ある老夫婦が古い家に住んでいた。
彼らは、急に持ち上がった競技場の建設計画のために、
その家の立ち退きを迫られていた。
愛着のある家だ。彼らは頑なに立ち退きを拒んだ。
老夫婦の立ち退き反対運動がマスコミに取り上げられ、
その弱々しい姿がテレビに映し出されると、彼らは大きな同情を集めた。
近隣住民の中には、競技場の建設現場で建設業者や役人に食ってかかる者まで現れた。
建設反対の署名が集まり、競技場建設は無期限延期となった。
だがある日、老夫婦の固定資産税の脱税が発覚すると、近隣住民の誰かがその家に放火した。