一発屋

 その歌手は一発屋で終わった。
1990年に大ブレークして、翌年には消えた。
ヒットした曲は文字通り一曲だけで、アルバムCD1枚を出しただけだった。

 たまに、懐メロ特集で、その歌手の曲が出てくる。
何年も現役で活躍する歌手達の曲にまぎれて、その一発屋の曲が聞こえてくると、お茶の間は切なくなる。
他の現役歌手達は「あんな一発屋で終わってたまるか」と奮起する。

 だが、当の一発屋。
「たった一曲だけでもブレークすれば一生寝て暮らせる金が入る。
そのお金をずっと自分のものにしておけばもう働く必要なんてないのに。
何曲もヒット曲を出さないといけないなんて、なんてかわいそうな人たちだろう。」

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