生命の中の時間 

   

 

 自然は変化している。

  生命も自然現象であり、同様に変化している。

 しなしながら、生物は外界と分け隔てた固有の時間を持つ。寿命であり、成長であり、細胞周期であり、生理周期でもある。様々なレベルで、固有の時間を刻んでいる。

 その一つが生物時計と呼ばれる機能で、ほとんどの生物にその存在が観察されている。その機能は恒常性の維持、環境適応、睡眠など、生命を維持するのに重要な機能に関わっている。

 生物時計に着目し、生物固有の時間について、観ていく。

 ここでは、時間生物学分野およびその関連分野の基礎事項、実験方法を説明し、研究の背景を紹介する。

 


  キーワード

時間生物学用語集(日本時間生物学会用語委員会) 参考

日本時間生物学会 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsc/index.html

 

 

生物時計

    生物時計とは、環境周期に近い長さで自立的に振動し、種々の生理機能に作用して、概リズムを発現させる中枢機構のことである。

 概日リズムを発現させる時計の所在は、哺乳類のげっし類では、視床下部の視交叉上核suprachiasmatic nuclei(SCN)にあると考えられている。他の種では、松果体や網膜にもあると考えられている。この場合、体内に複数の時計があり、主時計master clockが、他の従時計slave clockを支配していると考えられている。

 よく聞くバイオリズムという言葉は、専門的にはあまり使用されない。正確には生物リズムbiological rhythmと呼び、内因的な周期現象を示す。

 

健康ネット小辞典

http://www.health-net.or.jp/kenkonet/shoziten/html/c8061.html

日経サイエンス6月号 M・W・ヤング

http://mfg07.nikkei.co.jp/pub/science/page_2/magazine/0006/tokei.html

山口大学 井上研究室

http://www.sv.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~inouye/study.htm

通産省工業技術院 石田グループ

http://www.aist.go.jp/NIBH/ourpages/renkei_daigaku/nishida/research/page1.htm

 

 

概日リズム

  生物リズムには様々な周期が観察されている。例えば潮汐リズムのような約半日の周期、季節変化や繁殖周期のような1年周期、生理周期のような約1ヵ月の周期など。

  その中で、恒常条件下(多くは暗闇で一定温度の条件を設定する)で、約24時間の内因性の周期現象が観察されたとき、それを概日リズム(circadian rhythm)と呼ぶ。内因性が確認されていず、環境サイクルに影響を受け、24時間の周期を示す場合は、概日リズムとは呼ばない。

 

医科学研究所・ヒトゲノム解析センター 榊研究室 

http://www.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/lab/sakaki.html

東京医科歯科大学 井上研究室

http://www.ashitech.ac.jp/jhome/jssr/jsleep/kagaku/kagaku07.html

名古屋大学 生物リズム研究グループ

http://www.human.nagoya-u.ac.jp/~aoki/tokei1.html

九州大学 黒沢研究室

http://bio-math10.biology.kyushu-u.ac.jp/~kurosawa/kpublic.html

岡山大学 中島研究室

http://www.biol.okayama-u.ac.jp/NAKASIMA/ch-sum1.htm#CIRCADIAN

 

 

季節変化

 季節によって周期的に変化する現象。主に日長や気温に誘引される。概日振動体

 

 

 

振動体

 

 


 

 実験方法

 

近年は、分子細胞生物学レベルの研究が主流ですが、様々なレベルでのアプローチは重要だと思います。実験は、必要な情報を得るための手段であって、ほしい情報が手に入るのであれば、あまり新しい古いというのは関係無いと思います。古典的だからというだけで、否定するのは間違っているように思いますが、あまり精度や効率が良いものではありません。私個人的には、それぞれのアプローチには、それぞれの面白さ(発見)があると思っています。

新しい方法がどんどん考え出されていますが、今いるところで学べる技術を完璧に近づけることが大事だと思います。むしろ多くあり過ぎて学びきれないので、目移りする必要も無いと思います。自分で開発するくらいの気持ちを持つことが大事だと思います。

 

ここでは私が行った実験方法とそのコツなど紹介します。

実験プロトコルは、最近は書籍も多くでていますし、インターネットに公開されていることも多いので、独学できます。ただ私も経験しましたが、ビジュアル抜きの文字情報だけで、かつ簡略化されていたりすると、とんでもないミスをしでかすので、一度は経験者のやり方を見ておいた方がいいです。

本やウェブには書かれていないコツやテクニックがあります。必要に迫られない限りは、熟練者に教えてもらう方が近道なうえに、実験も早くうまくいきやすく、実験結果を信頼されやすいです。

参考になれば、幸いです。

 

1.行動記録と解析

準自然条件下での観察記録赤外線システムによる行動記録周期計算、表面解析など

 

2.組織化学

セクション作成免疫組織化学的手法、トレーサー法渡銀染色法など

 

3.分析

 SDS-PAGE ウエスタンブロッティング蛋白定量ホルモン濃度酵素活性測定、

 液体クロマトグラフィーガスクロマトグラフィーなど

 

4.分子細胞生物学的手法

  DNA抽出・精製、Transformation、Primer設計、In situ Hybridization、ルシフェラーゼアッセイ、differential displayなど 


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