(奈良県)
室生寺五重塔(むろうじごじゅうのとう) 宇陀郡室生村
三間五重塔婆、檜皮葺(9世紀前半)
室生寺金堂(こんどう)
正面5間、側面5間、一重、寄棟造、正面一間通り縋破風付葺下し、柿葺(867)頃
室生寺本堂(ほんどう)(灌頂堂(かんじょうどう))
正面5間、側面5間、一重、入母屋造、檜皮葺(1308)
高野山は女人禁制であったが、室生寺は女人の入山を許していたため、女人高野の別名がある。境内
にはシャクナゲが咲き誇っていたが、その前で中年の女性が花には勝てないけれどといって写真を撮っ
てもらっていた。建物も境内も女性を受け入れる雰囲気が漂っているように思われた。
日本で一番美しいことで知られる五重塔は、1998年の7号台風により、周りのスギの古木が倒れて大
きく壊されてしまい修理中であった。倒れて五重塔を壊したスギ古木の板切れが500円で売られていた
が、五重塔の一日も早い復興を願って買った。
金堂は中世仏堂の初期の形式を伝えており、また柱、梁、組物などにはスギ材が使われていて大変珍
しいという。
本堂は和様に大仏様が混在した建物で、柱はスギとケヤキ、板壁はヒノキで造られ、槍鉋
(やりがんな)あるいは手斧(ちょうな)の仕上げあとが歴然としている。
追記
台風で壊れた五重塔は2000年夏幸いにも修理を終えた。修理終了後直ぐの写真を掲載する。
金堂全景
金堂柿葺の屋根
本堂正面
本堂木組
五重塔全景
五重塔木組
写真からも判るように、五重塔の屋根垂木は二重になっているが、下段を地垂木、上段を飛燕垂木と
いう。この五重塔では地垂木に丸太、飛燕垂木に角材が用いられているが、これを地円飛角の構成と呼ん
でいる。垂木がこのように地円飛角の構成を持つ建物は鎌倉時代以前に見られることから、この垂木の構
成をもつ建物は古い時代の建物であることを証明していることになる。この垂木の構成をもつ建物は法
隆寺以前の建物でも確認されているが、法隆寺には用いられておらず、法隆寺の垂木の構成は当時とし
ては例外であったのではないかといわれている。
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