【例07】松下電器産業 CF-610の修理
今回は埼玉県の方からご依頼のラジオを修理をします。このラジオは昭和31年に発売されたスーパーヘテロダイン受信機、ナショナルCF-610型「コンゴー」です。割と新しい製品のため、まだ数十台は残っているようです。展示室にも同じ物がありますから、そちらもご覧下さい。
この年代のラジオはきちんとレストアされた物以外絶対に電源を入れてはいけません。しかし、既に相当時間通電したようですから、差し迫った危険や更なる破壊はないでしょう。見て頂ければ分かりますが、この頃の松下製ラジオは例外なく、パイロットランプの配線がボロボロになっています。まず配線を補修してから動作確認して修理という順序でなおしてきます。

【2】剥がれて下地の木が出ています。このままにしておくと、どんどん剥がれてきます。

【3】機械を見ます。妙に綺麗です。これは手入れされている証拠です。ただ、アンテナ線をビニールテープで絶縁して延長しているところを見ますと、本格的に補修されたわけではなさそうです。ダイヤル糸が切れたのでしょう。つり糸のようなビニールの線に変わっています。この補修方法ははじめて見ました。代用品は水糸を使うのが良いのですが、専用糸がまだありますから交換します。なお、専用糸はこのサイトの売店にあります。ヒューズは恐ろしいことに10Aが付いていました。これでは事故の時に回路が止まりません。1Aに交換します。

【4】パイロットランプの配線です。案の定ボロボロです。この線を放置するとショートしてトランスなどを壊しますから、全て交換しなければなりません。これは結構な手間仕事です。

【5】スピーカーです。交換されているため口径が小さくなっています。これもオリジナルの物に交換します。なお、オリジナルの手持ちは今回使用する物が最後です。以降のご依頼分については交換できません。

【6】スピーカーリードを外してシャーシを取り出し木箱を見ます。掃除がして有ります。糸を掛け替えた人が掃除したのでしょう。鑞が垂れています。これはトランスの真下に当たるところですから、XキャパシタかYキャパシタの不良が推定できます。

【7】ACライン間のコンデンサの鑞が剥がれています。発熱したためです。これは危険ですから後ほど交換します。

【8】出力管のところにオイルコンデンサが使われていました。これは後年交換された物ですが、ナショナル製ですし昭和35年頃の物です。おそらく昔壊れたときに交換した物と思います。

【9】内部全景はこんな感じです。他に目立つ所はありません。全体的に大変綺麗です。最近は部品交換されていないように見えます。

【10】配線の交換から行います。ロータリースイッチ側の配線を外し、同じ色の配線をつけます。次に長さを見繕って配線を切り、配線を編んで電球側に取り付けます。いっぺんに外すと配線を間違う原因になります。