エピソードWより
「ラーズ家の食卓にて・・・」

ベルー    : 「ルークに農業は無理よ。彼には父親の血が流れてるもの・・・」
オーウェン : 「わしもその事が心配だ」

 ルークにはアナキンの血が流れている事を示唆するセリフだが、その事に私は疑いをかけている。
 「帝国の逆襲」においてルークは惑星ホスの猛吹雪にさらされて725分の1という危機を脱する事ができず、ハン・ソロによって救出されてしまう。
 この事でルークよりもハンの方がより強いフォースを持つ事が考えられる。
 ルークは「ジェダイ」の子孫などではなく、ただの一般人なのではないかと私は思う。
 ハンはその後、3720分の1の危機ですら自力で軽々と乗り超えてしまう。
 後の修行によってルークは様々な目に見えるフォースを身に付けるが、本当の資質はハンの方にこそあったはずだ。
 ラーズ夫妻はルークの事に関してニセのプロフィールをベン・ケノービ(オビ=ワン・ケノービ)から教えてもらっていたものと思われる。
 突然だが、ルークの実の両親は意外に身近な所にいたのではなかろうか。
 本当は、ベンが子供に恵まれないラーズ夫妻のために実の息子を用意したのかもしれない。
 あの世界の技術ではそのぐらいの事はできそうである。
 そして、その方が家族を物語る映画としてふさわしい気がする。
 ルークはその後の冒険を通じて出会った人々と、親子の葛藤劇や、兄妹愛という大きなドラマを体験するからだ。
 もちろん、その「人々」とは帝国軍の幹部であったり、惑星オルデランのお姫様だったりする。
 かつてのルークには遠い存在だった人々だ。
 ベンは、ルークに本来の「ラーズ」とは違う、「スカイウォーカー」の名字を与えた上で、ラーズ夫妻に預けたのだと思う。
 アナキンの息子だと言う事にしておけば引き取る時に面倒がないと考えたのだろう。
 「自分には子供が出来ない」と勘違いして、いじけた性格に変わってしまっていたオーウェンには大変気の毒な話であるが・・・。
 ただ、妻のベルーは誰かに愛情をそそぐ事ができればそれだけで満足だった様だ。
 ジェダイ無き後の新生帝国では恐怖政治が始まっていた。
 ベンは帝国を倒すため、新しいジェダイ候補となる勇敢な若者を必要とした。
 だからと言って、アナキンのように不運に見舞われたジェダイの息子に、二代続けて苦悩を味わわせる訳にはいかない。
 彼は急遽、ラーズ夫妻へのプレゼントだったルークにジェダイとしての使命を託す事にし、「スカイウォーカー」の名字を与える。
 オーウェンには申し訳ないがこの事を教える訳にはいかない。
 元々はいなかったはずの息子なのだ。
 ベンは初めからラーズ夫妻の息子をもらって行くつもりでいたのだが、しばらくの間は親子で一緒に過ごす時間を与えていたのだと思う。






「ベンの隠れ家にて・・」

 普通の農民ルーク(ラーズ夫妻の息子)はベンから本当の事だとされる父の話を聞かされ、実際の父はオーウェンの言っていた貨物船のパイロットではなかった事を教えられる。
 べンはルークの父が銀河一優れたパイロットであったとし、またジェダイの騎士であった事も告げた。
 ルークにジェダイの修行を引き継がせる為、ベンが勝手に話をでっちあげたのだろう。
 ベンはアナキン(ダース・ヴェイダー)がルークの父を殺したとも言うが、これもアナキンに立ち向かわせたいが為だ。
 ルークはジェダイの教育を受ける条件として年齢的にもオーバーしすぎている上に、必要とされる十分なミディ=クロリアン値も持ち合わせていないと考えられる。
 ベンがこの様な選択をしたのは、過去におけるジェダイ評議会の様々な過ち(現在を尊重する「生きるフォース」を否定して、結果ばかりを先に語ってアナキンをダメにした事)などから来ているのかもしれない。
 「銀河一のパイロット」だの、「お父さんはジェダイの騎士」といった事を言われて、瞬時にそれを信じるルークもルークだが、そのおかげでこの後物語は急速に進展して行く事となる。






「サンドクローラー襲撃とルークの家」 

 何者かに襲撃されたジャワのサンドクローラーを見つけたルーク達。
 ベン・ケノービはこれをサンドピープルの仕業に見せかけた帝国軍のしわざだと言う。(足跡が二列で射撃が正確なため)
 早合点したルークはあわてて家に戻るものの、すでに手遅れとなっており、焼け焦げた自分の家が待っていたのだった・・・。
 ラーズ家の焼き払われた様子などを見ると、帝国軍は着実にR2-D2とC-3POを追っているかの様に見える。
 しかし、実際には帝国軍が逃げたドロイドの形式を特定したという描写は映画のどこにも見あたらない。
 ドロイドの部品を見つけても、その形式まで特定するのは不可能であったはずだ。
 帝国軍兵士はオーウェンの口から出たであろう「ルーク」をなぜ待たないのか。
 こうした主人公の進路にかかわる大事件はぜひわかりやすくスクリーン上に示してほしかった。
 私はルークの家が燃え落ちていた背景にベンが関係していたように思えてならない。
 ベンはルークに「行くな!」と口では言うものの、体は全く止めに入っていないからだ。
 普通、誰かに殺されて戻らぬ人となる可能性があれば、相手の服をつかんで離さないぐらいの事はしたいだろう。
 劇中には登場しない事だが、ラーズ家の農場が経営不振で、ベンは彼らの経済援助をしていた、という事は考えられないだろうか。
 もし、そうなら、ベンがいつの日かルークをもらって行くと主張しても、オーウェンは聞き入れざるを得なかったであろう。
 オーウェンはルークの父が彼ではなく、「帝国へ寝返ったアナキンある」というウソをベンから教えられていた。
 また、ルークの進学希望が毎年オーウェンによって引き止めてられていたのも、ベンの指示があったからかもしれない。
 オーウェンはベンから合図が発信されたら家を焼いた上でそれらしい死体を残し、ルークの元から立ち去るように指示されていたのではないだろうか。(死体をどの様に用意したかがわからないが)
 ベン・ケノービはそうした不可解で突飛な約束のためにオーウェンから変人扱いされていたのかもしれない。
 オーウェンは普段、ベンを追っ払うそぶりを見せていても、実際の力関係は逆にあったのだ。
 ベンはルークを冒険へと誘い、ルークが断ってしまうと相手の意思を尊重してあきらめるふりをする。
 そうして、さも自分が他人の意見に対して寛大な存在であるかの様に振る舞っていたが、実際の所、ルークには勝ち目など無かったのである。
 ベンは最初から自分の決定した予定を変えるつもりなどなかったのだ。
 襲撃されたサンドクローラーの近くで、2列に残されたサンドピープルの足跡に疑問が残るものの、実際のところは誰にもわからない。
 ラーズ夫妻の二つの焼死体はあまりにも描写が残酷で、スターウォーズ世界では禁止されているレベルにあると思うので、これにはなんらかの伏線が張られているものと私は考えたい。






「モス・アイズリー宇宙港の検問」

トルーパー : 「そのドロイド、どのぐらい所有してるんだ?」
ベン     : 「ほしかったら売ってやってもいいぞ」
トルーパー : 「身分証明書を見せろ」
ベン     : 「証明書など見せる必要は無い」
トルーパー : 「証明書は見せなくていい」
ベン     : 「これらはおまえたちの探しているドロイドとは違う」
トルーパー : 「これらは自分たちの探しているドロイドとは違う」
ベン     : 「もうワシらは行ってもかまわん」
トルーパー : 「ああ、かまわん、行け、行け」

 ベンとトルーパーのこうしたやりとりを不思議に思ったルークが、なぜ簡単に検問を突破できたのかとベンに聞くが、ベンはこれをフォースのおかげだと言う。
 「フォースは心の弱い者を自由に操れるのだ」という趣旨の発言をベンはしているが、これは映画を見ている私たち観客に対しても発せられている事に注意したい。
 この後の展開で、帝国軍に追われていると勘違いしたR2-D2とC-3POが、一生懸命トルーパー達から隠れる場面が繰り返される。
 これを見て観客達も「やはりそうなのか」と簡単に納得してしまいがちであるが、そうとも限らない。
 R2と3POがカンティーナの酒場を追い払われ、表で待たされている時の場面を良く見てほしい。
 彼らの後ろにはドロイドではない、何者かを追って聞き込みをしているトルーパー達の姿がある。
 目前のR2達が無視されている事がわかるであろう。
 それにトルーパー達はその辺で放し飼いにされているドロイド達には全く目もくれていない。
 彼らはマインド・トリックを使ってまんまと検問を突破した謎の老人を探しているのではないだろうか。
 もっとはっきり言ってしまえば、あの検問はジェダイであるベン・ケノービがアナキンの息子であるハン・ソロと会わないように普段から日常的に張られていたのではないかと思う。(本来、タトゥイーンは共和国にも帝国にも相手にされない程の惑星である)  
 トルーパー達がタトゥーインのようなつまらない星に常駐しているのはアナキンの独断的な命令の為であろう。
 ベンが息子のいるモス・アイズリーに近づかないよう見張っているのだ。
 そして、その事に偶然ドロイドの逃走事件が重なったのだと思われる。
 検問のトルーパーがまず始めにドロイドについて言及したのも、とりあえずはただ怪しい老人を止めるためではないか。
 多分、本命はその後に要求する身分証明書の方で、彼らはそれ以上ドロイドの事に言及するのを止めてしまっている。
 ・・・にもかかわらず、トルーパーはベンにもう一度ドロイドの事を話すよう強いられ、間抜けな事にルークを騙す手伝いをさせられている。
 帝国軍はドロイドを探し当てる手段をまだ持っていないはずなのだ。(R2ユニットである事も知らないだろう)
 ベン・ケノービがモス・アイズリーに近づく事を見張られていた理由ははっきりしない。
 だがその理由として真っ先にあげられるのが、名前を変えてまで隠し通したアナキンの息子に、ベンがわざわざジェダイ修行のためにライト・セーバーを渡しに行く危険性があった事と、何か関係しているのではなかろうか。
 もし、これが本当だとしたら、アナキンは自分の息子を帝国から守るために帝国軍兵士を利用している事となってしまうので、何か矛盾が感じられて面白い。






「ジャバ・ザ・ハット」 (エピソードW特別編)

 ごく普通の青年にジェダイの修行を受けさせても自力で危機を乗り越えられない事があるかもしれない。
 こう考えたベン・ケノービは、かつてからチューバッカの知り合いを通じて見張っていたアナキンの息子、「ハン・ソロ」とルークを引き合わせてコンビを組ませることにする。
 アナキンには申し訳ないが、ソロにはジェダイを目指させない代わりに一般人であるルークのサポートをしてもらうのだ。
 ハン・ソロの船「ミレニアム・ファルコン号」は、彼の母パドメ・アミダラ・ナベリーが所有していた「ナブー・ロイヤルクルーザー」の生まれ変わりであると私は考える。
 ロイヤルクルーザーはエピソードUの冒頭にて破壊されてしまうのだが、残された4基の高性能エンジンと機体の残骸に目をつけた何者かが、そのジャンクを買い取った上でオリジナルの船を作り上げたのではなかろうか。
 物語の前半で母アミダラの使用していた主役メカの系譜を、後半でその息子が形を変えて受け継ぐ訳である。
 ハンは密輸品のスパイスを帝国の検問に遭って泣く泣く宇宙に放り出した事があり、そこから出来た借金を返すためにジャバ・ザ・ハットの元から逃げられずにいるのだが、これには父、アナキンの意思が働いてる可能性が高い。
 ここで怪しむべきはそのジャバ・ザ・ハットである。
 エピソードTに登場するジャバとは違い、体がやけに小さくなっているし、顔つきは幼く、目の表面はうるうるとしている事に注意したい。
 ハンはこの時、終始ジャバを小馬鹿にしてるが、本来ジャバはハン・ソロごときチンピラにタメ口を聞かれるような身分ではない。
 恐らくオリジナルのジャバはもう死んでしまったのであろう。
 どういう風に組織を復活させたのかまではわからないが、この小さなジャバはアナキンによって作り上げられたクローンジャバであると私は考える。(のちに大人サイズまで成長)
 目的はハン・ソロの自由行動を禁止して銀河の外側へと抑留し、帝国の目から遠ざけ続ける事にあるのだろう。
 全タトゥイーンを仕切っていたジャバが単なる暗黒街のボスにまで落ちぶれている理由も納得がいく。
 ただ「ジャバ死亡」がなぜ全タトゥイーンに広がらなかったのかは謎である。
 その後、ハン達と合流するためドッキング・ベイ94に向かうベン達一行に尾行がつくが、これはベン・ケノービがハンと接触することを嫌うためであって、決して特定のドロイドを追っている訳ではない事を良く確認してもらいたい。
 発進しようとするミレニアム・ファルコン号を帝国軍兵士達が必死に止めようとするのはローブをまとって白い髭を伸ばした老人がハンと接触する事に成功した為であって、ドロイド達とは無関係である。
 ベンを帝国から見た危険人物とするのにアナキンがどういった大義名分を立てたのかまではわからないが、「帝国経済を脅かすスパイスの密輸王」だとかそういった肩書きが与えられていたのかもしれない。
 ベン・ケノービは、絶えずモス・アイズリーの町で帝国軍兵士達から警戒されていたのである。






「ジェダイの修行」

 惑星オルデランに向かうファルコン号の中で、ベンはルークにジェダイの伝統的な訓練を行わせる。
 ベンの目の前にはアナキン・スカイウォーカーの息子がいるにもかかわらず、彼は普通の青年「ルーク・スカイウォーカー」にライト・セーバーの訓練をさせるのだ。
 「息子にはジェダイを目指してもらいたくない」というアナキンの意思をベンが尊重している事がわかる。
 彼は元々ハンにジェダイになってもらおうとは考えていなかったのだ。
 喜び勇んでジェダイの訓練を受ける普通人ルークと、それをせせら笑うアナキンの息子ハン・ソロは非常に対照的である。
 「オレは銀河の隅々まで見て渡ったが、すべての物事をコントロールするフォースなんて聞いた事もねえな。自分の運命は自分で決める」
 アナキンの息子がそう言うと、べンの顔に思わず笑いがこみ上げる。
 ハンは冒険やギャンブルに明け暮れる日々の中で日常的にフォースを使っていたのだ。
 この後、ベンはルークに目隠しをした状態で防御をしてみるよう指示する。
 ルークはその時、見事に3度もレーザー・ビームを受けて見せるのだが、私はよく中学時代に「あれはベンの力であって、ルークが自分でやったんじゃない」と友人と冷やかしていたのを憶えている。
 実際の所はどうだったのであろうか。






「デス・スターにて」

 トラクター・ビームによって捕獲されたミレニアム・ファルコン。
 「モス・アイズリーから逃げてきた船です」
 との報告にアナキン(ダース・ヴェイダー)は、
 「ドロイドを姫に届けるために来たのでしょう。姫はまだまだ使えます」
 と言って、ドッキング・ベイ94における騒動が帝国の機密保持の為であったかのように話をすり替えてしまう。
 アナキンは普段、どのような命令を部下達にしているのかターキン総督には秘密にしているらしい。
 ファルコンを前にした彼は「忘れていた何かを感じる」と言って息子の気配を感じ取ったとも受け取れるコメントをするが、すぐにそこからさっさと立ち去ってしまう。
 アナキンは自分の感じ取った感覚をオビ=ワンのものとして総督に報告し、息子の事には触れない。
 「オビ=ワンとは私が直接対決してやります」と言ってデス・スター内部を歩き回るアナキンだが、この後、彼は絶えず息子の居場所や状況をフォースにて探っているように見える。
 一方のベン・ケノービ(オビ=ワン)は何度もライト・セーバーを取り出す動作ばかりが目立つ。
 始めの内は不意にブラスターに撃たれる事を警戒していたのかもしれないが、後半では明らかに近くにいるアナキンの気配を感じ始めている。
 ・・・にもかかわらずアナキンはベンとの対決を避け続け、あらぬ方向ばかりに注意を払う。
 ベンは近くにいるアナキンがなぜ勝負を挑んで来ないのかがさっぱり理解できない。
 アナキンがようやくベンとの勝負に応じるのは、ハンが相棒のチューイと防火扉をくぐってトルーパー達から逃げおおせた後で、彼はファルコン号の近くでベンを待ち伏せる。
 ようやくその気になったアナキンに対してベンはセーバーを起動させる。
 アナキンが一通りの挨拶を済ませるとベンも簡単な返事をし、向こうの出方をうかがうためベンは自分のセーバーを当てにいく。
 戦いが始まったが、アナキンはなかなか本気ではかかって来ない。
 ベンは様子を見ながらファルコンのある方へと近づいて行くが、それはアナキンも望んでいた事なのでやがて彼らはファルコンの目前までやって来る。
 ファルコン周辺のトルーパー達は初めから指示されていた通りに持ち場を離れ、その様子を見たベンは、自分の息子を逃がす為に、そこまでのお膳立てをしたアナキンの戦略に感心する。
 ベンは、アナキンがなかなか自分との勝負を始めようとしなかった理由をようやく理解し、確実にハン達を逃がすために自分はその場に踏みとどまることにした。
 ベンはハン・ソロに代わってジェダイを目指そうとする頼もしい青年に目をやると、アナキンの取った行動にニヤリと微笑み、後はただ斬られるだけの構えを取るのであった。






「ハンの決心」

 スターウォーズは孤児達の物語である。
 立派なジェダイ騎士達の振る舞いを見ていればそのような感覚は今一つ湧きにくいが、惑星コレリアで養子として育ったハン・ソロなどは明らかに物寂しさから大ざっぱに振るまう癖がついてしまった様だ。
 彼は周囲に親身になってくれる者がいない寂しさから、銀河で自分と同じように恵まれない立場にある者を深く観察する習慣が出来ており、人間ではないチューバッカを長年相棒としている。
 さて、EPWの冒頭でハンはルークに出会い、共に旅に出る事になるのだが、しばらくの間、彼は出会ったばかりのルークを世間知らずな子供としてしか扱わない。
 ルークが苦労を知らないで育ったボンボンであると考えたためであろう。
 だが、ハンもその内ルークが同じ孤児の出身である事を知ったのではなかろうか。
 映画ではハンがその事を知る場面は描かれていないが、デス・スター脱出後の同盟軍基地を目指すファルコン内部で、ハンはそうした事実を彼から知らされたであろう。
 生真面目でつまらないルークの生い立ちが、実は自分と同じである事を初めて知った時、彼は少なからぬ驚きを感じたはずだ。
 レイア姫救出でジャバ・ザ・ハットへの借金返済がようやく可能になった時、ハンはルークの非難をものともせずにさっさと同盟軍基地から去ってゆくが、映画のクライマックスにて彼は歓声と共にルークの危機を救いに戻ってくる。
 一体どういった心境の変化があったのだろうか。
 小型機向けの対空砲が欠落しているとはいえ、巨大なデス・スター上空に舞い戻る事は、常識を知るハンにとって自殺行為以外の何物でもなかった。
 また、同盟軍の掲げる「正義」の為に、現実的選択を無視してしまった集団ヒステリー軍団に、彼が参加するはずも全く無かった。
 だが、同じ孤児でありながらお金に盲目する事の無意味さや、銀河の自由と正義を取り戻す事の大切さを語る、純粋で無垢なルークに、ハンは大きな魅力を感じていたのではなかろうか。
 また、レイア姫のように、弱い民衆を気遣って強い女性であろうと努力するお姫様を、自分は絶対に救いに行かなければならないとも考えたに違いない。
 映画の終盤にて同盟軍最後の攻撃機となってしまい、絶体絶命を迎えるルーク。
 ハンはルークを救おうと全速力でデス・スターへと引き返しているのだが、それを知るベン・ケノービはルークに対して「フォースを使え!」と語りかける。
 ベンの言う通り照準器のスイッチを切ってしまうルーク。
 しかし、ルークには必要とされるフォースなど存在していない。
 だが、その時「ルークが死ぬなら自分も一緒に死んでやろう」と決心したハンの思いがルークを包み込みんでしまい、後ろにいたハンの父を驚かしてしまう。
 「こいつには強いフォースがある!」
 なんとか攻撃を続けようとするアナキンだが、ようやく間に合ったハンの攻撃によって彼のタイ・アドバンスドは吹き飛ばされてしまい、宇宙へと放り出される。
 興奮状態のハンはこうなったら最後までルークに従うつもりだ。
 「よーし、さっさとこいつをぶっ飛ばして帰ろうぜ!」
 ハンのフォースは、ルークの発射タイミングにまで影響を与え、ルークの放ったプロトン魚雷は見事に廃熱坑へと吸い込まれていく。
 デス・スターは吹き飛び、奇跡の逆転劇に自分が影響した事を知らないハンは、
 「よくやった! 百万に一つの名ショットだったぜ!」
 と言って、ひたすらルークを褒める。
 ベン・ケノービはアナキンの息子が、ルークの為に命を投げ出したのを見届けると、ルークを励ます。
 「良いか、フォースは君と共にあり続ける。・・・いつでもだ」