火星には片道約半年、火星で2〜3年滞在して、地球に戻るまで3〜4年かかります。このような長期間人がロケット内に閉じこめられた場合、人体にどのような影響が出るかを、現在宇宙ステーションを利用して実験を行っています。
ここで火星への航行について以下の図により説明します。火星に行くためのには、ホーマン軌道と呼ばれる軌道上を航行することが、最も効率的な方法です。ホーマン軌道上を航行すると、エネルギーの消費を最小に抑えることができます。図では地球から火星まで長い道のりをかけているように見えますが、太陽を中心とした地球の回転座標系から見れば、火星に対してほぼ最短距離で進んでいることになります。



現在火星に送られている無人探査機などは全てこのルートを辿っています。しかし、有人探査となると、水や食料などをロケットに積む必要があるので、無人探査機の場合に必要とされていた燃料では火星に到達することは困難となります。そこで、火星に人を送る前に、月に基地を建設し、そこで火星行きのロケットの燃料補給をすることが考えられています。月は火星に比べればはるかに地球に近いのですが、燃料の多くは地球の重力圏を脱するために使用されるため、一度地球の重力圏を脱した後に燃料を補給することが効率的だからです。右の写真は月面基地の想定図です。月には鉄、アルミニウム、マグネシウムなどの資源があると考えられており、火星への基地とともに、新たな資源開発の地となると思われます。