Campylobacter / カンピロバクター

2000/8/3
夏です、食中毒の季節です。というわけで、東京都在住の銀行員、匿名希望さん(23)が見事に Campylobacter / カンピロバクター(→写真:朝日新聞)により食中毒になったのを記念して、カンピロバクターの特集を組んでみました。

カンピロバクター[Campylobacter

グラム陰性微好気性桿菌の一属。らせん状、ないしは S 字状を示し、一端または両端に鞭毛をもちコルク栓抜き様の運動をする。動物・ヒトの生殖器・腸管に見出され、C.jejuni はヒトに急性腸炎ないし食中毒、稀に髄膜炎、菌血症などを起こす。1970 年以前にはほとんど報告されていなかったが、1980 年以降から増加、現在では小児・成人の腸炎起炎菌として最も高頻度に分離されるようになった。感染は主として汚染された食肉による。C.fetus は家畜の流産を起こすが、抵抗性の弱ったヒトに日和見感染を起こすし、しばしば重症になることが知られている。エリスロマイシン・アミノ配糖体に感受性であるが、β−ラクタム系抗生物質には耐性である。
また、ニワトリ、イヌ、ブタ、ウシなどの腸内常在菌であるため、この食中毒は、生の牛乳や飲料水によることが多く、トリ肉、七面鳥肉、ハンバーグ、アイスケーキなども原因になる。食後二〜七日で発症する。潜伏期が著しく長いのが特徴。症状は下痢、発熱、腹痛、嘔吐である。

「岩波:生物学辞典」「朝日新聞社:知恵蔵」より抜粋


匿名希望さんに倦怠感、腹痛の症状が出始めた当初は、「昼に社食で食べた『うなぎ』が原因だ」と言っていたが、それはどうやら見当違いで、それ以前に食べた何かが悪かったのであろう。筆者は、匿名希望さんが、使い古しのペットボトルを水筒がわりにして会社に持っていっていた『お茶(麦茶)』が原因ではなかろうかと密かに考えている。筆者が、「衛生上よくない」と何度も注意しているにもかかわらず、まったく聞く耳を持たず、というか言えば言うほど反抗的な態度をとったことに対して、天罰が当たったのでしょうか?さて、カンピロバクター食中毒の症状は、潜伏期間をへて発症すると、倦怠感からはじまり、腹痛、発熱へと続き、水様性の下痢へと、だいたい1日程度で移行していき、下痢が数日間続くことになる。匿名希望さんは、そんな状態でも会社に行かなければならず、下痢を防ぐため、何も食べないという、聞くも涙、語るも涙な努力(?)をしたそうである。しかし、下手をすると、他人へも菌をばらまくことになるので、みなさんはこういう無謀なことはやめまて、しっかりと栄養をとって、家で休養しましょう。

参考:社団法人・日本食品衛生協会カンピロバクターのページ