飛行機事故でたくさんの人間が死んだ。
航空会社の人為的ミスで発生した大惨事であった。
マスコミは航空会社の悪事をここぞとばかりに暴きたて、
世論も事故を隠匿するような航空会社の閉鎖的な体質を糾弾した。
事故から数日後、航空会社の社長がある遺族の家に謝罪のために現れた。
「このたびは、まことに申し訳ございませんでした。」
しかし、社長の謝罪のことばなど、遺族には何の慰めにもならない。
「何が申し訳ございませんよ! 息子はあんたたちの会社に殺されたんですよぉ!!」
「息子を返して! 息子を返しなさいよ!!」
その母親は失意の底にいた。理不尽に突然息子を殺されたのだから。
しかし、母親にとってさらに不幸なことは、その息子を殺した航空会社の社長が、
実に誠実な人間であったことだ。
「このたびは本当に申し訳ございませんでした。
あなたの言うことはもっともです。言葉がございません。
我々は、謝罪および罪を償うことを形にするために、弊社を解体します。
会社を解体し、お金に換金します。
そして、その解体で得た財産のすべてを、
死んだ方々を生き返らせるために費やします。
DNA基礎研究、遺伝子工学、人体再生技術、ありとあらゆる研究に資金を投じます。
あなたの息子さん、および亡くなった犠牲者の方々すべてを、必ず我々が生き返らせます。」
航空会社社長は遺族に誓った。