高齋正さんのエッセイ 50
吉野屋の牛丼が好き
吉野屋の牛丼が好きである。子供の頃に読んだ佐々木邦のユーモア小説だったかに、牛丼を食べたとか、そういう記述があった。どんなものだろうと思っていたが、牛丼屋があちこちにできた時に、最初に食べたのが吉野屋だった。
外で食べる時に、出てきたものを残さず食べられることが少ない。ラーメンはメンマを残す。店が空いている時には、入れないでもらう。お客がたくさんいて店が忙しい時には、そういう手間をかけさせると悪いので、ふつうに注文して、メンマを残す。
そういうことを考えないで注文できる、数少ない外での食事である。
アメリカ産牛肉の輸入が始まったという。輸入が中止になったのは、狂牛病(BSEと表記させたがっている)の恐れがあるから。それは理解できる。それなら、検査をアメリカに丸投げしないで、きちんとすればよい。検査を丸投げしておいて、イギリスに1日いただけで献血できないと決めるのはおかしい。イギリスに1日いて献血はダメというのは、狂牛病の恐れがあるからだという。
そう決まってから、1983年のシルヴァーストーンに行った私は献血できなくなった。あれから20年以上たち、元気で生きているが……。
高齋 正