高齋正さんからの手紙
モンキーの塗色について
菅谷充さん経由で頂いた高齋さんの写真が、あまりにもトップページの背景色とマッチしていたので、掲示板にそのことを書いたところ、高齋正さん御本人からメールを頂きました。
==== 以下、高齋正さんと『日本二輪史研究会』の許可をいただいて転載します =====
初期型モンキー
高齋 正
若い時に新車で買った初期型モンキーが、また動くようになった。
初期型モンキーは2台もっている。発売されてすぐに先輩が買い、それに乗っているのを見て、私も欲しくなった。その前にCB77を持っていたが、家の庭に置いて邪魔にされ、ちょうど4輪に乗るようになっていた頃で、2輪にはあまり乗らなくなったこともあり、知人に譲った。しかし、2輪がないとなんとなく寂しい。そんな時に目にしたのが、先輩の乗っている初期型モンキーであった。
しかし、赤いフレームは派手すぎて、乗るのが恥ずかしい。特に必要というわけではなかったので、しばらく買わずにいたが、1年ほどたって買ってしまった。
納車されて最初にしたことが、仲良しがやっている修理工場に持ち込んでバラし、フレームの色を塗り替えることであった。黄緑にちかい緑色を選んだ。これを自転車がわりに使った。
前輪にサスペンションの付いた新型のモンキーが発売になったが、大きくなったので買い換えなかった。モンキーはあの小ささも値打ちだと思っていたからである。
東京に住むようになってからも、自転車がわりに使った。まだヘルメットの着用が義務化されていなかったので、気軽に乗れた。自動車史研究家の五十嵐平達さんの家に行くのにちょうどよかった。タクシーに乗れば1メーターの距離である。
不満な点は、最高速度が40km/hちょっとということと、立体交差の登りでスピードがおちることであった。
いつもアクセル全開で走っており、燃費が40km/・であった。
ホンダがシティといっしょに発売したモトコンポが、しばらくして私の手許に置かれるようになった。
モトコンポは前後のサスペンションが付いており、立体交差の登り坂でもスピードがおちないので、そちらばかり乗るようになり、初期型モンキーは2階の書斎にあげた。
* * *
仲良しの内野共樹さんがバイクショップを開店することになった。そこで10年以上も乗らなかった初期型モンキーを乗れる状態に復元してもらうことにした。店に置いておけば、お客が注目するであろう、という計算もあった。 プラモデルを製作するのに、同じものを2つ作ると、2つ目の方がうまくできる。これと同じことで、モンキーを整備してもらうのに、先輩から譲り受けたもう1台の初期型モンキーを先に整備してもらい、慣れたところで私がずっと乗っていた緑色の初期型モンキーを整備してもらおう、と考えた。 先輩から譲り受けた赤いモンキーは、女房殿の実家の納屋に入れてあった。埃まみれになっていたが、シロウトが掃除するより専門家にまかせた方がよいだろうとの判断で、汚れたまま内野共樹さんの『ガレージ・スプラウト』(154-0017 世田谷区世田谷2−23−3 TEL 03−5426−6558)に届けた。ところが、日本二輪史研究会の三輪会長に叱られてしまった。フレームの塗装がオリジナルの状態の初期型モンキーは数が少ないので、大切に扱うべきだという。
あわてて2階の書斎から緑色の初期型モンキーを降ろして、ガレージ・スプラウトに届け、赤いモンキーは部品のオリジナリティーを尊重するように、緑色のモンキーは動けばよい、と伝えた。つまり、赤いモンキーの部品を交換する必要があったら、緑色のモンキーから外して使うということである。これは同じ部品でも新しく作られたものはメッキの材質が異なっている場合があるのを避けるためである。
ガレージ・スプラウトが開店したのが2000年の晩秋であったから、初期型モンキーを預けてから、3年ちょっとたって出来あがったわけである。それだけ忙しかった、つまりお客様の仕事があったということで、よいことである。預けて1ヵ月もたたないうちに、出来ましたと持ってこられるようでは心配になるが、お客様の仕事があって、これまで完成しなかったのは、商売繁盛でよいことである。
初期型モンキーが動くようになったはいいが、これは実用性がゼロである。今はどこへ行くにも乗っていけない。ふつうに駐めておくと、盗難の恐れがある。行った先で安全に駐められる場所があるという条件が必要である。
まだガレージ・スプラウトにある赤いフレームのモンキーは、ぼちぼち整備する段階である。ツインリンクもてぎのホンダ・コレクション・ホールに展示してあるモンキーのフレームの色は、ガレージ・スプラウトにあるものより、ずっと鮮やかである。2台を並べて写真を撮れば、違いがはっきりすると思う。
これは『日本二輪史研究会』会報 (2004年5月1日)に載ったものです。高齋 正
========== 以上、許可をいただいて転載しました ==========
『日本二輪史研究会』は、歴史的モーターサイクルの収集、研究、復元、保存を目的とした非営利団体の会員制組織。
サイトのトップページには、「1970年の創立」と書いてありましたが、『日本二輪史研究会系譜』を読むと、明治まで遡るようです。
『日本二輪史研究会』のサイト
http://village.infoweb.ne.jp/~fwiz3328/newpage41.htm
2004.05.16
一部修正 2005.04.29