

シャープペンの芯チャック
材質: POM+G25%
現状一般射出成形法で量産中、金型耐久性80万ショット程度金型メンテナンスコスト大
10〜12個取り成形サイクル15秒
2個取りにて1200万個のオーダーに対応し、連続600万ショットの生産を実施、成形サイクル2.85秒
ノーメンテナンス・無消耗
金型耐久性はほぼ無期限と考えられる
シャープペンの口金
材質: 汎用アクリル
現状一般射出成形法で量産中、ネジ部モータードライブ部分メンテナンスコスト大
8個取り成形サイクル25秒
4個取りにて量産実施、成形サイクル10.5秒
ネジ形状デザイン変更を行えば無理抜きも可能であり、5秒程度の成形も可能
注文増加に伴う価格引下げ要求が強く撤退

DVDプレイヤーターンテーブル
材質: PC+G30%
4個取り量産型
完全全自動運転
要求精度
基盤穴ガイド部分芯振れ10ミクロン以内
基盤保持部面振れ20ミクロン以内
量産精度
芯振れ 3ミクロン以内
面振れ 5ミクロン以内
量産中不良率0
成形サイクル: 12秒

自動車部品バックアップリング
材質: PA+G30%
4個取り量産型 サイズ3種類
完全自動運転
要求精度
内外径厚み共に±1ミクロン以内
量産精度 データ公表せず
量産中不良率0
成形サイクル: 6.3秒
2002年12月の段階で、量産一年八ヶ月すでに生産数の多いアイテムでは200万ショットを超えている
この他にもレーザプリンター用ドラムフランジ・CD用ターンテーブル・パルスモータ用カム等等の殆んどがガラスフィラー添加の材料であるのは、保証している金型耐久性に対する市場ニーズが強いことから発生している現象であるものと推定できる。
現在量産中のアイテムは機械に汎用性を持たせるために、生産アイテムの変更が可能な汎用性のある取り出し機が設置されている為、成形サイクルは取り出し機の能力によって決まっているが、バックアップリングの製品において能力評価のために実施したテストでは、同一精度を維持した状態において限界成形サイクルは2.00秒であった。
ここで特記すべきなのは、量産中のものも含めて過去に使用されてきた成形機は何れの場合も全て汎用機でしかなく、機械側においては汎用機の一部回路を改造したものである。
次のサンプルは98年のプラテック大阪において一般公開を行った際の製品サンプルであるが、当時の成形サイクルとして4個取りの量産仕様のもので1.4秒であったが、現在準備されている高速対応機を使用すれば0.7秒程度が限界成形サイクルとなるであろう。

ボールペン先端の金属チップの樹脂化サンプル
材質: POM
中心穴径 0.3mm 0.7mmボールペン用
形状は金属チップと同一形状
量産においてはPPS+Gを使用するのが面白い
このアイテムを限界速度で量産を実施したとすれば、その生産量は1480万個/Mとなる。
現在ボールペンの世界市場規模は概略90億/Yであり、その22%を国内筆記具メーカーが占めているが、0.9円程度の価格であるセラミックスボールを使用して金属チップの出荷価格は3.4円前後となっている。
これを樹脂化した場合においては、金属チップより遥かに書き味は良く、金属ボールの使用で十分であり、国内の如くメーカー支配の強い閉鎖的な市場を後回しにしたとしても、大きな競争力を持つ事業と成りえるものと考える。
この外にも主に金属製品の代替を狙いとして、高精度と低コストを二つの方向において企画商品化を期待できる製品群は数多く存在しており、光学系のガラスに関する製品に付いても対象となると考えられる。
下のサンプルは撮影系レンズの評価サンプルとして作られた物であり、精度評価の結果は長野県精密工業試験場によるものである。

撮影系レンズ用評価サンプル
材質: 汎用アクリル
形状精度 0.28〜0.25ミクロン(金型の形状補正寸法0.22ミクロン)
中心線平均粗さ 0.28〜0.20nm
公的証明有
試作成形サイクル: 6.5秒
型内直接計量成形法において一般的な射出成形法と比較して成形サイクルが早くなる理由は僅かに一つの原因によっている。
良く知られている如く、一般の射出成形においては金型内部における製品の形状を成す空間となるキャビティ部分は、射出シリンダーの中で溶融状態の材料を射出充填する前に金型開閉機構によって最大型締め力で閉じられた状態を作り出している。
これは製品部に加えられる平均的な内圧によって、型開き方向に発生する力に対抗するためのものであるが、型開き方向投影面積×平均的金型内圧より型締め力が上回っていない場合に、金型の開閉に際しての分割面(パーティング面)に材料のはみ出しによるバリが生じることを防止するためである。
したがって射出前に金型は固く閉じられており、原理的に製品部容積が変化しないのが前提条件として成形法そのものが成り立っていると言える。
こうした条件に基づいて、金型内部に溶融樹脂を射出充填したケースにおいては、流体力学的な考察を行ってみれば理解できるように、溶融樹脂はスプルー・ランナーからゲートを経由して製品部に流入する訳であるが、ゲートから製品部に流れ込んだ段階から比較的小さな断面変化ではなく、極度に大きな断面変化をしながら流れ込むこととなるが、この断面の大きな変化で発生する圧力損失に、金型全体が比較的低温に冷やされている結果発生する温度低下による粘性の増加が損失を増幅させ、製品部分の流動端末とゲート部分との間で大きな内部圧力の差を生じることとなっている。
この内部圧力の差が金型内部において材料の収縮率の差を生じると共に、材料と金型との密着性に差を発生させ、圧力の比較的低い部分では材料が金型表面から離れてしまうことが金型に対する熱伝達を阻害し、収縮が進行することで伝達面積がどんどん減少することが、熱伝導率の低い樹脂の内部における伝達距離を増大させ、放熱を悪くしていると言える。