外付けハードディスクケース改造記

購入したのはこんなやつ  ハードディスクの容量が残り少なくなったので、大容量のハードディスクと交換してみました。

 PCのケースはスリムケースだったので、新しいハードディスクと今まで使っていたハードディスクは同時に内蔵することはできません。
そこで、今まで使っていたほうをUSB接続できる外付けのハードディスクケースに入れることにしました。

 たまたま安く手に入ったのが左の写真のような外付けハードディスクケースでした。
型番はSI-2163UAというものですが、側面に大きく書いてある「MPD」というのがメーカー名なのでしょうか?
マニュアルを見てもそれらしき記述がないので、たぶんこれがメーカー名なのでしょう。

 メーカー名があいまいな割に、マニュアル1ページ使ってCopyrightについてぐだぐだ書いてあるのは、なんとも奇妙な感じがします。   

 さて、さっそく余ったハードディスクをケースに入れてPCに接続してみました。

 PCがWindowsXPなので、特にドライバーのインストールも必要とせずに自動的にドライブとして認識して動作をさせることができました。

 ・・・・・が、事はそう単純ではありませんでした。ときどきドライブとして認識してくれないのです。やっぱり怪しい製品だけのことはある。
さぁ困った。「ほとんどの場合動作するけれど、たまに動作しないときがある。」こんなのが一番厄介です。
 冷静になってじっくり観察してみると、いくつかの規則性が見つかりました。
  (1)長時間使用した後、電源を切ってすぐに起動すると認識しない。(ACアダプターが熱くなっている)
  (2)認識しないときの状態は、ハードディスクのアクセスランプが1秒間隔ぐらいで点滅し、耳を近づけると「ウィーン、ウィーン」という音がくりかえし出ている。
 どうやらハードディスク自体が「スピンアップ」に失敗しているようです。

 「スピンアップ」とは、ハードディスクの起動時にディスクの回転が規定の回転数になるのを待って、その後ヘッドを所定の位置へ移動する動作のことです。
ところが、所定の時間内にディスクの回転数が規定値に達しない場合、ハードディスク内でリセットがかかります。そしてこれが繰り返されるのです。

 上の「(2)」からスピンアップの失敗と判断し、さらに、「(1)」からACアダプタの発熱による出力電流容量の低下と判断します。
 つまり、原因はズバリ!「ACアダプタの電流容量の不足」でしょう。
  
ケースの背面はこんな感じ
←ハードディスクケースの背面はこんな感じで、一番下に極普通のDCジャックがある。
 4cmのファンが付いているのが唯一の救い。

→ACアダプターの規格は、出力がDC12V2Aの単一出力のみ。
 ハードディスクに必要なDC5Vはハードディスクケース内で12Vから作成している。
ACアダプターの規格は
HDDのスペック    実測サンプル? 
 上の表とグラフは、使用したハードディスクの電源仕様です。
 仕様上では「スピンアップ時」に12Vで2.5A必要とされています。それに加えて5Vも0.75A必要です。
 左のグラフは、あるサンプルの実測値と思われますが、それでも1.5Aを超えています。
 これではACアダプタの電流容量はギリギリで、余裕などまったくありません。

 ちょっと試しに、電源をPC内の12Vから取ってみました。
 スリムケースのPCで、電源も小さいものですが、この程度なら十分取れます。
 何度か起動を繰り返したり、ある程度の時間動作させて見ましたが、まったく問題がないようです。
 やはり、ACアダプターの電流容量不足で確定です。

 原因がはっきりしたところで、その対策ですが、次のような選択肢が考えられます。
  (1)ACアダプタを別のものにする。
    一番素直な発想ですが、\3000程度で購入した製品の価格のうち、その半分以上がACアダプターの価格分のような感じがするので、別途購入するにしても更に\2000くらいはかかりそう。
  (2)PC内から電源を取り出す。
    追加投資は少なくてすみそうだが、PCケースの背面にDCを取り出すようなコネクタが簡単に入手できそうもない。
    別のPCで使用する必要が出てきたときに、別途対策が必要となる。
  (3)付属していたACアダプタを改造する。
    わずかな電圧の上下ならチョットした改造で可能だが、電流容量を増やすのは一般的に大改造になってしまう。
    ただし、今回は常時大電流を必要としているのではなく、起動時のみ電流が不足するので何とかなるかもしれない。

 というわけで、ACアダプタの改造を試みてみることにしました。
ACアダプターの出力回路
 ACアダプターを分解して回路を書き出してみました。これはその一部分です。一般的なスイッチングレギュレータの回路のようです。

 まず、簡単にできることといえば出力電圧を0.5V程度上げることです。
 あらかじめ電圧を上げておけば、起動時の電流によって電圧が下がっても影響が少なくなるのではないかと考えたからです。
 方法は、TL431の入力にある680kと4.7kの並列回路に、さらに100k程度の抵抗を並列に接続すると約0.5V電圧が上がります。
 その結果、どうなったかというと「失敗」です。

 起動時にテスターで電圧を測ってみましたが、12Vをわずかに下回る程度でした(無負荷時は12.4Vくらい)。PC内から電源を取ったときも12Vをわずかに下回る電圧だったのでこれでいけると思ったのですがだめでした。
 電圧の絶対値というよりも、電圧値の変動が影響しているようです。

 やっぱり電流容量を増やさないとだめなようです。

 一般的にはスイッチングレギュレーターにおいて出力電流を増やそうとする場合は、トランスやFET、ダイオードなどを変更しなければなりません。
 ここでは、起動時の短時間のみ少し電流を増やしたいだけなので、これらの部品はそのままで、過電流制限を少し緩くすることにします。
 二次側には過電流を検出する回路がないので、一時側を見てみます。FETの下にある0.5Ωの抵抗がその抵抗です。
 この抵抗を0.3オームくらいに変更して、しばらく様子を見ることにします。

 この改造でしばらく使ってみましたが、起動に失敗することがなくなったので、一応「成功」です。

 【注 意】
  例によって、この改造は危険を伴う部分が多く、スイッチングレギュレータの一時側は感電や発火の危険があるので十分に注意するとともに、この改造を行う場合は、あくまでも各個人の責任において行うこと。
  また、安全装置でもある電流制限を緩くするということは、万が一のときに事故を大きくする可能性があるので、改造後の使用においても十分注意が必要です。


 この続き(PCの電源と連動させるための回路)は現在作成中に付きしばらくお待ちください。

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