Part−U 1.新天地
普通のミツバチであれば、もうゆうに数百数千にも数が増えていても不思議ではないのかもしれませんが、彼らはまだ百にも満たない数で、しかも入梅前の西へ向けての移動でした。
方向も移動日も決めたのは女王蜂で、みんなにも知らされていたことでしたから騒ぎにはならないのですが、あまりたくさんで一度に移動すると目に付きやすいとの考えからでしょうか。
最初にサチが20匹ほどで出発し、次にララがやはり20匹ほどで後を追い、さらにその後を女王とヤワラ達が、そしてしんがりはブル達という慎重さでした。
普通ミツバチは最高時速20Kmを超えるスピードで3〜4Kmくらいの範囲で蜜を集めるが、中には10Kmも移動する種類もいるが、彼らの移動に地図があるわけでもないのに、あたかもこの森がここにあることがわかっていたかのように、女王が決めた方向にまるまる1日をかけて移動することで決められました。
そして、女王が決めた西に位地する森の入り口についたのは、もうとっくに日が暮れていました。
「みんな無事についてこれたかい。」
「今日はここで休んで、明日はこの森の何処に城(巣)を作ったら良いか、森を散策するんだ。」
「そして、一番安全な場所に新しい城を築くんだ。」