Spirura−施尾(センビ)線虫
2000/6/22 ([Bilab:4322] より一部改編)
どうも、こういう話があると気になって調べてしまいます。
「イカから寄生虫」
富山県産のホタルイカの内蔵から、腸閉塞や皮膚炎を起こす恐れのある寄生虫の一種が検出されていたことが、国立感染症研究所の調査で判明。「施尾(せんび)線虫(→写真:丸三製薬株式会社)」と呼ばれ、殺虫処理の不備が原因らしい。調査は5月、都内スーパーで実施。
(スポーツニッポン 6/21)
腸閉塞は1週間ぐらいお腹が詰まり、ガスが滞る程度の軽いもの。また皮膚炎も、お腹の皮下を線虫が這った跡がかゆみを伴った醜いみみず腫れとなる程度。食べた直後から2,3日後までに発症。何週間も後になってから症状がでることはないという。
この間紹介した広東住血線虫と同様に人間が完全な中間宿主ではないため
そんなに長くは生きていられない(中間宿主はホタルイカ、ホタルイカが食べるプランクトン。アニサキスと同様に、海獣イルカの仲間で成虫になると考えられている)。
富山で1960年代に発見される。輸送技術の発達により、他地域でもホタルイカの踊り食いができるようになり、それによって被害も広まった。しかし、線虫は胃と腸に存在しないので、内蔵をきちんと取り除いて食べれば安全である。また60℃のお湯に1秒つければ死滅、−20℃で一昼夜冷凍すればほとんど死滅することから、保存方法、調理方法さえきちんとしていれば、未然に防げるということである。実際に冷凍食品から見つかった施尾線虫は半死、あるいは死んだ状態のものが多い(昨年(99年)の報告例では、「死んだ」線虫しか見つかっていない)。しかし冷凍以外の、氷づけなどで売られているものは要注意。特に今回の場合は「生きた」 線虫が確認されている。
体長たったの1センチ、体幅0.1ミリの糸くずのような細い虫に、我々は、それに負けないくらいの細心の注意を払わなければならないのである。