兄が葬式の段取りを手伝ってくれない。
本来なら、長男である兄がやるべきことなのに。
「何で手伝ってくれないの?」
私は兄を問い詰めた。
「意味が無いだろ。」
何とも兄らしい答え。昔から兄はそういう人だった。
「あのね、霊とかそういうの、信じてなくても葬式ってのはやるもんなの。
死んだ人の為にやるんじゃなくて、残ってる人の為にやるもんなの。
親戚の人とかの付き合いとかいろいろあるでしょ。」
子供に説教するように反論してしまった。
「いや、そういう意味じゃなくて…」
いつものようにやる気のなさそうな目をしながら兄が口を開いた。
「どういう意味なのよ。」
「霊が見えるから、俺。」
「え?」
「こんな葬式なんかじゃどうにもならない。やらない方がいい。」