第19話 感謝


 移動運用をしている人の交信を聞いていると、ごくわずかなグループではあ
りますが、「俺は移動してやっているんだぞ!」と、いわんがばかりの口調で
運用している人がおられます。 自らのQTHも語らず、「QTHは何処です
か?」と聞かれたら、おまえが聞いていないのが悪いといわんがばかりに面倒
くさそうに答えます。 本当に楽しくやっているのでしょうか?

 移動運用をやっている方の立場で話します。 珍しい場所からなんかQRV
したときには、とにかく良く呼ばれます。 そして「俺ってえらくなったのか
な?」なんていう風に勘違いしてしまう気にさえなります。 お恥ずかしい話
ですが、私にも勘違いしてしまった時期があったように感じます。
 皆さん方から送っていただくQSLカード。 大切にしております。 しか
しある時期(10年ほど前)ぞんざいにしていた時期がありました。 それは
移動地の記載漏れ(/3などの漏れ)カードを返送していたということです。

 今は随分丸い性格になりましたので考えられないのですが、当時はかなりつ
んつんしていて、「そんなカードはアワード申請に使えないじゃないか!」な
んてな感じで・・・ 目も当てられません。 送っていただいた相手の気持ち
を無視した行いを10年たった今、とても悔いております。 たくさんの人か
ら一度にどーっと呼んでもらって、有頂天になってしまって、そういう優しい
気持ちを忘れてしまっていたのだと思います。 それと、アマチュア無線を楽
しむ上でQSLは必須ではないということ・・・ 交信できたことが喜びであ
るということを忘れてしまっていたのだと思います。

 1移動地にて25枚のQSLを集める「ペディションアワード」を楽しんで
おりますが、25枚の有効なQSLを集めるには、どうしても30〜50QS
O(バンドやモード、季節、地域によって変わります)する必要があります。
 遠征の時などは、QSO数が気になって焦ってしまいますが、それでも楽し
いQSOを心掛けています。
 不思議なことに楽しいQSOをしているときほどたくさんの方から呼んでも
らえるものです。 スピーカーを通して皆さんが良く聞き取っておられるのだ
なあ! なんて気が引き締まるものです。
 「私はJARLが切れていますのでNO−CARDでお願いします」という
局が声をかけてくれることがあります。 呼んできてくれた局にとって大変勇
気の必要な行為だと思います。 QSLカード交換約束偏重のQSOが多い中
ではぞんざいに扱われかねない局長さんだからです。 「本当に良く呼んでき
てくださいました!」という感謝の気持ちでいっぱいです。 そして「次に聞
こえてきたときにも必ず呼んできてください!」とメッセージしてファイナル
を送ります。

 JCC/JCGサービスやコンテストなど、どうしてもそのような所まで気
がいかない運用スタイルもあるでしょうが、「JL3TOG って楽しそうに
やっているなあ! 呼んでみようかなあ!」なんて思ってもらえるような運用
をしたいと思います。 そしてその後「また呼んでみたい!」と思ってもらえ
るような運用をしたいと思います。 そして呼んでいただいたことに感謝の気
持ちを持ってQSOしたいと思います。
                             JL3TOG