金星移住計画・その7
付録 地球外生命の可能性 その2
サム・ニールの番組を見ての感想
Jcomに加入したので、スカパーのディスカバリーチャンネルを見ることが出来るようになりました。そこで、2004年の3月ですが、「サム・ニールがひもとく宇宙空間」という番組をやっていました。最新情報をもとにして宇宙を説明してくれる楽しい番組でしたが、一般向けということもあり、面白い話題をフォローするのは良いのですが、肝心の所で詰めが甘いように感じました。
この番組の基調は「生命は宇宙から来た」ということです。この主張は、証明も、詳しい説明もなく、ただ繰り返してほのめかされていました。科学番組なのに、こういう作り方をするとは、どういうことなのかと最初は気に入りませんでした。しかし、最近のテレビ番組は、視聴率も上げないといけないので、これも涙ぐましい工夫のひとつなのでしょう。ありきたりの科学番組では、人々は見てくれません。SF的要素を入れるとか、夢を与えるものでないといけないのです。
それはともかく、宇宙の大きさとか、ビックバンで始まるとか、超新星の大爆発で、酸素や炭素の原子が作られるなど、一応初歩的説明が綺麗な映像でもって説明されていました。宇宙は大きいので、どこかに知的生命体があるだろうとの予測がなされ、その調査のために、宇宙からの電波を調べるとか、恒星の周りを回る惑星を探すとか、いろいろな努力が紹介されていました。太陽系以外の惑星が最近続々と見つかっているようで、この分野での研究も日進月歩であることが判りました。しかし、それらの衛星は、いまのところ生命の星である可能性はなさそうです。
サム・ニールの説明によると、海底の光も届かない過酷な環境でも生命が存在するので、他の星にも原始的生命はいるだろうとのことですが、これは楽観的予想過ぎるように思います。今、ちょうど火星探査が進められているところで、火星にも水が存在した証拠が見つかっています。しかし、だからといって生命が存在したわけではありません。生命の痕跡探しはこれから始まるのです。調査は、まだ始まったばかりですから、先走ったことを言うべきではないかもしれませんが、そう簡単には見つからないのではないでしょうか。
火星の次は、エウロパが調査対象であると述べられていました。エウロパは木星の衛星で、地球と同じくらいの大きさですから、人類が移住するには相応しいかもしれません。しかし、木星からの重力の影響で、結構厳しい自然環境にあります。表面はマイナス150度ですが、氷の下には海もあるとのことがわかっています。それゆえ、生命の可能性が期待されています。個人的には懐疑的ですが、サム・ニールはここでも楽観的でした。
もし、火星やエウロパで生命の痕跡が見つかるなら、宇宙は生命で満ちている可能性が大となります。とすると、地球に生命が発生したのも、地球環境から自然に発生したのでなく、宇宙から生命が飛来して、地球でそれが広がった可能性も検討されることになります。個人的には、そのようなことはなさそうだと思うのですが、今は結論を出す時期ではありません。まもなく、火星の調査結果が出るでしょうから、それから考えても遅くはありません。
地球での生命発生のメカニズム
サム・ニールの番組を見て考えたのですが、地球が出来てから、意外と短時間で生命が発生したのですね。地球が固まったのは46億年前のことですが、40億年前頃には、すでに原始的生命が誕生していました。わずか6億年で生命は発生するものでしょうか。43億年前には巨大隕石、もしくは衛星のかけらが地球に激突して、それで月が形成されたのですが、もし、月が生命発生に大きな影響を与えたとすると、3億年で生命が発生したことになります。巨大隕石衝突後は火の玉に近い劣悪な自然環境にあったわけですから、それが冷えて固まるのにどのくらいの時間がかかるのでしょうか。たとえ、冷えたとしても今よりも暑い気温だったでしょうし、二酸化炭素濃度も今より何倍もあったはずです。その中で生命が誕生したのです。そういうことがどのようにしてありえるのか?もう少し、厳密に考えてみたいところです。
ところで、月形成の歴史は、かつていろいろ議論されていまい他が、今やジャイアントインパクト説が通説となっています。この説によると、原始地球にほぼ火星ほどの惑星が激突して惑星と地球の一部が粉々になり、その破片が集まって月になったというものです。最近、ある番組を見たところ、この惑星が「オルフェウス」と呼ばれていました。いったい誰が名付けたのでしょうか。それはともかく、コンピュータ計算により、衝突の角度、月の形成の様子などがまるで目で見るように詳細に説明されていました。
43億年前の月は今より地球に近いところを廻っていたそうです。(今でも毎年4センチずつ地球から遠ざかっているそうです。)ですから、引力の影響も今より強く、海水は絶えず頻繁にかき回されていました。海水の成分も今とは異なっていました。気温は高く、湿度は100%で、絶えず雷が発生していたと考えられます。そういう中で、コアセルベートと呼ばれる物質が形成され、そこから生命が誕生したというのがオパーリン説です。上手に説明していますが、厳密に考えるとまだまだ説明不足です。そもそもこの説は1930年代のものですから、その後の研究も踏まえた新しい説が発表されることが期待されています。
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