oz@mの読書日記です

年末年始にかけてはあまり本を読めなかったのだが、 正月休みが終わってから若干読んだので久々に書いてみます。


皆川博子「死の泉」。翻訳書の体裁をとっているが、実は 翻訳ものではない。舞台はドイツ。ナチスドイツの頃から 戦後15年頃までにかけての物語。最近、カウンターテナー (「もののけ姫」のあの歌ね)が話題になっているが、ドイツの 教会の合唱隊などでは、去勢することによって声変わりをさせず、 大人になってもボーイソプラノで歌える人たちがいたという。 カストラーデ(?不正確)と呼ばれる人たちだ。そういう人たちが 出てくる話(いいかげんな要約)。 週刊文春の昨年のベストミステリー第一位。


浅田次郎「珍妃の井戸」。昨年暮れに、三船敏郎追悼で黒沢明の 「羅生門」を放映していたが、お話のパターンとしては似ている ような気がする。最後が今一つよく分からなかった。 「蒼穹の昴」の続編ということだが、前作に比べると、読み応えに 欠けると思う。


唐沢商会「ガラダマ天国」。朝日の書評で見て、(広告だったかな?) 紀伊国屋でサイン本を見つけたので衝動買い。「TVぴあ」に5年間 連載していたのをまとめたもの。唐沢商会は唐沢俊一(兄・評論家)と 唐沢なをき(弟・漫画家)の二人組。かなり活字の多い漫画である。 これで1,000円ちょっとは安い。絵柄はとり・みき風か?


清水義範「尾張春風伝」上・下。一昨年の大河ドラマ「吉宗」に出てきた 徳川宗春の伝記的小説。ドラマでは確か中井貴一がやっていたが、 スタイルは似たような感じか。読み応えはある。


もっと読んでいるが、こまめに付けていないと忘れるね。 とにかくタイトルだけでも控えておくことにしたい(今年の目標)。


荻原規子「薄紅天女」。「空色勾玉」、「白鳥異伝」に続く、 勾玉三部作の完結編。とは言ってもそれぞれは独立した話。 ファンタジー。「もののけ姫」はこんな感じかな。


北村薫「ターン」。前作「スキップ」に続く、時をテーマにした これまた3部作の第2作。ミステリーではなく、ファンタジー、 かな。前半だれるところもあるが後半以降は一気に読ませる。


さくらももこ「ももこの世界あっちこっちめぐり」。 タイトルのとおりの本です、はい。


栗本薫「ヴァンパイア−新・天狼星−異形の章」。 NY、そして東京と、続いて起こる不気味な殺人事件。 ヴァンパイア事件は解決されていないので、まだ続くので あろう。あのシリウスは生きていた(やっぱり)。ミステリーです。


カール・セーガン「コンタクト」。映画を見る人は、原作を 読まない方がいい。ほとんど別のものになっているので。 いずれにしてもどちらも大作ではある。近未来SFです。


嵐山光三郎「活字の人さらい」。「夕焼け少年」シリーズの 路線かと思ったら、ちょっと違うので残念。あまりお勧めしない。


永井義男「算学奇人伝」。江戸時代の和算家の話。 開高健賞を取ったという。短い作品。よく一冊にしたなあ。


荻原規子「これは王国のかぎ」。北村薫風の(?)15歳の女子 中学生が主人公のファンタジー。キーワードは、マザー グースとシェエラザードかな?


夢枕獏「神々の山嶺(いただき)」。山岳小説。本当に山登り する人ならもっと面白く読めるのだろうな。エヴェレスト、 あるいはチョモランマ、あるいはサガルマータに魅せられた 男と、その男に魅せられたカメラマン。マロリーのカメラ なども出てきて、さあ、大変。SFではない。読みでがあります。 今回の1押し。


近所の図書館には、OPACがありまして、ここ2週間のうちに 区内の全図書館で受け入れた本というのが、分野ごとに 一覧できるようになっています。冊子体の新刊受入情報も 置いてはいるのですが、どちらかというと端末機に向かう 方が好きです。それはもちろん内容がより新しいことにも よるのですが。

先日、「文学」の新着情報を見ていたら、「犬丸りん」という 名前を発見しました。確か昔、モーニングとかでほのぼの漫画を 書いていた人だと思います。早速リクエストをして、昨日借りる ことが出来ました。

前置きが長い。犬丸りん「おかたづけ天女」。初出が書いて いないので、全部書き下ろしでしょうか。小品集です。 200頁余に21編。とてもよかったです。一つ一つの作品がどれも。 機会があったら是非お試し下さい。


桐野夏生「OUT」。暗い暗い話である。 武蔵村山の弁当工場に勤める、4人の主婦。 それぞれ家庭にいろいろな事情を抱えている。 殺人。死体損壊、遺棄。そして、その容疑をかけられた男。 後半がよく分からない。「2001年宇宙の旅」(映画ね)みたいだ。 あくまでも個人的感想。あまりお勧めもしない。


景山民夫「ホワイトハウス」。角川ホラー文庫。 絶筆というものでもないが、少し期待して読んでみました。 見事に裏切られたというか、あっけに取られたというか。 「え、これで終わり?」というのが率直なところだ。


筒井康隆「敵」。書き下ろし長編である。 句点(読点?“、”のことだが)を使っていない。 パソコン通信が出てくる。お料理についても詳しい。 75才の元大学教授。自裁。やっぱり後半というか 終盤が分からなかった。あまり参考にならないね。


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