自己指定の問題

(問)以下のような場合に優先権の基礎とされた出願及び優先権を主張した国際出願はどのように扱われるか?


ケース1

(解答)国際出願は国内出願を基礎としているので、指定国が日本である場合には自己指定とみなされる(PCT8条(2)(b))。したがって、国際出願が日本に移行した場合には、特許法41条に規定する国内優先として扱われる。一方、国際出願が日本以外の指定国(B国、C国など)に移行した場合には、それらの国においてはパリ条約4条の規定による優先権主張として取り扱われる(PCT8条(2)(a))。また、優先権の基礎とされた国内出願は、優先日から1年3月経過後に取り下げたものとみなされる(特42条1項)。



ケース2

(解答)国際出願は日本国のみを指定国とした国際出願を基礎としているので、優先権主張出願の指定国が日本である場合には自己指定とみなされる(PCT8条(2)(b))。したがって、優先権を主張した国際出願が日本に移行した場合には、特許法41条に規定する国内優先として扱われる。一方、優先権を主張した国際出願が日本以外の指定国(B国、C国など)に移行した場合には、それらの国においてはパリ条約4条の規定による優先権主張として取り扱われる(PCT8条(2)(a))。また、優先権の基礎とされた国際出願は、優先日から1年3月経過後又は国内処理基準時のいずれか遅い時に取り下げたものとみなされる(特184条の15第4項)。



ケース3

(解答)国際出願は日本国以外の国を指定国とした国際出願を基礎としているので、いずれの指定国においても自己指定とみなされず、パリ条約4条の規定による優先権主張として取り扱われる(PCT8条(2)(a))。また、優先権を主張した出願が日本に移行しても、優先権の基礎とされた国際出願が取り下げられることはない。



国際調査について

(趣旨)国際調査は関連ある先行技術を発見することを目的としており、すべての国際出願について国際調査が行われる。国際調査は国際調査機関(ISA)によって行われ、国際調査報告(ISR)が作成される。国際調査機関は、国際調査報告の作成と同時に新規性、進歩性等に関する国際調査機関の見解書(WO/ISA)を作成する。
(時期)国際調査機関が受理官庁から国際出願の調査用写しを受領してから3ヶ月又は優先日から9ヶ月のうちいずれか遅く満了する期間に国際調査報告あるいは国際調査報告を作成しない場合の宣言を作成する。これと同時に、国際調査機関の見解書(WO/ISA)を作成する。