付録 その8 宇宙全体に進出する人類
(updated 2015/02/09)
マニフェストデスティニーという言葉があります。これは、「アメリカ人が東海岸から西海岸まで進出することが神の与えた明白な使命であること」を表明する言葉で、これに鼓舞されて西部開拓が進みました。西部開拓が終わった後は、太平洋に進出し、ハワイを征服し、フィリピンを植民地にしたこともマニフェストデスティニーの延長という理解もあります。この言葉は、アメリカインディアンの虐殺、ハワイ併合、フィリピン植民地化を正当化する論理として使われてきたので、今日では悪いイメージを強く持っていますが、西部開拓という莫大な労働を必要とする事業を推進するためにはこのような精神も必要であったという面も忘れてはなりません。西部開拓の次は太平洋と言うのは判りやすい論理であり、実際にこの言葉が使われたかどうかは別として、アメリカ人がハワイ、フィリピン、その先には中国、満州までを見据えていたことは事実です。こういう拡大主義の倫理的良し悪しは横に置いておいて、今回、注目したいのはマニフェストデスティニーの精神が宇宙開拓にも使うことが可能であることです。人類として考えた時、地球の開拓はすでに飽和状態です。次に進出するのは宇宙しか残っていません。ならば、この宇宙に人類が進出することこそ、神の人間に与えたマニフェストデスティニー(明かなる神の使命)と考えることが出来るのではないでしょうか。
ディスカバリーチャンネルやYouTobeで宇宙についての番組をやっているので、楽しく拝見させていただいています。これらの番組を見ることにより、多くの人が宇宙に関心を持ち、宇宙に行ってみたいと思うようになることが期待されています。しかし、ときどき宇宙の破局を強調する発言が飛び出すこともあります。科学番組なのに単なる推測だけの意見を、あたかも確定した科学的結論であるかのように放送するのは非常に問題だと思います。番組製作者の意図として、破局の強調が視聴率を高めるという計算があるのだろうと思いますが、単純な人々はみなそれを鵜呑みにしますから、はっきりと反論しておかなければなりません。
宇宙膨張そのものがいまだ仮説の段階であり、現代宇宙論そのものが問題山積である現実を知っておく必要があります。ハッブルの発見した赤方偏移現象(redshift)の説明として、遠くの銀河がより早く遠ざかっているという結論が生まれるのですが、それは別の解釈も可能なのであり、まだまだ議論の余地があります。私のような素人でさえいくつもの別解釈を思いつきます。まずは、光そのものが何億年単位で減速している可能性があります。光が減速するなら、赤方偏移が起きるはずです。また、遠くの銀河ははるか昔の姿を映していますから、何億年前の銀河が今よりも速いスピードで動いているということです。ならば、宇宙膨張は止まりつつあるとも言えるのではないでしょうか。その他、いくらでも新しいアイデアは生まれてきます。科学は矛盾のない説明が出来ればよいのですから、もっといろいろな可能性を検討すべきです。
それはそれとして、宇宙膨張も有力な仮説のひとつです。もしこの仮説が正しいなら、これから何百億年後の世界において、銀河と銀河の間が離れてゆき、個々の銀河の孤立という現象が起きる可能性はあります。しかし、それは何百億年後のことであって、太陽の核融合が止まるのが50億年後のことですから、今の科学のレベルで云々するのはあまり意味がないように思います。
たとえ宇宙膨張が事実であったとしても、アンドロメダ銀河と天の川銀河の接近、そして、未来における衝突を防ぐことができない程度の膨張率なのです。膨張力がどの程度かは、アンドロメダよりも遠い別の銀河と天の川銀河の衝突がいつごろ起きるかを研究すればより正確に見えてくるでしょうし、さらには、最終的にどの銀河までが衝突し、あとは離れ離れになるという計算が出来て初めて宇宙膨張の姿も明らかになるということです。今はアンドロメダとの衝突しか判らないのですから、その程度の科学で宇宙膨張を論じても意味はありません。
■ アンドロメダ銀河との衝突までには人類は天の川銀河全体に広まらなければならない
さて、私が論じたいのは、数百億年後ではなく、太陽の核融合が終わる時を太陽の死と表現するなら、50億年後の太陽の死までの世界を考えることです。アンドロメダ銀河との衝突が20億年後か30億年後か、最近の研究結果は以前と別の数字を出していますが、どちらであれ数十億年後のことであることに変わりはありません。このふたつの大事件を前提にして、人類は宇宙に進出しなければなりません。
アンドロメダ銀河と天の川銀河の衝突は当面、未来における確実に予想される事実です。その時、天の川銀河内の恒星間の位置は大きく乱されるでしょう。太陽系も存続できるかどうかの大危機を迎えるはずです。それを乗り越えるために、それまでに人類は天の川銀河内の他の惑星に進出していなければなりません。
人類が宇宙進出するための方針として、まずすべきことは地球型惑星を見つけることです。太陽との距離が地球と同じくらいで、大きさも同じくらいであることが条件です。大きさが地球よりも小さいと重力が足りないので、人間の健康によくありません。大きいと重力がありすぎて、不便です。同じ大きさの惑星は、今後たくさん見つかることでしょう。それらの中で、その惑星の太陽にあたる星との距離があまりに近すぎると暑すぎますから、ある程度の距離のある惑星を選ぶことになります。少々暑くても冷却することは可能でしょう。寒くても温暖化することが可能です。そのような惑星が人類の進出先となります。
困難な現実は、惑星改造に時間がかかることだけではありません。その惑星に移住するのに何百万年もの時間がかかるということです。しかし、アンドロメダ銀河との衝突は20億年後ですから、長い目で見ると、何百万年はたいした問題ではありません。そうは言うものの、今の人間にとって、何百万年などと言うのは気の遠くなる数字であり、やる気がなくなる危険性があります。そこで、もう少し現実的に考えて、惑星移住の前に、巨大宇宙ステーションの建造を実現すべきだという結論になります。これなら数百年後に可能になるでしょう。金星改造はそれとは別に並行して行わなければなりませんが、宇宙ステーションは10キロほどの大きさのドーナツ型となるでしょう。高速で回転させると地球と同じほどの重力になります。そこに何人居住可能かは判りませんが、数千人は住めるのではないでしょうか。このような宇宙ステーションを何十個と作ってゆけば、人類は少し宇宙に進出したことになります。そのうち、金星の改造も進んできて、ある程度住めるようになるはずです。
金星以外の惑星は重力の点で人類居住に不適切です。ですから、火星と木星の間に巨大ステーションを作り、さらには、土星と冥王星の間にも作り、オールトの雲の外側にも作って人類を移住させなければなりません。最初は数百万人程度の移住を実現させることになるでしょう。オールトの雲あたりでは太陽光が弱くなるので、核融合発電を使うことになります。
問題はそのあとです。太陽系以外の惑星に移住するには宇宙空間を移動しなければなりません。その旅行には数百万年以上かかるでしょう。それに耐えうる宇宙ステーションはさらに巨大でなければなりません。核融合をしながら動く宇宙ステーションで、人類が数万人規模で生活できなければ、子々孫々、存続できません。そのような巨大宇宙ステーションが宇宙のあちこちに派遣されることになるでしょう。
■ 植物・動物も宇宙進出する
ここで、忘れてならないことは、人類だけが移住するのではありません。地球上のあらゆる生物が宇宙移住する必要性があります。おそらく、宇宙には生命がいないでしょう。いたとしても地球型とたいした違いはないはずです。もし、地球と異なるDNA構造を持つ生物がいるとするなら、それはそれで差し支えないわけで、それらの生物も人類が育てることになります。とにかく、神の造られた生物はすべて人類が宇宙で育てる使命があると考えたいと思います。
ノアの箱舟を思い出しますね。
あちらの星にはアンモナイトや三葉虫が生きていて、こちらの星には恐竜が住んでいるということになるでしょう。人類は宇宙移動の宇宙船に乗って、動物園を回るように、星々を見て回るのです。楽しいでしょうね。今からわくわくします。
一億年ほどで天の川銀河全体に人類が進出できれば大成功です。
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