今までに一度だけ、新しい言葉が必要だと思ったことがあります。
ある日、とても偉い先生に会いました。
その道では「大家」と呼ばれるほどの研究者で、
忙しくてなかなかお目にかかれない方だそうです。
しかし問題は、先生の見た目でした。
中年男性で、小太りで、肌にハリがあり、血色がよく、
活き活きとしていて、話が上手で、声もよく、人徳がありそうで、(以下省略)
とにかく、そこにいるだけで表彰したくなるくらいの人物です。
思わず誰かに、今日どのような人に合ったかを話したくなりました。
ところが、その先生を表現のにちょうどよい言葉が見つかりません。
● 私の頭の中では 「小太り」=こぶ平 なので、「小太り」は先生にふさわしくありません。
● 「ふくよか」=優しそうな中年婦人 または 若い女性 ですので、同上。
● 「ぷくぷくとした」だと、小太りの小学生 のような気がしますから、同上。
これ以上考えても、手垢のついたような言葉ではうまくいきません。
そこで、「ふくよか」と「ぷくぷくとした」の中間をとって「ぷくよか」という言葉を、先生のために作りました。
新しい言葉ですから、余計なイメージがついてこず、好きなように使うことができます。
今では心の中で「ぷくよか先生」と呼んでみたり、
通りすがりの人の「ぷくよか度」を測ったりしています。
「新しい概念には新しい言葉が必要である」と、しみじみ思いました。