What Does Global Warming Bring Us? / 地球温暖化がもたらしたもの
2000/10/17 ([Bilab:4527] より一部改編)
先週の朝日新聞の記事より
リフトバレー熱感染アジアに広がる恐れ
アフリカ半島からアラビア半島の一部に広がっているウィルス性熱病「リフトバレー熱」が将来、ウィルスを媒介する蚊の拡散に伴い、アジアや欧州まで拡大する可能性が出てきた。世界保健機構 (WHO) のクラウキ疫学担当官が九日、明らかにした。リフトバレー熱は1930年、ケニアのリフトバレーで最初に確認された。ネッタイシマカがウィルスを媒介する。家畜から人間にも感染するが、担当官によると人から人へは血液感染の特殊なケース以外はないという。発症すると激しい発熱のほか、脳炎、網膜炎などを起こす。
(朝日新聞 10/11)
以前、マラリアを媒介する蚊に、殺虫剤に耐性をもったものが現れ、再流行しはじめたという話をしましたが、今回のケースの場合は地球の温暖化が、流行の原因のひとつになっています。というのも、エルニーニョ現象が、リフトバレー熱の流行の原因であると考えられているからである。ご存知の通り、エルニーニョ現象とは、ペルー・エクアドル沿岸沖から日付変更線にかけての東部熱帯太平洋の広い海域で、月平均海面水温の平年偏差が、6ヶ月連続してプラス0.5度以上であると定義されている。エルニーニョ現象が起こると、赤道海域で上昇気流が活発に発生し、次いで、北太平洋高気圧が強まる…と言った具合に、世界規模での気流の流れの変化が生じ、ひいては異常気象をもたらすことになる。このエルニーニョ現象が起こると、相対的にインド洋海域の水温も上昇し、その結果、ケニヤ・リフトバレー地域に多量の雨を降らすことになる。これが原因となって、リフトバレー熱が流行するのである。今回の場合、サウジアラビアでリフトバレー熱の発症が確認されており、アフリカから輸入したヒツジが原因と見られている。そして、アフリカ大陸外初の発生ということで、ウィルスの拡散に対して注意喚起がなされている。
みなさんが覚えているかどうかはしりませんが、昨年、アメリカ・ニューヨークで「西ナイル熱」が発生し、市内が大パニックになりました(→参考資料)。アメリカにはいないはずのウィルスが「いた」のです。幸いにして、数名の犠牲者がでただけですみましたが、一歩間違えれば、大惨事になっていた可能性もあります。
世界規模の貿易、温暖化による異常気象、いないはずのウィルスの存在…自然のものであれ、人的なものであれ、さまざまな要因が重なった時、これらの疫病は急速に大流行します。
今年は、いろいろな災害の当たり年でもあります。まさかとは思いますが、気をつけておいたほうが良いかもしれません。
参考資料 SCIENTIC AMERICAN AUGUST2000