伝情報(ゲノム)の解読を終えたと発表した。特有の強力な病原性の多くが、ウイルス(ファージ)感染によって持ち込まれた遺伝子によることが判明。今後の診断や治療に役立つとしている。
 O157堺株の遺伝情報は、その文字(塩基対)にして計約五百六十万個。普通の大腸菌に比べ約20%多かった。堺株に特有の遺伝子は千六百三十二個で、病原性関連遺伝子は百三十一個あった。感染したファージの遺伝子の断片も残っていた。感染していたファージは十八種類以上で、堺株特有の遺伝子の少なくとも半数はファージのものと見られる。  腎不全や脳症などの重い症状が現れることもある溶血性尿毒症症候群(HUS)などの主な原因となるベロ毒素以外に、様々な毒素の遺伝子があった。
 研究リーダーの品川日出夫・大阪大微生物病研究所教授(分子生物学)は、「O157が病原性を獲得した過程を推測できる。米国で中毒を起こしたO157株のゲノムと比較するなど研究を進め、感染の仕組みを解明したい」と話している。
<読売新聞ニュース速報>
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1月 第3週
010113 パーキンソン病の遺伝子治療に成功
 運動障害などが起きるパーキンソン病の症状を遺伝子治療で改善することに、自治医大の小沢敬也教授や国立感染症研究所筑波医学実験用霊長類センターなどの研究チームが、サルを使った実験で成功した。
 パーキンソン病は脳の特定の部位でドーパミンと呼ばれる物質が不足する。研究チームはドーパミンを作り出す三種類の酵素の遺伝子をウイルスに組み込み、パーキンソン病を起こさせたサルの脳に注射。二〜三週間後には、組み込んだ遺伝子がドーパミンを作り出し、手でエサが取れるほどに症状が改善した。副作用は見られないという。
 国内でのパーキンソン病の患者は千人に一人と言われ、薬物治療で症状を軽減できるが、根本的な治療法は見つかっていない。
<読売新聞ニュース速報>

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010112 人間の「体内時計」遺伝子発見か=ある家族で特定−米学者グループ
 人間の体内時計をつかさどるとみられる遺伝子を米ユタ州の研究グループが初めて特定し、12日発行の米科学誌サイエンスに発表した。研究が進めば、時差ぼけ解消や自動車運転中の居眠り予防、不眠症の治療などに役立つ可能性があるという。
 ハワード・ヒューズ医療研究所のルイス・プタセク博士らは、ユタ州に住むある家族が夜7時ごろになると寝てしまい、午前2時ごろには目覚める症状に悩まされているのを知り、この家族の遺伝子を調査した。その結果、ある共通の遺伝子が突然変異を起こしていることを発見。突然変異を起こすとショウジョウバエやマウスの生活リズムを狂わせてしまうことで知られる遺伝子と塩基配列が似ていることから、この遺伝子が人間の「体内時計」を支配している可能性が高いとの結論に達した。ただし、同様の症状を示す別の家族では、この遺伝子に突然変異が見られなかったため、「さらなる研究が必要だ」とプタセク博士は述べている。
  [時事通信社]

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010112 「<遺伝子組み換え>米でサル誕生 霊長類初、難病研究に弾み
 遺伝子を組み換えたアカゲザルを誕生させることに米オレゴン健康科学大の研究グループが成功し、12日発行の米科学誌「サイエンス」に発表した。遺伝子組み換え霊長類の誕生は世界で初めて。アルツハイマー病やエイズなどの難病の治療法開発に役立つと期待されている。

 成功したのは同大オレゴン地域霊長類研究センターのジェラルド・シャテン博士などのグループ。同グループは昨年1月の同誌で、受精卵の分割による方法で誕生させた初のクローンサル誕生を発表している。

 同グループは、遺伝子の組み換えが成功したかどうかを調べるための遺伝子である「標識遺伝子」を、ウイルスを改変したベクター(遺伝子の運び屋)を使い母ザルの卵子に注入した。その卵子に、父ザルの精子を注入した。

 224回の体外受精でできた受精卵40個を、20匹の代理母に移植したところ、5匹が妊娠した。2匹は死産だったが、3匹が無事に生まれた。このうち昨年10月2日に生まれた「ANDi(アンディ)」だけに注入した遺伝子が組み込まれていると判定された。

 同グループの研究目的はネズミよりもずっとヒトに近い遺伝子を持つサルで遺伝子組み換えを実現し、病気の新治療法を開発することにある。シャテン博士は「病気の原因遺伝子を入れたサルを誕生させて研究することにより、アルツハイマー病のワクチン開発などを促進することができる」と話している。

 山海直・国立感染症研究所主任研究官(サル類発生工学)の話 人間に応用できる医学実験は、同じ霊長類でなければできないことが多い。アルツハイマー病の研究には脳の構造が近い動物での実験が重要だし、霊長類はマウスなどより寿命が長いので高齢特有の病気の研究もできる。サルの遺伝子組み換えは、受精卵の発生が体外ではすぐに止まってしまうなどの難点があって、これまでできなかった。今回の成功は将来、さまざまな遺伝子治療に道を開くだろう。
<毎日新聞ニュース速報>

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1月 第2週
010109 「抜け毛抑制因子」を活発化させる物質探しへ
 抜け毛を抑制する遺伝子とその働きを、経済産業省生命工学工業技術研究所とポーラ化成工業中央研究所が共同研究で解明した。従来の育毛剤は毛根に栄養を与えたり、頭皮の毛細血管を拡張させるタイプのものだった。研究はその遺伝子の働きを活発化させる物質を探している段階だが、養毛剤が実用化されれば、毛髪に悩む人への朗報となりそうだ。
  
★増殖因子・FGFー5

 今回明らかになったのは、血管育成作用や食欲抑制作用があるたんぱく質・線維芽細胞増殖因子(FGFー5)を作る遺伝子とその働きだ。
 人間の体は一つの細胞(受精卵)から始まり、その細胞が増殖・分化して出来上がる。それを制御しているのが増殖因子と呼ばれるたんぱく質で、増殖因子は生命現象の解明に非常に重要であるため、機能やメカニズムの研究が積極的に進められている。FGFもその一つで、「fibroblast growth factor」の頭文字を取ったもの。FGFー5は5番目に見つかったことから名付けられた。

 FGFー5と毛の関係では、1994年、米のカリフォルニア大の研究グループが、FGFー5を作る遺伝子をつぶしたマウスが、遺伝子の片方だけをつぶしたマウスに比べて、明らかにフサフサの長い毛がはえることから、FGFー5に毛の成長を阻害する機能があることを実証した。
★二つの増殖因子が関与

 両研究所は、長毛マウスの研究結果を、人間の毛髪に生かせないかと研究を始めた。
 ほ乳類の毛は、1つの毛穴から毛が生えては抜けるという周期性がある。毛の根元の成長器官・毛包と毛が成長する成長期から毛包が退縮する停止期を経て、毛が抜けるという周期だ。FGFー5を作る遺伝子からは、FGFー5だけではなく、もうひとつFGFー5Sというたんぱく質も作られることが分かり、二つがどのように毛の成長に関わっているのかを調べた。

 実験は、FGFー5、FGFー5S、FGFー5とFGFー5Sの両方、生理食塩水をそれぞれ皮下投与したマウスの毛包の状態を観察した。
 その結果、(1)FGFー5を投与したマウスは毛の成長期を通じて、FGFー5S、生理食塩水を投与したマウスに比べ、毛包が委縮する(2)FGFー5Sだけを投与しても毛の成長に影響はなかったが、FGFー5と同時に投与すると、毛包の委縮を明らかに阻害するーーことが分かった。

 また、これまでの研究では、FGFー5を放出するFGFー5生産細胞は、毛の停止期に脂肪層に集まる一方、FGFー5Sは毛の成長期の後半、毛包内に大量に現れることが明らかになっていることから、次のようなメカニズムを解明した。

 毛の成長はFGFー5とFGFー5の両者の働きによってコントロールされいる。毛の成長期の後半、FGFー5Sが毛包内で大量に作られ、毛を停止期に移行させるFGFー5の機能を抑制する。停止期に入ると、FGFー5Sが激減する一方、FGFー5生産細胞が脂肪層に集まり、FGFー5を放出、毛の成長点である毛乳頭を攻撃、毛包を退化させ、やがて手が抜けるという仕組みだ。

 生命工学工業技術研究所の今村亨・細胞機能研究室長は「ひとつの遺伝子から二つの異なるたんぱく質が作られ、それが相反する機能を持っているというのは非常におもしろい」と話す。FGFー5Sの作用については工業技術研究所単独で特許を取得、これらのメカニズムを使った毛の状態の判定法についてはポーラ化成工業中央研究所と共同で特許を出願中だ。
★候補はみつかった?
 実用化の見通しについて今村室長は「今回の研究成果は、育毛剤としての方向にも、脱毛剤としての方向にも表裏一体で使えるが、いまFGFー5Sの働きを活性化させる物質を天然物質などから探しており、その候補が見つかりつつあるという段階だ」と話す。
 さらに、「FGFー5やFGFー5Sはたんぱく質なので、直接体内に摂取する形での薬品化は副作用という問題を抱える。ただ、将来的には病気で毛が抜けたような場合、副作用はあっても薬として使うプラス面の方が大きいと判断されれば、そういう形で使われる場合が出てくるかもしれない。また、脱け毛には、男性型とかストレス型とかいろいろなタイプがあるが、FGFー5型の脱け毛の研究が進めば、それに対する育毛剤としては非常に有用なものになるだろう」と指摘する。
 育毛剤の実用化には10年以上かかる見通しで、まだ手放しで喜べる段階ではないが、抜け毛に悩む人には少しでも早い実用化が待たれる研究だ。
<毎日新聞ニュース速報>

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1月 第1週
010106 遺伝子断片でも特許権…米が新ガイドライン
米特許商標局は五日、「遺伝子の機能や使途を明確に示せば、たとえ断片であっても特許権を認める」とする新ガイドラインを発表した。米国のバイオテクノロジー関連企業の間では、遺伝子の断片を手当たり次第に特許申請する流れが固まっており、今後、遺伝子解読や特許権確保をめぐる競争にさらに拍車がかかりそうだ。
 新指針によると、特許対象として認められるのは、〈1〉新たな遺伝子のDNA分子〈2〉遺伝子の塩基配列を解読した情報を基に合成したDNA分子――など。遺伝子の完全な塩基配列が不明な断片であっても、診断などへの有用性を明確に示せば特許の対象となる。
 米科学界には、「遺伝子は自然界の存在であり、特許対象となる発明ではない」として特許権認可に反対する声もあった。だが新ガイドラインは、「遺伝子が再生産でき、その機能が利用できるものならば特許権が妨げられるべきではない」とした。
 米企業では、カリフォルニア州のインサイト・ジェノミクス社がヒト遺伝子の断片五万個以上を特許申請して、その一部が認められるなど、遺伝子を特許申請する動きが定着しており、今回の指針が、米国による遺伝子特許の独占につながる可能性も出てきそうだ。
<読売新聞ニュース速報>

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010105 ヒト遺伝子は3万数千個、定説覆す少なさ
 人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)の概要を解読した日米欧などの国際共同チームが四日までに、人間の遺伝子の総数は三万数千個が有力とする解析結果をまとめた。米国の複数の研究者の証言で明らかになったもので、遺伝子の数が定説の約十万個より少なければ、人間の生物としての生命設計図の全体像をつかむことが容易になると期待されている。詳細は来月にも専門誌に発表される。遺伝子数の定説が大幅に見直され、今後の生命科学の研究に大きな影響を与えることになる。
 この解析結果について、国際共同チームを率いてきた米国立ヒトゲノム研究所は、「確かに見積もりより遺伝子の数は少なかった。この数が具体的に何を意味するのか今後、検討していく必要がある」と語った。
 遺伝子は、親から子に引き継がれる遺伝情報のうち、実際に生物の体を構成するたんぱく質を作る部分。その総数を厳密に特定するには、遺伝情報を記載している四種類の塩基と呼ばれる物質の並びをすべて明らかにする必要がある。
 国際共同チームが昨年六月に発表した解読結果は全体の約九割にとどまった。このため今回の解析で遺伝子の総数は「不確定」としている。しかし、すでに解読が完了しているほかの生物の遺伝情報と、コンピューターを使って比較するなどした結果、三万数千個が有力であることがわかった。
 最近の研究で、一つの遺伝子の情報から働きの違う複数のたんぱく質が作られることがわかってきている。遺伝子総数が三万個台でも、そこからできるたんぱく質は三十万種に上り、多様な生命活動を生み出していると見られている。
 遺伝子の総数はほかの生物で、ショウジョウバエが約一万四千個、土の中に住む線虫が約一万八千個、雑草の一種シロイヌナズナが約二万五千個であることが、これまでの研究で明らかになっている。
<読売新聞ニュース速報>

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010104 回転して遺伝情報読み取り DNA転写で働く酵素
DNAの遺伝情報がRNA(リボ核酸)に写し取られる際に働く酵素は、DNAの二重らせん構造に沿ってくるくると回転しながら情報を読み取ることを、東京都臨床医学総合研究所の原田慶恵・生理活性物質研究室長らが光学顕微鏡を使った分析で確認。四日発行の英科学誌ネイチャーに発表した。
 この酵素はDNA上を直線的にではなく、回転して動くとみられていたが、実際に動き方が確認されたのは初めて。転写の仕組みの解明や、遺伝子配列の新しい読み取り技術への応用が期待できるという。
 分析の対象になったのはRNAポリメラーゼと呼ばれる酵素。原田室長らは大腸菌を利用、この酵素を固定した上、目印となる蛍光ビーズを付けたDNAの情報を読み取る様子を光学顕微鏡を使って観察した。
 すると、ビーズは時計回りにくるくると五秒間で一回転していることが判明。この酵素がDNAに沿って回転しながら情報を読み取ることで、ビーズの回転が起きたと結論付けた。
 回転の原動力となっているエネルギーはごく小さいが、ビーズの大きさによる抵抗を受けており、生体内では約○・五秒で一回転するとみられる。一回転すると一○・四塩基分(百万分の三・四ミリ)進んでいる。
 原田室長は「塩基一個レベルでの動きの過程を観察する方法につながる可能性がある」と話している。
<共同通信ニュース速報>

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010103 日本人に多い「軽い肥満」に関わる遺伝子特定 群馬大
日本人によく見られる軽い肥満に関係する遺伝子を群馬大生体調節研究所の武田純教授(糖尿病学)らが突き止めた。太り気味の体質が遺伝するしくみの解明や、肥満を防ぐ生活指導に役立つとみられる。16日付の米科学アカデミー紀要に発表される。  武田教授らは、成人より遺伝要因の影響を受けやすい15歳以下の小中学生を対象に、遺伝子の変異と肥満との関係を調べた。
 その結果、肥満度を示す指標BMI(体重=キロを身長=メートルの2乗で割る)が25を超える肥満の187人のうち、12人(6%)に、SHPという遺伝子について変異が見つかった。
 肥満でない203人には、こうした変異が見つからなかった。変異がある子は生まれた時の体重も重い傾向があり、胎児期から成長に関係しているとみられる。 これまでに欧米の研究者が数種類の肥満遺伝子を見つけているが、いずれもBMIが30を超える深刻な肥満に関連するものばかりだった。日本にはBMI25―30の軽い肥満で悩んでいる人が多い。
 武田教授は「この遺伝子の変異があっても深刻なものではなく、生活習慣病のリスク因子の1つ。食生活改善などで成人後の肥満を防ぐことができる」と話している。
<朝日新聞ニュース速報>
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