第36話 山に行って来ます

 愛知県三河地方に住んでいた2002年4月までは、近所に山が無いために、海辺や河
川敷で運用することが多かったものです。特に、7メガで本格的に運用するようになって
からは、四方を山に囲まれた場所や谷間などからの運用は、全く違和感無く行いました。
 それまでは、移動運用は山頂でやるものだと思いこんでいました。ですから、移動運用
に行くことを「山に行く」と言っていました。

 平地での移動運用に慣れきってしまったものの、「山に行く」という表現は使い続ける
事になりました。移動運用に行く用意をしていると、息子が「パパ 何処かに行くの」と
尋ねます。私は迷わず「パパは山に行って来る」と答えるのですが、行き先は海辺だった
りするのです。

 子供を遊びに連れていくときに「おーい 今から山に遊びに行こうか」と言うと、嬉し
そうに飛んできます。しかし車が向かうのは、温泉だったり近所の公園だったりするので
す。私も気が付かないうちに「山に行く」という言葉が、出掛けるという意味に変化して
しまっているのです。公園に着くと息子が「ねえパパ ここは山と違うよ」というのです
が、私には全く違和感がないのです。

 奈良県香芝市に転居した今、家の窓からは、二上山を眺めることが出来るようになりま
した。会社が休みの日の散歩は、のんびり歩いて15分ほどの二上山雄岳への登山口ばか
りです。子供を連れての虫取りも二上山の方向を向いて歩きます。良い場所に越してきた
ものです。
 奈良県に引っ越してきてからというもの、山の上でばかり移動運用をするようになりま
した。この地では、山に行って来ますといえば、本当に山に行っているのです。今は引っ
越して間がないので、山にばかり行っていますが、そのうち海辺や河川敷での移動運用も
するようになることでしょう。きっとそういう場所に出掛けるときにも「山に行って来ま
す」と、言って出掛けるんだろうな と、二上山を眺めながら思い、にやりと笑ってしま
いました。

JL3TOG 2002-JUNE-25
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