金星移住計画・その6
付録 地球外生命の可能性
地球以外に生命がいるかどうかが話題になっていますが、たしかにこれは難問です。ゼロ*無限=?という数学の問題と同じです。地球のような環境がある確率はゼロに近いほど僅かですが、宇宙は無限です。いるかもしれないし、いないかもしれないと言うのが正直なところです。
しかし、漠然と、「いるかいないかわからない。」ではなく、どのように判らないかを確認しておくことは大切です。つまり、地球外に生命がいるとはどういう条件のもとで可能なのかということをある程度明確にしておくべきでしょう。それなしに、いるとかいないとか言っても、科学的議論にはなりません。
地球外に生命がいるための条件
生命が存在するのではなく、生命が誕生する条件を探らなければなりません。人間が移住して、そこに生命をつれてゆけば繁殖可能な星はたくさんあると思います。しかし、それでは地球外生命とは言えません。人間の手を借りずに、自然に生命が生まれているような星があるかどうかです。その生命がほ乳類である必要はありません。原始生物でもいいのです。とにかく生命と呼べるものが存在している星があるかどうかです。「ならば、たくさんあるのでは」と思う人もいるかもしれませんが、はたしてどうでしょうか。
生命が存在するためには酸素は必ずしも必要ではありません。原始地球では、最初に二酸化炭素を食べる原始的生物が現れています。酸素を必要とする生物の出現は30億年前のことです。ですから、宇宙には、酸素のないところでも生命が存在する可能性はあるのです。しかし、どこにでも発生するというわけではありません。まず、太陽のような核融合を行っている恒星の内部には生命の可能性はありません。あまりに高温、高圧で、DNAやRNAが存在できないからです。また、絶対零度近くの星にも生命は存在しないでしょう。
常識的に考えて、気温が零度以下とか、100度C以上の環境では生命は発生しにくいのではないでしょうか。また、原始地球には、今の海とは成分が異なりますが、やはり、海がありました。もし、海のある星があるなら、それは零度以上、100度以下ということですから、生命が存在する可能性が高まります。そういう意味で、海のある星はないだろうかと探すことになります。今はまだ見つかっていませんが、いずれ見つかることでしょう。宇宙にある星の数は何億どころではありません。億の何億倍もあるわけで、そのなかには惑星を持つ星も少なくないでしょうから、海を持つ地球に似た星はたくさんあるはずです。
ならば、生命はどこでも発生していると、思う人もいるでしょうが、しかし、そこから先が見解の分かれるところです。推測を交えた議論ですので、話は複雑になりますが、私としてはそう簡単に生命は発生しないような気がします。海のある星があったとしましょう。もちろん、その星は、どこかの星を廻る惑星です。大きさも地球と同じくらいとしておきましょう。しかし、それだけで、生命が発生するのでしょうか?これは、今の科学レベルでは考えても無駄なことかもしれません。将来、他の星の惑星調査の中で、生命が見つかってしまうかもしれません。しかし、見つからないかもしれないのです。
まあ、これから先は、思考の遊びと考えてください。もし、その地球に似た星があり、その星が月を持っていなかったとしましょう。原始地球には月がありました。その月の引力により、海水がかき回され、生命発生の条件を整えたかもしれないのです。月が無くても原始的生命は生まれるかもしれませんが、そこがつまりは推測であるということです。実際に、調べて見る以外にありません。また、月があったとしても、大きさが異なっていたときはどうでしょうか?
また、地球には陸があります。もし、その地球に似た星に陸地が無く、すべての表面を水が覆っていたとしましょう。それでも生命は発生しているでしょうか?
また、地球には地磁気があります。星の中には地磁気のない星もたくさんあります。地磁気の無い星でも生命は発生するのでしょうか?
また、恒星の中には太陽よりも何百倍も大きな星があります。また、太陽より小さな星もあります。その周りを廻る惑星にも生命は発生しているのでしょうか?
いろいろ考えますと、判らないことだらけです。現在の私の個人的見解 (推測と言うより、カンに近いレベルですが) ですが、おそらく生命の発生に月は必要でしょう。地磁気は要らないかもしれませんが、太陽の大きさも生命発生に関係しているのではないでしょうか。大陸や水の量も地球と同じくらいでなければなりません。つまりは、地球とまったく同じ条件の星で無ければならないと言うことです。そのような星が存在する可能性は、今のところ限りなくゼロに近いと言わざるを得ません。
しかも、たとえ生命がいたとしても、その生命が地球のように進化を遂げられるかどうかは、また別の話です。もちろん、生命が発生しさえすれば、進化は一つの必然として進行します。問題は、地球のように速やかに進化するかどうかです。場合によっては、進化が止まることもあるでしょうし、最悪の場合、せっかく発生した生命が絶滅してしまうこともあるでしょう。進化を続けることが出来たとしても、人間のような高等生物が生まれる確率は決して高いものではありません。
ただ、ここで、私なりの見解を言わせていただきますと、その星でどのような生物が進化していようとも、地球上の生命と基本的には大差のない構造を持つ生物であろうということです。色や形は異なっているでしょう。機能的にも異なる点を沢山持っていることでしょう。しかし、植物と動物の区別、また動物なら、食べる、寝る、交尾する、子育てするという基本行動は同じはずです。もちろん、原生動物など、子育てをしないとか、その他、これに当てはまらない生物も沢山います。地球上にも、沢山いますが、基本的にはこのような方向性の生物になるというのは、進化の必然であると考えています。どの星であれ、物理法則が同じなら、同じような生物が発生するのです。
はたして、人間と同じような知能を持った生物が存在するか?
人間と同程度の知能を持った生物は、おそらくいないでしょう。もしいたなら、ずっと昔に地球にやってきているはずだからです。もし、生命が存在し、それが進化の途上にある星があったとしても、人間がそこに移り住むなら、その星の進化は止まってしまうでしょう。ですから、高等生物は生まれません。唯一の可能性は、人間と同じ程度の文化・文明を持っていて、人間がその星を訪れたとき、すでに進化が終わっている場合のみ、人間と同じ生物がいたことが実証されるわけです。しかし、そのような偶然は、生命発生の偶然と同程度か、それよりも難しい確率です。ですから、この銀河系の中には、人間に匹敵する生物はいないし、今後とも発生しないと断言して良いと思います。
さて、しかし、「他の銀河にはいるのではないか」という問いは残ります。確かに、他の銀河まで含めると、さらに可能性が広がりますので、無いとは断言できなくなります。しかし、どの銀河であれ、物理法則は一緒です。ニュートン物理学が通用しなくても、アインシュタインの相対性理論や量子力学は通用しています。化学理論も同じです。他の宇宙にも酸素はありますし、水素、鉄、炭素、その他の原子は存在しています。しかも大切なことは、地球にある原子以外の原子は存在しないと断言できることです。そして、この地球同様に、条件さえそろえば、原子は分子となり、分子は物質を構成することになるのです。その現象は地球やこの銀河系宇宙と何ら変わりはないのです。
科学的真理はどの宇宙でも成り立ちます。これはとても面白い現象です。アンドロメダ星雲の銀河に行っても、「1+1=2」であり、水素と酸素が結合すると水になるのです。それ以外のヘンテコな宇宙を想定しようとしても、そういう宇宙は存在しないのです。
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