付録 その7    地球を冷却する方法


(updated 2014/06/01)



金星を冷却するには莫大な資金、技術、時間がかかります。まずは手始めに地球を冷却する方法を考えることが金星冷却の練習になるのではと思いつきました。

地球は現在、温暖化の危機にあるといわれています。100年後には5度ほど平均気温が上がるといわれています。たしかにそれは大変なことです。その対策のため、エネルギー消費を減らし、二酸化炭素の排出を抑える技術が開発されています。また、人々もエコな生活をすることにより、少しでも温暖化を遅らせるのに協力するように薦められています。まったくその通りです。私など、クールビズを実践するだけでなく、我が部屋だけは、夏は冷房を使わず、冬は暖房をつけない生活を心がけています。けっこう大変ですが、ここ数年の実践を経て、ようやくエコな生活にも慣れてきました。エコというより、貧乏生活そのものですが、ホームレスの気持ちが良くわかります。

とは言うものの、私の分析によると、地球温暖化防止のためのエコな生活はあまり意味がないという結論が出ています。実践と理論が乖離していますが、それでも一度始めたエコ生活を止めるつもりはありません。理論の問題ではなく、意地の問題ですから、今後も続けるつもりです。

しかし、人類の未来予測としては、ひとりひとりのエコな生活などあまり温暖化防止に役立ちません。二酸化炭素排出を抑えても、温暖化の進行を止めることは困難です。科学技術の発展の速度は予想をはるかに超えて進むからです。

こういう場合、二酸化炭素排出を抑制することも悪くはありませんが、もっと根本的に温暖化防止の技術を開発するほうが良いのではないでしょうか。それはまさに金星を冷却することと基本的には同じことです。地球冷却の技術は金星冷却に使うことが出来ますから、金星移住のひとつのステップとなります。つまり、温暖化防止は地球上の人類のためと言うより、金星開発と、人類の宇宙進出に必要な技術になりますから、まずは地球で実践してみようということです。目的や動機は異なりますが、温暖化防止という点では同じことです。

金星冷却のためにやるべきことは、太陽と金星の間に巨大パネルを敷いて、太陽からの熱と光を遮断することです。同じことを地球でやってみれば良いということです。地球で出来なければ、金星でも出来ません。地球で出来たなら、金星にも応用できるでしょう。

というわけで、太陽と地球の間に巨大パネルを敷設することを検討します。これをどうやって実現するかですが、単なるパネルではなく、太陽光発電のためのパネルを置くことになります。地球からの距離は適当に考えますが、いずれ、コストや管理の問題が明らかになってくれば、最適の場所を計算できるはずです。今のところ、数字があったほうが考えやすいということで、大気圏の境界あたり、500キロくらい上空を考えます。ここは雲が無いので安定した太陽光発電が可能となります。しかし、空気抵抗がまったく無いわけではないでしょうから、そのままではいずれ落下する危険性があります。ですから、パネル自体にある程度の推力を持つ構造にしておく必要があります。パネルには発電機能があるので、自分で発電する電力で推力を得て、残りを地上に送ることになります。

この考察の目的はパネルで太陽光発電をすることではなく、地球を冷却することです。少しくらいのパネルでは地球は冷えません。地球に降り注ぐエネルギーの1%程度は減らしたいと思いますが、そのためには日本列島と同じくらいの広さのパネルが必要となるでしょう。どう考えてもコスト的にあいませんが、そこを何とか可能にするのがこれからの検討課題となります。

現状では宇宙船を打ち上げるのにかなりのコストがかかります。飛行機を飛ばすのと比べて、宇宙ロケットは何ゆえ費用がかかるのでしょうか。どこかに無駄があるように思えてなりません。そもそも、燃料を積んで飛び上がるわけですが、その燃料の重さでスピードが出なくなるという矛盾を抱えています。ならば燃料無しに飛ぶことを検討すべきではないでしょうか。

マイクロ波やレーザー光を使ってエネルギーを送ることが出来ると聞いています。ジェット機をマイクロ波で飛ばすことが出来るのではないでしょうか。それが可能なら燃料を積み込む必要はなくなります。そして、この原理を宇宙ロケットに利用することができるはずです。ロケットに燃料を積み込まなければ、かなりの軽量化が可能になり、その分だけ安価にパネルを宇宙空間に送ることが出来ます。

ちょうど宇宙で太陽光発電を行っているのですから、そのエネルギーを直接宇宙ロケットに送り、それで宇宙に飛ばせば、地上のエネルギーは使わずに済みます。それで、パネルを増やしてゆけば、地球冷却の費用は安くつくことになります。余れば地上に送ればよいということです。

いずれ金星全体を太陽光発電所で覆いつくすなら、金星は冷えるし、地球の電力需要はこれでまかなえることになるでしょう。核融合技術が必要なくなる可能性もあります。

とは言うものの、核融合が絶対に必要ないとは断言できません。おそらく、未来社会における電力需要は今の何万倍にもなるでしょうから、金星での発電所ではまかなえない可能性があります。とすると、核融合発電所が必要だという結論になります。

実際、核融合発電はいずれ可能となるでしょう。地球に発電所を作ろうとするから出来ないのです。月に巨大な発電所を作り、そこに金星発電所で得られる超巨大電力を送り込んで発火させれば核融合も可能になるはずです。そして、一度発火すれば、持続させることはそれほど難しいことではありません。重水素は月にもあるでしょうから、ほぼ無限のエネルギーを人類は手に入れることになります。問題は、そのエネルギーを地球で使うとなると、地球温暖化は避けられないと言うことです。

そこで、話は元に戻りますが、地球冷却のための宇宙空間パネルはどうしても必要になるということです。




■      北極、南極を冷やす方法


地球全体を冷却するには宇宙空間パネルしかありません。しかし、それでは地球全体が冷えるだけで、北極と南極は相対的に温暖化する危険性があります。そうすると極にある氷が解けて、地球全体の海面が上昇するという問題が解決しません。白クマやペンギンが絶滅することは避けたいものです。そこで、北極、南極だけを冷やす方法はないかと考えてみたのですが、以下のやり方はどうでしょうか。

冷蔵庫は、内部を冷やし、そのとき発生する熱を外に捨てる構造になっています。冷蔵庫の裏側が熱を放出する場所になっていて、そこに手を差し伸べると暖かく感じるのはそのためです。

ならば、この原理を内外逆転させて、北極と南極で使ったらどうなるでしょうか。家を冷蔵庫の逆原理で暖めることが出来るはずです。そうすると、家の外を冷やすことになります。家が一軒ではたいした効果はないでしょうが、何十件、何百件という建物がこの原理で暖房するなら、北極、南極は今より少しは寒くなるはずです。少なくとも北極・南極の温暖化防止には役立つのではないでしょうか。

この原理を実現するためには電気エネルギーが必要なので、地球全体から考えると、温暖化防止には役立たないでしょう。しかし、宇宙パネルによる温暖化防止策が有効であるなら、少々の電力消費は地球全体としては問題ないレベルになるはずです。また、北極・南極の寒冷化を維持することが出来るなら、極の氷を保持することが出来、白クマ、ペンギンなどが絶滅を免れるだけでなく、地球の気候も現在のまま保つことが可能になるはずです。

この原理・方法が有効であるという確信はまだありませんが、少なくとも検討に値するように思いますが、どうでしょうか。






■      大気圏上空太陽光発電の可能性      2015年1月15日追加


宇宙空間発電所を建設する方法を考えていたのですが、どう考えてもコストがかかり過ぎるし、基礎的技術も研究不足です。地上での太陽光発電の研究が始まったばかりの段階です。これでは、宇宙空間発電など夢物語のように感じる人も多いはずです。しかし、先手必勝の原理はゲームだけではありません。科学においても成り立ちます。出来ることはすべて今から実行しなければなりません。しかし、無駄なコストをかける研究は失敗します。コストなしの研究はどうしたらよいかと考えていたところ、宇宙ではなく、大気圏内で発電すればよいと思いつきました。大気圏内上空なら、宇宙空間と同じ技術が必要になります。この場所は雲の影響を受けません。ですから、大気圏上空で発電してみて、それがどの程度安上がりで、どうやって電気を地上に送るかを研究することにより宇宙空間発電の準備をすることが出来ます。これは今すぐにも出来ることではないでしょうか。

大気圏上空には飛行機が飛んでいます。その障害にならない場所として、上空20キロとか、30キロのところを考えたいと思います。ラジオゾンデは上空30キロほどまで上がることが出来ると聞いています。ヘリウムか水素を使っていると思われますが、上空で破裂した後は地上に落下するとのことです。太陽光発電パネルを積んだボート型飛行船が破裂してはなりませんから、30キロ上空でも耐えられる厚さにして、太陽光発電パネルの重さを支える大きさにして浮かべます。

ヘリウムガスは漏れてしまうそうなので、水素ガスを使うことが最初に検討されるだろうと思います。水素ガスは安価なのはよいのですが、爆発する危険があるので取り扱いには注意が必要です。1937年に起きたドイツの飛行船ヒンデンブルク号の爆発事故はとても有名です。パネルを運ぶ飛行ボートはただ昇るだけなので、火の気はありません。しかし、雷とか、思わぬ危険があるかもしれませんから、研究と対策は必要です。

飛行ボートは、そのままではさらに上空に昇ってしまうのか、それとも、どこかで安定するのかがひとつの研究課題ですが、パネルの重さとボートの上昇力が釣り合う場所があるはずで、上空まで来た後で水素濃度を調節する上空作業ロボット飛行艇を作っておけば定位置にとどめておくことは可能だと思います。

そのような発電パネルボートを上空にたくさん並べれば、大気圏内太陽光発電はすぐにも可能になるはずです。問題は発電した電気をどのようにして地上に送るかです。現在、プラズマ送電と赤外線送電のふたつの技術が研究されているとのことですが、かなりの技術力の必要なテーマだと思います。多くの研究資金と技術者が必要でしょうが、しかし、いずれ解決することが期待できるテーマでもありますから、心配しても仕方ありません。もし、まだ技術的に未完成であるなら、当面は直接電線を30キロ上空から垂らしてでも実験を進めるべきでしょう。



さて、太陽光自体は無限ですから、太陽光発電は非常に魅力的ですが、それを電気に変えて地上に届けるまでにエネルギーが減少してしまうとか、コストがかかるなどの問題は残ります。宇宙空間発電どころではなく、大気圏内発電でさえもまだまだ簡単ではありません。そこでさらにハードルを下げて研究することにします。30キロ上空では保守点検が困難であり、送電も簡単ではありません。そこで、手っ取り早く実現できる範囲ということで、500メートル上空での発電をトライすることを考えました。

500メートル上空だと雲の影響を受けるのと、雨・風・台風などの気象条件による悪影響を受けることになりますから、地上での発電より条件が悪くなります。しかし、大気圏内上空での発電を進めるための基礎研究になりますから、実行する意義はあります。飛行ボートの維持管理の研究、太陽パネルからの送電実験、コスト計算の基礎資料を得ることが出来ます。ですから、まずは500メートルでやってみることでしょう。














   

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